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読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「牛車で行こう」

2017年10月31日 | 日記
京樂真帆子(吉川弘文館)
 副題が『平安貴族と乗り物文化』
 何だか可笑しいのです。新聞(読売)の読書案内で、清水克行明治大学教授の説明が面白かったので図書館で借りてみたのです。なんせ、その記事のタイトルが『間違いだらけの車選び』なんですから、ユーモラス感がにじみ出ている。

 内用紹介は
『平安貴族が用いた牛車とは、どんな乗り物だったのか。乗り降りの作法、車種の違い、動力=牛の性能、乗車マナーなど、失われた日常生活を豊富な図版とともに生き生きと再現。牛車の魅力を余すところなく語る。
車種は? スピードは? 嫌なやつと同乗したら? 平安貴族の移動手段「牛車(ぎっしゃ)」とは、どんな乗り物だったのか。古記録や古典文学、絵巻物を素材に、乗り降りの作法、生きる動力=牛の性能、乗車定員やマナーなど、失われた日常生活を豊富な図版とともに生き生きと再現。牛車に魅せられた著者が、その魅力を余すところなく語るユニークかつ必読の書!

目次
・はじめに―ドライブ前の点検/車を選ぼう(車種と身分・階層/牛車の身分規制/偽装する車/車の所有・貸与・相続/受領の牛車)/牛車で行こう!(では、乗り込もう〈牛車は後ろ乗り/牛車は四人乗り〉/車を走らせよう〈牛車のスピード/車中の工夫/車を引く牛/移動の風景〉/車を停めて、降りて、片付けよう〈その前に門をくぐる/車を停める一工夫/車から降りる/車を片付ける〉以下細目略)/歩くか、乗るか?(歩く貴族/輦車宣旨と牛車宣旨/平安貴族と騎馬)/ミヤコを走る檳榔毛車(檳榔毛車とは何か?/檳榔毛車の作法/ミヤコのなかの檳榔毛車)/一緒に乗って出かけよう!(女房たちの同車/同車に表れる人間関係/そして一緒にどこへ行くのか?)/廃れたからこその牛車(廃れる乗車文化/牛車研究の金字塔『輿車図考』/『源氏物語』の牛車) 

著者紹介
京樂 真帆子
略歴〈京樂真帆子〉1962年兵庫県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了(単位取得退学)。同大学博士(文学)。滋賀県立大学人間文化学部教授。著書に「平安京都市社会史の研究」がある  』

・・・こういう観点があったか!と驚く平安文化。
でもね、実際、読んでみたら、真面目なもの。清水先生の方が面白い。「唐車はベンツ」なんて言っているのだ。そして、「自分の分を弁えて、愛車はしっかり選ぼう」ですものね。


DVD「シリアルママ」

2017年10月27日 | 日記
映画です。
ストレスを抱えてもんもんとしているときはこのくらいおバカな映画が良い。
ママが殺人をしまくるお話なんですよ。

内容紹介は(ネットのブログ?から紹介)
『原題   SERIAL MOM
監督   ジョン・ウォーターズ
脚本   ジョン・ウォーターズ   
撮影   ロバート・M・スティーヴンス   
音楽   ベイジル・ポールドゥリス
出演   キャスリーン・ターナー サム・ウォーターストン
      リッキー・レイク マシュー・リラード
      スコット・ウェスリー・モーガン 
      ミンク・ストール ジャスティン・ワーリン
      パティ・ハースト メアリー・ジョー・キャトレット
      スザンヌ・ソマーズ ジョーン・リヴァーズ

第47回(1994年)カンヌ国際映画祭クロージング上映作品(ノン・コンペ)
ムカつく奴は殺す。当然よ。何が悪いの?
ジョン・ウォーターズ監督『シリアルママ』
まず、シリアル・ママごと主婦ビヴァリー(キャスリーン・ターナー)に哀れにも殺されてしまった人たちの"殺害理由"を見てみることにしましょー。
1.息子を変態扱いした
2.娘をフった
3.本当のことをいった
4.鶏肉を食っていた
5.ビデオをレンタルした後、テープを巻き戻しせずに返却した
6.見てしまった....
シリアル・ママ一家説得力にあふるる殺害理由ですね。"ゴミの分別をしない"、"ビデオテープを巻き戻さない"といった規則を守らないのに腹を立て、"人を殺してはいけない"という法律を破っているし。(笑)車、火かき棒、ハサミ、エアコン、ラム肉の足、受話器...凶器もバラエティにとんでいる。殺人鬼をマスコミがヒーローにしたててしまう映画といえば『ナチュラル・ボーン・キラーズ』が思い浮かびますが、あの映画のように暗くうっとうしいものはない。ひたすら明るい"愛と正義の連続殺人鬼"となっています。ママは堂々としたもので反省などひとかけらもない。指紋すら一切ふき取っていない開き直りぶりはお見事?劇場で観たとき何度も大笑いしたが、笑っているのは自分だけだったような...。日本人はブラック笑いは好みじゃないようです。

