読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「キャッチャー・イン・ザ・ライ」

2015年06月29日 | 日記
J・D・サリンジャー(白水社)

村上春樹訳
そもそもタイトルだけは非常に有名で、しかし、読み通したのは初めて。おしまいのほうでこのタイトルが出てくる。主人公の『希望』のようなシンボルとしてこれがあるのだろうか。ほぼ一貫して一人称でくだくだ続けられるお話です。これが15歳の少年の「反抗精神」を表しているのかと言えば、?ではあるが、もやもやした少年の気持ちをつづっているところはよく出ている。途中で思ったのはジョイスの小説に似ているかな、と言うこと。その意味で、ちょっと、とっつきにくく、難解な小説だ。青春小説の代表作のような意見もあるが、その点わかりにくい。
こんな陳腐な感想でいいのだろうか。

翻訳には、この村上役と野崎訳の両論がある。
こちらしか読んでいないが、野崎訳を強く推す感想もある。以下、引用しましょう。
『・・・当時の原書はその時代の反抗的若者の言葉遣いを知る上で、文学的に、そして文化的にも貴重なものと
認識されています。野崎氏はその点に留意し、ホールデン(主人公)の言葉遣いを難解な作業でありながら、日本語でその気品に満ちた
反抗性を表現しています。一方、村上氏はその気品を重んじるあまり、反抗性への留意が欠如しており、現代の小説を読んでるイメージを
受けるとともに、この小説がなぜ、ホールデンが一人称として物語が展開していっているのか、を考えさせることができていない。と
思います・・・』

両方を読まなくてはわからないものなのだろうか。
読者もお試しあれ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 秋田の「ヤートセ祭」 | トップ | 「黒い迷宮」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事