読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「特捜部Q カルテ番号64」

2022年08月22日 | 日記

ユッシ・エーズラ・オールスン(早川書房)

事件は陰惨でやりきれないところがあるが、主人公たちのチームの面々のやりとりやユーモアある言動がそれを補ってあまりある。だから読めるのでしょう。

本書の構成がよく出来ている。20年ほどの間を置いて、交互に出来事を記述し、少しずつ犯罪や事件がみえてくる構造が秀逸だ。

内容紹介は
『「特捜部Q」―過去の未解決事件を専門に扱うコペンハーゲン警察の新部署である。「Q」が今回挑むのは、八〇年代に起こったナイトクラブのマダムの失踪事件。アサドとローセの調査によるとほぼ同時に五人もの行方不明者が出ているという。カール・マーク警部補は大事件の匂いを嗅ぎつけ捜査に着手。やがて、壮絶な過去を持つひとりの老女と新進政党の関係者が捜査線上に浮かび上がってくるのだが…。デンマークを代表する文学賞「金の月桂樹」賞受賞。世界的ベストセラー人気警察小説シリーズ、待望の第四弾。

著者略歴
エーズラ・オールスン,ユッシ
1950年、コペンハーゲン生まれ。ミステリ作家。北欧、ヨーロッパで絶大な人気を誇る。「特捜部Q」シリーズで北欧最高峰の「ガラスの鍵」賞、バリー賞(米)、エル文学賞(仏)、「金の月桂樹」賞(デンマーク)などを受賞

吉田/薫
関西大学文学部ドイツ文学科卒、英米文学・ドイツ文学翻訳家   』

・・・このシリーズにはまっている。「人種差別」「移民問題」「同性愛問題」「家庭内暴力」「人身売買」「男女差別」など現代のヨーロッパに起きてる問題を含んでいる。
・・・本作の「収容所」がデンマークにあったとは。日本のハンセン病の収容所(病院)だって似たようなものだろう。
・・・最後のどんでん返しは、ルール違反という評価もあったが、これはこれで周到に計算されていると感心した。ちょっと騙されましたね。お勧めです。😀  

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「ロシア点描」

2022年08月22日 | 日記

小泉悠(PHP)

時期が時期だけあって、今のロシアに関する話に興味を持ったので、本書を借りてきた。短い本なのですぐに読める。
面白かったのは、ルシア人の気質というか考え方。融通が利くとか電車やバスに乗ったら話しかけられるとか、禁止されると反対のことをやりたがるとか・・・

内容紹介は
『「ロシアとロシア人の魅力を、衣食住の面から伝えたい」という本書の内容は、プーチン大統領の蛮行によってその色合いを変えた。新型コロナウイルスの蔓延下、ロシアを観光で訪れることはかなわない。何より頭をよぎるのは突然、ロシア軍の攻撃によって同胞を失い、住む家、町、国を離れざるをえなくなったウクライナ人の悲しみだ。日本人のロシアやロシア人に対するイメージも、好ましくないものに転じたかもしれない。
しかし、だからこそこの本を手に取っていただきたい。もちろん「ロシア政府とロシア人は別」と簡単に割り切ることはできない。では両者の関係がどうなっているのかということを、なるべく柔らかく、わかりやすく説き、「ロシアという国は何か」について、理解を深める必要がある。
著者は執筆にあたり、次のように語った。「自分のロシアへの『愛』を伝える作品にしたい」。その真意を、一人でも多くの読者に感じていただければ幸いである。 

著者紹介〈小泉悠〉1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。東京大学先端科学技術研究センター専任講師。著書に「現代ロシアの軍事戦略」など。  』

・・・テレビのワイドショウなどで拝見の学者。軍事オタクというカテゴリーも、そんなのあったの?であるが、世の中には色々な事を研究したり興味を持っている人が、ある日突然脚光を浴びることがあるという典型の小泉さん。
・・・鉄道ファンの話もお国柄があって面白かった。
・・・今のロシアを理解する一助にはなるかな?😇 

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「アルファベット・ハウス」

2022年08月19日 | 日記

ユッシ・エーズラ・オールスン(ハヤカワ・ポケット・ミステリ・ブック)

面白かったですよ。
二部構成でその間に27年だったかの歳月がある。第一部が飛行機の墜落から、病院へ行き、その過酷な状況まで。第二部は相棒を探し再会とその結末。

第二部が少々荒っぽく展開の不自然さがあるけど、ストーリーを追っている分には、「どうなるか?」でせかされて、そのあらは見えない。しかし、冷静になれば無理な展開とあまりにも「超人」すぎる登場人物。敵も味方も。

