読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「名君の碑」

2024年04月26日 | 日記
中村彰彦(文芸春秋)

必読の書でしょうね。特に政治家の方々にはお勧めしたい。
広い意味での平和と国民の暮らしを守るという一番大事な点を、滅私の精神で、江戸時代に実践した大名が、保科正之。

内容紹介は
「将軍家光の異母弟として悲運の生をうけながら、忠勤と民への慈愛に身をつくした、この稀有なる会津藩主の歩んだ清洌な生涯を辿る。
二代将軍秀忠のご落胤として生まれた幸松だが、徳川家の子とは認められず、信州高遠の保科家に養子に出される。その存在はやがて異母兄である三代将軍家光の知るところとなり、引き立てられ、幕閣に於いて重きをなすに至る。功績が認められ会津へ転封となるや日本一とも言われる精強な藩を作り上げる。家光の死後は、甥の四代将軍家綱を後見し、民政に力を尽くし、幕府の確立に貢献した名君、保科正之。その、名利を求めず、傲ることなく、「足るを知る」こそ君主の道とした清々しい生涯を、時に熱く、時に冷静に描く、著者渾身の歴史小説。   」

・・・家庭や肉親には必ずしも恵まれなかったようだが、江戸幕府の初期にこのような人物がいたおかげで、徳川政権が250年も続いたのだろう。
・・・「振り袖火事」の発端は、まさに怪談話。怖いね。
・・・会津藩の基礎も彼の業績。それを国元で家老たちが成し遂げたのも偉い。
・・・本当に、今の政治家や政府の関係者に読んでほしいですね。名作だと思います。😀 


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「道長ものがたり」

2024年04月18日 | 日記

山本淳子(朝日新聞社)
著者は研究者なので、学問的な分析をベースに書いている。これがなかなか面白い。

内容紹介は
『【大河ドラマ『光る君へ』が深く理解できる!】
誰を恐れ、誰を愛したのか––––
最高権力者の知られざる素顔

道長は、一家の末っ子だった。元は最高権力者に就く立場になかった彼に訪れたのは〈幸ひ〉と呼ばれた天運––––。兄たちを襲った立て続けの死や政治的ライバルの自滅があったからこそ掴んだ頂点の座だった。だが死者や敗者、つまり他人の不幸を踏み台に極めた栄華ゆえ、道長はしばしば怨霊に取り憑かれ、病に伏した。読者は「怨霊」の存在に戸惑うかもしれないが、著者は「それを非科学的と嗤っては道長の心を覗けない」と釘をさす。
では、はたして道長はどんな思いで生き、そして死んでいったのか。
自身の手による『御堂関白記』や同時代の貴族による『小右記』『権記』など一級資料のほか、『紫式部日記』『枕草子』など女房たちの実録、道長の死後に成立した『栄花物語』『大鏡』など歴史物語もひもときながら、一人の人間の心の〈ものがたり〉を照らしていく。 』

・・・ネットのコメントを引用します。「・・・山本淳子さんの叙述は見事である。
道長の栄華をたどるのであるが、普通の国文学者だとここまで切れ味の良い分析にはならない。また歴史学者だとここまで史料を一歩超えて、イマジネーションを働かせて実相に迫ることをしない。
この書の中では道長の思考、行動原理、また家族を中心とした周囲とのインターアクションが的確に捉えられている。
この時代は御堂関白記に始まり、小右記、権記、栄花物語、大鏡、紫式部日記などの一級史料、文学作品が残されて」おり、これらを使っての作品だ、という評価。良い線いってますね。

・・・楽しめました。😊 
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「レーザー・メス 神の指先」

2024年04月17日 | 日記

中野不二男(新潮社)

相当前(1989年)の出版ですが、ノンフィクションとしておすすめ本だったので、読んでみた。
最先端の技術開発の苦労話で、なかなか日本人には、発想できない世界を一種の「変人」たちが成し遂げる。どこか負荷の国で発明したものを改良して売るのは得意だが、最初に着手するというのが苦手な我が国のメンタリティ。開発に着手した会社が倒産したのが残念だ。
実は、個人的な経験だが、胃がんの手術でこのレーザーメス(メスと言うよりレーザーで”焼く”というのがふさわしい)を使って、患部を蒸発?させたことがある。おそらくこの技術の開発の初めに近い時代だったのかと推測している。手術はその意味(切除または焼ききった)で成功した。
恩恵にあずかっていたわけで、ある意味身近な医療技術だったと言える。