さて6人を殺害した罪に問われたママ。ママは法廷で弁護人にクビにして、自分で自分の弁護をする暴挙に出た。誰がどう見ても有罪なのだが、ママは裁判をどうやって乗り切ったのか?  』

・・・ここからの法廷劇も愉快痛快、なんせ自分で弁護するのですからね。色々作戦が当ってツキまくって(コメディだからご都合主義ですけれど)可笑しいのです。
・・・ともかく大笑いしながら、楽しみたい方にお勧めです。

「『考える人』は本を読む」

2017年10月25日 | 日記
河野通和(角川新書)

 面白い形の読書案内です。これと前の岩波新書「裁判の非情と人情」を金沢往復の新幹線や特急電車の中で読み切った。もっとも台風通過で遅れ、待合時間やらたっぷりあったせいでもある。

内容紹介は
『言葉が軽くなっていませんか? 「考える」ヒントになるとっておきの25冊
糸井重里さんに推薦をいただきました!「河野さんは読書の森の管理人だ。木を見て、なおかつ森を見ている人。」
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【目次】
1 読書を考える
『それでも、読書をやめない理由』 デヴィッド・L・ユーリン 柏書房
『〆切本』 左右社
『「本屋」は死なない』 石橋毅史 新潮社
『ボン書店の幻――モダニズム出版社の光と影』 内堀弘 ちくま文庫
2 言葉を考える
『わが盲想』 モハメド・オマル・アブディン ポプラ社
『僕らの仕事は応援団。――心をゆさぶられた8つの物語』 我武者羅應援團 大和書房
『スローカーブを、もう一球』 山際淳司 角川文庫
『展望台のある島』 山川方夫 慶應義塾大学出版会
3 仕事を考える
『思い出し半笑い』 吉田直哉 文藝春秋
『姉・米原万里――思い出は食欲と共に』 井上ユリ 文藝春秋
『夜中の電話――父・井上ひさし 最後の言』 井上麻矢 集英社インターナショナル
『作家が死ぬと時代が変わる』 粕谷一希 日本経済新聞社
4 家族を考える
『小倉昌男 祈りと経営――ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの』 森健 小学館
『秋山祐徳太子の母』 秋山祐徳太子 新潮社
『願わくは、鳩のごとくに』 杉田成道 扶桑社
『「私」を受け容れて生きる――父と母の娘』 末盛千枝子 新潮社
5 社会を考える
『広告は、社会を揺さぶった――ボーヴォワールの娘たち』 脇田直枝 宣伝会議
『大東京 ぐるぐる自転車』 伊藤礼 東海教育研修所
『ゴミが降る島』 曽根英二 日本経済新聞社
『ジーノの家』 内田洋子 文藝春秋
6 生と死を考える
『さもなくば喪服を』 D・ラピエール&L・コリンズ ハヤカワ文庫
『へろへろ――雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々』 鹿子裕文 ナナロク社
『モリー先生との火曜日』 ミッチ・アルボム NHK出版
『ただマイヨ・ジョーヌのためでなく』 ランス・アームストロング 講談社文庫
『つながりあういのち』 千石正一 ディスカヴァー・トゥエンティワン

著者について
●河野 通和:1953年岡山市生まれ。編集者。東京大学文学部ロシア語ロシア文学科卒業後、78年中央公論社(現中央公論新社)に入社。おもに雑誌編集にたずさわり、「婦人公論」編集長、雑誌編集局長兼「中央公論」編集長などを歴任。2008年退社。09年日本ビジネスプレス特別編集顧問。10年新潮社に入社し、雑誌「考える人」の編集長となり、6年9か月務める(17年春号で休刊)。週に一度配信されるメールマガジンは、内容の濃さと分量で1万8000人を超える登録者に愛読された。著書に『言葉はこうして生き残った』(ミシマ社)がある。   』

・・・この中で、読んだ本が4冊あった。順番に挙げると、『姉・米原万里――思い出は食欲と共に』『小倉昌男 祈りと経営――ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの』『大東京 ぐるぐる自転車』 『ただマイヨ・ジョーヌのためでなく』
・・・ランスだけは信じたかったのに・・・って思い出してしまった。また、いくつか読みたい本があったのでこれから図書館を見てみよう。読書好きにおすすめです。

「裁判の非情と人情」

2017年10月25日 | 日記
原田國男(岩波新書)

 確かに裁判の実情は一般の人には分かりにくい。もともと筆の立つ方で丁寧かつ分かりやすく解説してあって良い読み物になっていると思う。
 今や、大学教授だからぴったりでもありますね。

