読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「空飛ぶタイヤ」下

2015年11月26日 | 日記
さて後半です。
なかなかハッピーエンドにたどりつかず、はらはらドキドキさせますね。
(以下ネタバレ)
週刊誌の記事が圧力で取りやめになったり、警察が方針を変えてこのM自動車を捜査し始める。しかし、なかなか証拠が見つけられず、もうだめかと思ったら意外なところに解決の糸口が出てくる(これはちょっと安易な感じもするがそれなりに納得のいく伏線がはられておりまあ、良いか・・・)。

旧財閥の自動車会社の組織のもつ論理がやりきれない。いろいろな人物がいて会社を牛耳っている次の社長と目される役員やら、関係の銀行の内部の話とか、親会社の重工が出たり、事実に近くて面白い。正義感あふれる社員もいるがそれも一筋縄ではいかない。単純に正義や信義だけでない。企業におけるサラリーマンとは・・・「宮仕え」のやりきれなさもありますね。

ともあれ、ほとんど2日ほどで読み切った。新幹線の往復2時間が有効な読書タイムになったのである。
お勧めです。もうみなさん読んでいるかな?
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「空飛ぶタイヤ」上

2015年11月18日 | 日記
池井戸潤(講談社文庫)

実に読み応えがあります。まだ上巻だけだけど、図書館に下巻も注文したところ。
死亡事故になってしまった事件が発端。これはM自動車の実際にあった事件を元にしており、リアリティがあるのは当然。主人公はおそらくこの運送会社の社長。しかし、周りの色々な人物や相手側など多くの人たちが登場しそれぞれにこの事件に振り回されていく。彼らも主人公だ。被害者遺族から責められたり社会のバッシングで経営も苦しくなっていくが、整備不良ではないとの信念から真実を見いだそうと懸命になっていくのだ。問題は相手側のMトラック製造メーカーなのだ。財閥系の企業の内実がわかって面白かった。こんな会社に就職しないでよかったと思う。就職は40年以上も前のことにはなるが。サラリーマンと会社の関係なんていつかは組織が大事になっていくのだろう。でも見返りなんて個人には及ばない。企業は自分達に非があるなどとは絶対に認めない・・・
重いテーマですね。すいすい読んでしまった。

内容紹介は
『トレーラーの走行中に外れたタイヤは凶器と化し、通りがかりの母子を襲った。タイヤが飛んだ原因は「整備不良」なのか、それとも…。自動車会社、銀行、警察、週刊誌記者、被害者の家族…事故に関わった人それぞれの思惑と苦悩。そして「容疑者」と目された運送会社の社長が、家族・仲間とともにたったひとつの事故の真相に迫る、果てなき試練と格闘の数か月。
著者略歴
池井戸/潤
1963年岐阜県生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。銀行勤務を経て、1998年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞』

・・・とはいえ、例の半沢直樹で有名になったでしょう。遅まきながらこの本を読み始めた次第。
面白いですよ。
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「定年後のリアル」

2015年11月17日 | 日記
勢古浩爾(草思社文庫)

痛快な「定年読本」である。
定年になったらその後の心配は、お金、生きがい、健康だそうだ。
確かにね、不安要因だ。そしてそれらは自分ではもうどうしようもない事柄だらけ。

それに対する著者の回答は非常に明快。「あなたの好きなように生きてください」なのだ。
そう開き直って?行くしかないよね。その結論に至る考え方がいい。

著者の日常が良い。散歩して公園に行って、喫茶店でお茶をのんだり昼飯にしたり。あまり欲張らないというかそういうゆっくりした生活の中で本を書いているのが良いのでしょう。

内容紹介と著者紹介です。
『「六千万のマネープランを」「孤独死にご用心」「生きがいはどうする」…!?不安を煽るメディアの情報に振り回されず、地に足をつけて人生の後半戦を生き抜くための処方箋。
著者について
1947年大分県生まれ。明治大学政治経済学部卒業。洋書輸入会社に34年間勤務ののち、評論活動に入る。『まれに見るバカ』(洋泉社・新書y)がベストセラーとなり話題になる。市井の一般人が生きてゆくなかで、運命に翻弄されながらも自身の意志を垂直に立て、何度でも人生は立てなおすことができると思考し、静かに表現し続けている。著書に『思想なんかいらない生活』(ちくま新書)、『結論で読む人生論』(草思社)など。1988年、第7回毎日21世紀賞受賞』

