イアン・ブレマー(日本経済新聞社)
内容紹介は
『G7は重要性を失い、G20は機能していない。
リーダー不在の世界で、日本は勝ち残れるのか?
かつて有力だったG7は、新興国を含むG20へとシフトした。
しかしG20は、実際の組織というより、むしろ「理念」のようなものでしかない。
20カ国では数が多すぎるし、重要な問題に対して実質的な進展をもたらすための共通基盤がほとんどない。
G20は、まるで巨大なポーカー・テーブルとそれを囲む人々のようだ。
すべてのプレーヤーが積み上げたチップの山を守りながら、
他の19人のプレイヤーの様子を見守り、配られた手札で勝負する機会をうかがう。
これはグローバルな秩序などではない。すべての国が、自分のために行動する世界なのだ。
秩序を失った世界の勝者と敗者はだれか――。
「Gゼロ」という言葉の生みの親が、今後のシナリオを予測する。
著者について
◆ イアン・ブレマー (Ian Bremmer)
ユーラシア・グループ社長。
スタンフォード大学にて博士号 (旧ソ連研究)、フーバー研究所のナショナル・フェローに最年少25歳で就任。
コロンビア大学、東西研究所 (East West Institute)、ローレンス・リバモア国立研究所を経て、ワールド・ポリシー研究所の上級研究員 (現職)。
2007年には、世界経済フォーラムの「ヤング・グローバル・リーダー」に選出される。
1998年、28歳で調査研究・コンサルティング会社、ユーラシア・グループをニューヨークに設立。
同社はグローバルな政治リスク分析・コンサルティングの分野をリードする専門家集団として成長を続けている。
『自由市場の終焉』をはじめ、本書のほかに7冊の著作があり、いずれも高く評価されている。
また政府首脳 (民主・共和両党の大統領候補者、ロシアのキリエンコ元首相、安倍晋三元首相など) にも助言を行ってきた。
◆ 北沢格 (きたざわ・いたる)
中央大学経済学部教授。1960年生まれ。
東京大学大学院人文科学研究科英語英文学専攻博士課程単位取得退学。
翻訳家としても活躍中。『リーダーパワー』、『国家の崩壊』(ともに日本経済新聞出版社)、
『バタフライ・エコノミクス』(早川書房)など訳書多数。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ブレマー,イアン
ユーラシア・グループ社長。スタンフォード大学にて博士号(旧ソ連研究)、フーバー研究所のナショナル・フェローに最年少25歳で就任。コロンビア大学、東西研究所(East West Institute)、ローレンス・リバモア国立研究所を経て、ワールド・ポリシー研究所の上級研究員(現職)。2007年には、世界経済フォーラムの「ヤング・グローバル・リーダー」に選出される。1998年、28歳で調査研究・コンサルティング会社、ユーラシア・グループをニューヨークに設立
北沢/格
中央大学経済学部教授。1960年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科英語英文学専攻博士課程単位取得退学。翻訳家としても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
発行している日経新聞から書評?を引用する
『本書は、リーダーシップをとる国が存在しなくなった現在、危機が発生した場合に誰も対処できないと、どんな混乱がもたらされるか、そしてこうした世界における勝者と敗者を決める要因は何かを分析する。頻繁に発生する世界の大きな出来事と、私たちの生活への影響を考えるとき、論考の土台、案内役として大いに役立つ。
第2次大戦後の世界の運営は、最初は米国がリーダー役となり、その後、主要国が協議に参加するG7、G20とバトンをつないできた。著者によれば、現在では、個々の国にリーダー役を担う余裕はなく、先進国と新興国からなるG20も「政治的、経済的価値観が共有されていない」ために限界があり、リーダー役不在の「Gゼロ」状況となっている。「Gゼロ」の世界では、集団防衛システムは構築し難い。食料や水、環境、サイバー空間、国際標準の設定などを巡る紛争が予想され、国際的な力の均衡は、軍事力ではなく経済力で測られ、保護主義の動きが高まると指摘する。
そして、勝者は、適応力がありリスクや攻撃に対する防御が備わっている主体、敗者は、新しい現実と変化の必要性に対する認識を拒む主体であると考える。「Gゼロ」下での世界の運営を、(1)米国と中国の関係が協調的か対立的か(2)米中以外の国々の力が強いか弱いか、という2つの軸で分類している。最も確率が高いケースは米中が対立的、米中以外の国々は地域限定的ではあるが強いという、地域分裂的な世界。米国は、リーダーとしての限界を受け入れざるを得なくなり、世界に対する貢献は再構築を迫られるとする。
人々の行動、政府の政策そして企業戦略は、「場」の変容とともに変化する。本書は、この「場」をグローバルにとらえ、世界の舞台が歴史的な変化を見せるにつれ各国の政策展開もそれに合わせて変革を遂げる必要があることを力説する。近年の経済分析において、国を「ユニット(単位)」とする伝統的な理論モデルへの執着が誤った診断を与え、世界金融危機を招来する一因となったことを想起すると、本書の分析は一段と価値を増すだろう。
(学習院大学名誉教授 奥村洋彦) [日本経済新聞朝刊2012年8月5日付] 』
・・・世界の今後に関心のある方におすすめ。
・・・お勧めは、終章を読めばいい。今後の世界をどう見るか、貿易や経済でお互いがんじがらめの米中関係だからどう混乱しても大きな衝突にはならないかもしれないが、まったくリスクがないわけではない。
色々分析があって興味深い論調だった。
内容紹介は
『G7は重要性を失い、G20は機能していない。
リーダー不在の世界で、日本は勝ち残れるのか?