文章的には、ちょっと物足りないところがあったが、内容で読ませた。😛 

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「司法取引」

2024年04月09日 | 日記

ジョン・グレシャム(新潮文庫)上下

米国の法制度にある「司法取引」があって成り立つ小説だ。我が国にないけれど、面白い制度だ。これに証人保護プログラムがあって、整形手術まで含むところがなんとも徹底している。
「コン・ゲーム」として映画にもなりそうなストーリーのエンターテインメントです。

内容紹介は
『連邦判事とその愛人の殺害事件が迷宮入りかと思われた頃、冤罪で収監されていた弁護士バニスターが、真犯人を知っていると声を上げた。彼はその情報と引き換えに、自らの釈放と証人保護プログラムをFBIに要求する。藁にもすがりたい捜査当局と何度も交渉と説得を重ねたバニスターは、ついに念願の出獄を果たすのだが……。自由を求めて、破天荒な一世一代のコンゲームが始まる。 

FBIは判事殺害容疑で、麻薬関係の犯罪歴があるクィンを逮捕。判事に賄賂を贈っていた彼は、当初、事件との関わりを強く否定するも、やがて自供を始める。一方、証人保護プログラムが適用されたバニスターは、当局の監視下に置かれながらも自由な日々を過ごしていた。しかしある日、突然姿を消してしまう。その身に何が起こったのか……。騙し合いに次ぐ騙し合い、衝撃の結末。』

・・・ところで、話の中に出てくるけど、人が人を好きになるのはどこで判断しているのか。整形手術で全く別人になっても、その人を好きになれますか。顔かたちやしぐさ、声、どこで判断しているのか、全く「別人」になっても好きになれるのか。これが「疑問」だ。
・・・それほど、複雑なゲームじゃあないけど、下巻ではほぼ先が見えるところが、ちょっとね。。。
・・・この著者の傑作と言われる『評決のとき』を次には読んでみたい。何かの都合で、最初に読み損ねていた。😙 
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「トゥデイズ」

2024年04月09日 | 日記

長嶋有(講談社BOOK倶楽部)

表紙から分かるように、団地の物語。淡々とした暮らし。そこに事件が出てきて・・・というのだが、変化がなさ過ぎて、挫折。
でもまあ、紹介だけでも・・・という訳で、下記。

内容紹介は
『どこにでもある日常が、どうしてこんなに愛おしいんだろう。かけがえのない「今日」を描く、芥川賞・大江賞作家の最新作。
夫婦と5歳の息子が暮らす築50年の大型マンションに、今日もささやかな事件が降りかかる――。日本に「住む」すべての人へ、エールを送るマンション小説!
「しゅっ」「ぱーつ!」――5歳の息子コースケと僕たち夫婦は、今日も小さな冒険の旅に出る。子育てのため、郊外にある大規模マンション「Rグランハイツ」に引っ越してきた美春と恵示。管理組合の理事になった妻とリモートワークの夫は、築50年のマンションに集まり住む住人たちとともに、どこにでもあるけれど、かけがえのない日々を重ねていく。
三本阪奈による漫画化原作、「舟」を併録。 

著者
長嶋 有
ながしま・ゆう
1972年生まれ。2001年「サイドカーに犬」で第92回文學界新人賞を受賞しデビュー。02年「猛スピードで母は」で第126回芥川賞、07年の『夕子ちゃんの近道』で第1回大江健三郎賞を受賞し、08年には『ジャージの二人』が映画化された。16年『三の隣は五号室』で第52回谷崎潤一郎賞を受賞。その他の主な小説に『ぼくは落ち着きがない』『ねたあとに』『佐渡の三人』『問いのない答え』『愛のようだ』『もう生まれたくない』『私に付け足されるもの』『今も未来も変わらない』『ルーティーンズ』、コミック作品に『フキンシンちゃん』、主なエッセイ集に『いろんな気持ちが本当の気持ち』『電化文学列伝』『安全な妄想』、句集に『新装版 春のお辞儀』がある。  』

・・・ともかく、読んでいないも同然。評価もなし。すみません。😰 
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