ユッシ・エーズラ・オールスン(早川書房)
事件は陰惨でやりきれないところがあるが、主人公たちのチームの面々のやりとりやユーモアある言動がそれを補ってあまりある。だから読めるのでしょう。
本書の構成がよく出来ている。20年ほどの間を置いて、交互に出来事を記述し、少しずつ犯罪や事件がみえてくる構造が秀逸だ。
内容紹介は
『「特捜部Q」―過去の未解決事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の新部署である。「Q」が今回挑むのは、八〇年代に起こったナイトクラブのマダムの失踪事件。アサドとローセの調査によるとほぼ同時に五人もの行方不明者が出ているという。カール・マーク警部補は大事件の匂いを嗅ぎつけ捜査に着手。やがて、壮絶な過去を持つひとりの老女と新進政党の関係者が捜査線上に浮かび上がってくるのだが…。デンマークを代表する文学賞「金の月桂樹」賞受賞。世界的ベストセラー人気警察小説シリーズ、待望の第四弾。
著者略歴
エーズラ・オールスン,ユッシ
1950年、コペンハーゲン生まれ。ミステリ作家。北欧、ヨーロッパで絶大な人気を誇る。「特捜部Q」シリーズで北欧最高峰の「ガラスの鍵」賞、バリー賞(米)、エル文学賞(仏)、「金の月桂樹」賞(デンマーク)などを受賞
吉田/薫
関西大学文学部ドイツ文学科卒、英米文学・ドイツ文学翻訳家 』
・・・このシリーズにはまっている。「人種差別」「移民問題」「同性愛問題」「家庭内暴力」「人身売買」「男女差別」など現代のヨーロッパに起きてる問題を含んでいる。
・・・本作の「収容所」がデンマークにあったとは。日本のハンセン病の収容所(病院)だって似たようなものだろう。
・・・最後のどんでん返しは、ルール違反という評価もあったが、これはこれで周到に計算されていると感心した。ちょっと騙されましたね。お勧めです。😀