内容紹介は(ネットの解説から)
『作家、黒木亮が読む『裁判の非情と人情』原田國男著 多くは灰色無罪だった!?  
 有罪率99%超の日本の刑事裁判において、控訴審で20件以上の逆転無罪判決を出した著名元裁判官のエッセー集である。本音で語られていて、読み応えがある。
 著者が出会った数多くの裁判官たちの素顔が特に興味深い。「人生の達人」ともいうべき彼らの生き方は、一種の指南書としても読める。
 著者に判決文の書き方を徹底して指導した16期上の先輩は、国鉄・私鉄の全国完全乗車の記録を守り、どこかで路線が一駅でも延びると、休日を利用して出かけ、自宅応接間には撮影した映像を映写するためにスクリーンを設置し、開幕のベルとともに幕が開くという念の入れようだったという。のちに東京高裁長官になったこの人物は「まず余暇を入れ、残りで仕事をしなさい。仕事に追いまくられていては良い仕事はできないし、良い家庭も築けない」と言いつつ立派に仕事をこなしていたそうだ。
 自身の経験や司法のあり方についての語り口も率直である。控訴審で出した無罪判決については、真っ白だと思ったケースは少なく、多くは灰色無罪だったというので、やや驚かされる。退官して弁護士になってからは、人質司法(被疑者の長期勾留)の問題を痛感し、裁判官時代にはこれが分かっていなかったと反省している。良い裁判官には弁護士経験が貴重で、法曹一元が望ましいとか、取り調べの全面可視化や証拠開示の徹底が必要であるなど、最高裁や法務省より踏み込んだ考えも述べている。
 面白い話も満載だ。未決勾留日数の算定を間違えて判決を出し、血の気が引いた話、米国に研修に行って、売春の囮(おとり)捜査をしかけられた話、『聖母(マドンナ)たちのララバイ』が高校野球の入場行進曲になり、甲子園球場の貴賓室で疲れた表情で大量の色紙にサインをしていた歌手の岩崎宏美さんを目の前で見た話などが出てくる。
 小学校時代に不良の同級生が豪邸で一人ペットの猿と遊ぶ姿に彼の孤独を感じたという話は、著者の少年非行に対する洞察につながっており、読む側の心にも沁(し)みる。(岩波新書・760円+税)
 評・黒木亮(作家)』

・・・ちょっといい話も結構あって、裁判員制度も肯定的だ。一方で裁判官の書いた批判(「絶望の・・・」)とは違って前向きの姿勢を感じる。両者の中間が真実かなぁ。。。



「東の果て、夜へ」

2017年10月20日 | 日記
ビル・ビバリー(ハヤカワミステリ)

この本の良さは、アメリカの空気を知っているとわかるような気がする。
あの広大な西部、西からウシコンシンまでの中西部の何もない土地。LA~ラスベガス、コロラド、東へ移動。そして頼まれた殺人。黒人の少年の生きるさまを描く。独特の情景にアメリカを思う。

内容紹介は
『――少年は旅に出る。2000マイル先へ、人を殺しに。
名だたるミステリ文学賞を連続受賞。昨年、英語圏で最高の評価を獲得した傑作がついに邦訳。
★英国推理作家協会賞最優秀長篇賞ゴールドダガー受賞
★同最優秀新人賞ジョン・クリーシー・ダガー受賞
★全英図書賞(年間最優秀犯罪小説部門)受賞
★ロサンゼルスタイムズ文学賞(ミステリ部門)受賞

「長年の読書経験で最上級の一冊だ」――ドン・ウィンズロウ(『犬の力』『ザ・カルテル』『サトリ』著者)
ロサンゼルスのスラム街「ザ・ボクシズ」で犯罪組織に所属する15歳の少年、イースト。麻薬斡旋所の見張りを担当していた彼であったが、警察の強制捜査によって施設が押さえられてしまった。仲間から責任を問われたイーストにボスが命令を下す――「ある男を殺せ」。
標的である裏切り者の判事は遠く東に離れたウィスコンシン州へ旅行中で、組織幹部が裁かれる法廷に証人として立つため、来週ロサンゼルスに戻ってくる。その前に始末する。イーストに同行するのは、13歳にして殺し屋である不仲の弟をはじめとした少年たち3名。崩壊の予感と軋轢を抱えながら、2000マイルに及ぶ旅が始まるが……。
罪の意識。同行者たちとの衝突。そして初めて見るロサンゼルスの「外」の光景が、イーストの心をかき乱していく――。孤独なる魂の彷徨を描いて絶賛を浴びたロード・ノヴェルにしてクライム・ノヴェルの傑作。解説/諏訪部浩一(東京大学准教授)

著者について
ビバリー,ビル
1965年アメリカ合衆国ミシガン州生まれ。文学研究者、作家。フロリダ大学で米文学博士号を取得し、現在トリニティ・ワシントン大学にて教鞭を執る。2016年、『東の果て、夜へ』で小説家としてデビューし、英国推理作家協会(CWA)賞最優秀長篇賞(ゴールド・ダガー賞)、同最優秀新人賞(ジョン・クリーシー・ダガー賞)を同時受賞。さらに翌年には全英図書館(年間最優秀犯罪・スリラー部門)、ロサンゼルス・タイムズ文学賞(ミステリ部門)の受賞を果たし、世界的な高評価を得た』

・・・賛否が分かれるけど、個人的には面白かった。アメリカに行ったことがある人には面白いですよ。