かつて有力だったG7は、新興国を含むG20へとシフトした。
しかしG20は、実際の組織というより、むしろ「理念」のようなものでしかない。
20カ国では数が多すぎるし、重要な問題に対して実質的な進展をもたらすための共通基盤がほとんどない。
G20は、まるで巨大なポーカー・テーブルとそれを囲む人々のようだ。
すべてのプレーヤーが積み上げたチップの山を守りながら、
他の19人のプレイヤーの様子を見守り、配られた手札で勝負する機会をうかがう。
これはグローバルな秩序などではない。すべての国が、自分のために行動する世界なのだ。
秩序を失った世界の勝者と敗者はだれか――。
「Gゼロ」という言葉の生みの親が、今後のシナリオを予測する。
著者について
◆ イアン・ブレマー (Ian Bremmer)
ユーラシア・グループ社長。
スタンフォード大学にて博士号 (旧ソ連研究)、フーバー研究所のナショナル・フェローに最年少25歳で就任。
コロンビア大学、東西研究所 (East West Institute)、ローレンス・リバモア国立研究所を経て、ワールド・ポリシー研究所の上級研究員 (現職)。
2007年には、世界経済フォーラムの「ヤング・グローバル・リーダー」に選出される。
1998年、28歳で調査研究・コンサルティング会社、ユーラシア・グループをニューヨークに設立。
同社はグローバルな政治リスク分析・コンサルティングの分野をリードする専門家集団として成長を続けている。
『自由市場の終焉』をはじめ、本書のほかに7冊の著作があり、いずれも高く評価されている。
また政府首脳 (民主・共和両党の大統領候補者、ロシアのキリエンコ元首相、安倍晋三元首相など) にも助言を行ってきた。
◆ 北沢格 (きたざわ・いたる)
中央大学経済学部教授。1960年生まれ。
東京大学大学院人文科学研究科英語英文学専攻博士課程単位取得退学。
翻訳家としても活躍中。『リーダーパワー』、『国家の崩壊』(ともに日本経済新聞出版社)、
『バタフライ・エコノミクス』(早川書房)など訳書多数。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ブレマー,イアン
ユーラシア・グループ社長。スタンフォード大学にて博士号(旧ソ連研究)、フーバー研究所のナショナル・フェローに最年少25歳で就任。コロンビア大学、東西研究所(East West Institute)、ローレンス・リバモア国立研究所を経て、ワールド・ポリシー研究所の上級研究員(現職)。2007年には、世界経済フォーラムの「ヤング・グローバル・リーダー」に選出される。1998年、28歳で調査研究・コンサルティング会社、ユーラシア・グループをニューヨークに設立
北沢/格
中央大学経済学部教授。1960年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科英語英文学専攻博士課程単位取得退学。翻訳家としても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
発行している日経新聞から書評?を引用する
『本書は、リーダーシップをとる国が存在しなくなった現在、危機が発生した場合に誰も対処できないと、どんな混乱がもたらされるか、そしてこうした世界における勝者と敗者を決める要因は何かを分析する。頻繁に発生する世界の大きな出来事と、私たちの生活への影響を考えるとき、論考の土台、案内役として大いに役立つ。
第2次大戦後の世界の運営は、最初は米国がリーダー役となり、その後、主要国が協議に参加するG7、G20とバトンをつないできた。著者によれば、現在では、個々の国にリーダー役を担う余裕はなく、先進国と新興国からなるG20も「政治的、経済的価値観が共有されていない」ために限界があり、リーダー役不在の「Gゼロ」状況となっている。「Gゼロ」の世界では、集団防衛システムは構築し難い。食料や水、環境、サイバー空間、国際標準の設定などを巡る紛争が予想され、国際的な力の均衡は、軍事力ではなく経済力で測られ、保護主義の動きが高まると指摘する。
そして、勝者は、適応力がありリスクや攻撃に対する防御が備わっている主体、敗者は、新しい現実と変化の必要性に対する認識を拒む主体であると考える。「Gゼロ」下での世界の運営を、(1)米国と中国の関係が協調的か対立的か(2)米中以外の国々の力が強いか弱いか、という2つの軸で分類している。最も確率が高いケースは米中が対立的、米中以外の国々は地域限定的ではあるが強いという、地域分裂的な世界。米国は、リーダーとしての限界を受け入れざるを得なくなり、世界に対する貢献は再構築を迫られるとする。
人々の行動、政府の政策そして企業戦略は、「場」の変容とともに変化する。本書は、この「場」をグローバルにとらえ、世界の舞台が歴史的な変化を見せるにつれ各国の政策展開もそれに合わせて変革を遂げる必要があることを力説する。近年の経済分析において、国を「ユニット(単位)」とする伝統的な理論モデルへの執着が誤った診断を与え、世界金融危機を招来する一因となったことを想起すると、本書の分析は一段と価値を増すだろう。
(学習院大学名誉教授 奥村洋彦) [日本経済新聞朝刊2012年8月5日付] 』
・・・世界の今後に関心のある方におすすめ。
・・・お勧めは、終章を読めばいい。今後の世界をどう見るか、貿易や経済でお互いがんじがらめの米中関係だからどう混乱しても大きな衝突にはならないかもしれないが、まったくリスクがないわけではない。
色々分析があって興味深い論調だった。