内容紹介は
『英国軍パイロットのブライアンとジェイムズはドイツ上空で撃墜された。かろうじて脱出し傷病を負ったSS将校になりすますが、搬送先は精神病患者に人体実験を施す通称「アルファベット・ハウス」だった。そこに軍の財宝を着服した悪徳将校4人組が紛れ込み、虐待が横行する。ブライアンだけが命がけの脱走に成功するが、やむなく残したジェイムズのことが気がかりだった。27年後、ジェイムズを探しに訪独したブライアンは、町の名士として偽名で暮らす悪徳将校らを発見するが……。人気作家が描く友情と愛憎の物語。 

著者は
エーズラ・オールスン,ユッシ
1950年、コペンハーゲン生まれ。デンマークを代表するミステリ作家。北欧、ヨーロッパで絶大な人気を誇る。シリーズ『特捜部Q』で、北欧最高峰の「ガラスの鍵」賞を受賞した   』

・・・「ポケミス」の1900番記念作品とのこと。
・・・ぴったりの感想があったので、引用します。
「特捜部Qシリーズが好きで、この本を知り読み始めました。あらすじは略。
アルファベットハウスという題名は、軍務不適格者の病名をアルファベットの記号で呼んでいたことに由来するようです。
話のテーマはナチや精神科の話でなく、人間関係の亀裂だ、と作者、あとがきで書いております。
精神科という場所が、誰が正常で誰が異常なのか、異常と正常とはどこで分けるのか、それがさらに戦争という背景が加わり、小さいときから友達同士だった二人の、運命の明暗が分かれていく過程を、重たい題材ながら、テンポよくスリリングに読ませる腕は、デビュー作とは思えません・・・(略)
・・・ラストがもう少しアルファベティカルな無機質さと、余韻があったらなあ・・・   』
・・・戦争ものではないそうだが、そうすると、テーマは「友情の行方」なのかな?それにしてもオールスンにはまっています。😅 

コメント (1)
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「木漏れ日に泳ぐ魚」

2022年08月19日 | 日記

恩田陸(中央公論新社)

やっぱり、最初に出版された当時、しっかり読んでいた。二度読みしてしまった。時間がもったいなかったね。このブログで検索したらすぐ分かったのにね。
ショック。😨 


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「その日の予定」

2022年08月19日 | 日記

エリック・ヴィヤール(岩波書店)

フランス語が原典らしいが、とても優雅な文章に思えた。
ゴンクール賞の受賞もうなずける。
全部読み切れなくて(時間切れ)、残念だけど、事実をベースにした小説らしい。ナチの話は未だにヨーロッパ文学に影を落としているように思える。

内容紹介は
『「いちばん大きなカタストロフは、しばしば小さな足音で近づいてくる」。第二次大戦前夜、オーストリア併合に至る舞台裏を、事実の断片から描き出す。大企業家とナチ高官との秘密会合、オーストリア首相を恫喝するヒトラー、チェンバレンを煙に巻くリッベントロープ…。彼らの卑小で時に荒唐無稽な行動・決断が、世界を破局に引き込んでゆく。事実に基づく物語。仏ゴンクール賞(2017)受賞作。

目次
主な登場人物
1 秘密の会合
2 仮 面
3 儀礼的訪問
4 脅 迫
5 ベルクホーフの会見
6 やむを得ない決定
7 絶望的な企て
8 電報を待った日
9 ダウニング街の別れのランチ
10 「電撃戦(ブリッツクリーク)」
11 戦車の大渋滞
12 電話の盗聴
13 ハリウッドの貸衣装店
14 幸せのメロディー
15 死者たち
16 あの人たちはいったい何者なんだ?
解 説…………三島憲一
訳者あとがき

書評情報
西日本新聞 2020年9月12日(評者:粂川麻里生さん)
読売新聞(朝刊) 2020年8月23日(評者:尾崎真理子さん)
東京新聞・中日新聞(朝刊) 2020年8月8日(評者:粂川麻里生さん)

著者略歴
ヴュイヤール,エリック
1968年フランス・リヨン生まれ。作家、映画監督。主著に本書(2017年ゴンクール賞受賞作)のほか、Conquistadors,roman(´Editions L´eo Scheer.『コンキスタドール』、イグナチウス・J・ライイ賞)、Congo,r´ecit(Actes Sud.『コンゴ』、フランツ・ヘッセル賞)、Tristesse de la terre,r´ecit(Actes Sud.『大地の悲しみ』、ジョゼフ・ケッセル賞)、14 juillet,r´ecit(Actes Sud.『7月14日』、アレクサンドル・ヴィアラット賞)、La Guerre des pauvres,r´ecit(Actes Sud.『貧者たちの戦争』)など   』

・・・こうして目次を見ると、最初の章だけ読んだと分かった。
・・・感想は難しい。😥 



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