まあ、ものぐさというかゆっくりしたい定年後のひとつの解決方法の提示ですね。
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「いいエリート、わるいエリート」

2015年11月16日 | 日記
山口真由(新潮新書)

読後感は「やれやれ・・・」
著者の経歴だけで手に取らせる本ですね。いわく東大首席、在学中の司法試験合格、財務省入省・・・いまやハーバード留学。お勉強遍歴だ。

さてさて、かような人生、何が面白い?
中学まで札幌、そして東京に出て国立の付属高校から東大文一へ。気が付いたら全優だったのでその勢いで作戦を立てて、全優の同級生よりひとつ多く単位をとったら「首席」になれた・・・
ともかくがり勉に徹した成果でしょう。一種そこから落ちるのがいやだという落伍の恐怖との戦い?で常に一位を目指さなければならないという強迫観念でしょうか。人生つらいだろうなぁ。

もっとゆったりした優雅?なところがある、つまり「純粋、理想主義的、少し現実離れしたあやうさ」がある東大文学部の学生とか役人になってからの文科省の「人々」という評価が面白かった。要は「余裕」が優雅に見えたのかな?

彼女の人生を10分で話せと言った財務省の秘書課長の評価が面白かった。3分しか話せなかった内容について「つまんねい人生だな」との評価は、まさに彼女とその勉強姿勢及び本書にぴったり。しかし、財務省レポートは面白い。事実だろう。キャリアだって組織の歯車のひとつに過ぎない。何か自分が国の役に立っているという実感はもっともっとポストが上に行かないとわからないだろう。その上、上に行ったら次の行先やら別のことを心配してとても「国家国民のため」という感覚も失われていく場合も少なくない。どこがエリート?

『読後感は、論説があまりにも幼稚すぎてまるで中学生が書いた大学や財務省の体験レポートのような文章になっています』『彼女はガリ勉で得点の世界に生きて来て、頭はいいが世間知らずのお嬢さんなんだな、と思いました。ハーバード大学に留学しても、行く前と現状はあまり変わらないと私は思う』という書評には納得。
これまた、我が国の学歴(学校歴)信仰の誤った”成果”なのだろうか・・・
図書館で借りて正解。わざわざ新書を買うと無駄なお金を使ったと思っていやになるだろう。
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「炎の証言」

2015年11月11日 | 日記
シェリー・ルベン(扶桑社ミステリー)

なかなか楽しめるミステリでした。
最初のところは登場人物の説明みたいでなんだかどう展開するのかもやもやした印象。その上、問題の自動車火災の被害者の父親たちと会うところなどちょっと都合がよくないですか、と言いたいところもある。
しかし、後半は「法廷もの」となって法学部出身者には面白い。相当簡略にしているけど。
また、出てくるクラシック・カーの知識がないのでどこまで本当かわからずまごつくけれど、自動車ファンにはたまらないかも。

内容紹介は
『今から五年前、世界に数台という超高級クラシックカーが炎上しオーナーのスタンフィールドの焼死体が発見されるという事故が起きた。補修不良による事故と断定され遺族は販売元コートランド社に対し五千万ドルの賠償訴訟を起こしたが、会社お抱えの弁護士は全く役に立たない。そこで急遽指名を受けて弁護に立つことになったマックスは、火災分析のエキスパートであるノーランの協力を得て出火原因の究明に乗り出したのだが…弁護士と火災専門の探偵という名コンビの活躍をユーモアたっぷりに描く女流作家の話題作』

主人公マックスとノーランの会話が楽しい。アメリカンミステリの特色のひとつですよね。
傑作は、陪審の結論が出るまでの『時間』の話。これは読んでのお楽しみ・・・笑ってしまった。

ともあれ、大いに楽しんだ。

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