読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「嘘みたいな本当の話」

2016年07月29日 | 日記
高橋源一郎・内田樹(文春文庫)

確かに、面白い話を集めるというプロジェクトは楽しそうだ。アメリカの同様のプロジェクトをまねた計画の書籍化なんだけど、何と言うか「日本的」な”定型”の集合のようだ。編者の感想にもあるがアメリカとの違いがおかしい。あちらはもっと地域差があったり言語階層化がみられるそうだ。

本書の面白さは一種の怪談、怪奇現象を集めたらこうなるよね、であるが、他に「おばあさん」などのテーマが面白かった。「あるある・・・」だものね。

内容紹介は
『泣いた、笑った、驚いた! 日本中から届いた149の実話たち
「人生にはいろんなことがあるよねって僕は読んでてホッとしました」
──内田樹
★ほしよりこの楽しいイラストに、
柴田元幸×内田樹による〈特別対談〉も収録!
ひとはいつだって、それぞれの現実を生きている
◎スリに遭い、大事な写真がなくなった!でもある日、郵便受けを開けたら……(「写真」)
◎死のうと思った。二歳の息子と車に乗ってエンジンをかけたそのとき……(「死のトンネル」)
「あるある」から「まさか!」まで、どこかの誰かの身に起きた、本当にあったストーリー。
ポール・オースターが呼びかけ、全米から体験談が寄せられた『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』。いきいきとアメリカの姿を描き出した、感動のプロジェクトを日本でも』

著者略歴
内田/樹
1950年、東京都生まれ。神戸女学院大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。『私家版・ユダヤ文化論』で第6回小林秀雄賞、『日本辺境論』で2010年度新書大賞、2011年4月には第3回伊丹十三賞を受賞。日本ユダヤ学会理事、多田塾甲南合気会師範、大阪市特別顧問
高橋/源一郎
1951年、広島県生まれ。作家。明治学院大学教授。81年、『さようなら、ギャングたち』で第4回群像新人長編小説賞優秀作を受賞しデビュー。88年、『優雅で感傷的な日本野球』で第1回三島由紀夫賞、02年、『日本文学盛衰史』で第13回伊藤整文学賞を受賞

夏の夜のお供に・・・少し怖くて『納涼』に良いです。
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「満願」

2016年07月29日 | 日記
米澤穂信(新潮社)

ずっと以前に購入。積読状態だったのだが、やっと読んだ。
確かに「謎」をいろいろな展開で見せてくれながら、それを鮮やかに切り取って見せる手法が目新しくテーマもそれぞれ変化に富んで面白い。

内容紹介は
『人を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは――。驚愕の結末で唸らせる表題作はじめ、交番勤務の警官や在外ビジネスマン、フリーライターなど、切実に生きる人々が遭遇する6つの奇妙な事件。入念に磨き上げられた流麗な文章と精緻なロジック。「日常の謎」の名手が描く、王道的ミステリの新たな傑作誕生!』

個人的な好き嫌いを挙げると・・・
表題作『満願』は確かに傑作だなぁ・・・最期まで本当のところが分からなかった。「願い」の成就ですね。
『柘榴』はちょっと気持ち悪い。
『関守』は何となく結末が読める。『万灯』は動機に論理的に無理がありそうだが、被害者と加害者を結ぶのがなかなか思いSつかない線で面白かった。
お勧めですよ。

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「任侠書房」

2016年07月14日 | 日記
今野敏(中公文庫)

いやまぁ・・・愉快な話だ。
主人公はやくざ。ちょっと変わっているのでそのへんの暴走族や暴力団とおは大違い。
まっとうな「やくざ」さんなのである。

ひょんなことから組長が出版社の社長を引きうけ、それにまつわるマルボウの警察が出てきたり、他のやくざの「しま」の中にある出版社なのでそことの一触即発話とかいろいろ絡んで面白い。

内容紹介は
『日村は、任侠道をわきまえる古風なヤクザ・阿岐本組の代貸だった。その気まぐれな組長が、倒産寸前の出版会社の経営を引き受けることになり・・・
任侠シリーズの第一弾である。なかなか楽しい、一気読みできるエンターテイメントだ。
この「任侠書房」だが意外にもまっとうな話。不人気の週刊紙や女性月刊誌、売れない書籍を出版している中堅出版社。まあ、よくある倒産寸前の出版社だが、それを出版には縁もゆかりもないヤクザが建て直してしまうという、言わば企業小説・・・
 週刊紙のネタとして、ヤクザ世界の内幕を暴露する記事を載せるのは当然としても、女性誌の企画を出したり、編集長を入れ換えたりと、なかなか実際的手法を繰り出す。ヤクザと暴力団の違いを義理人情で説明し、古風な価値観もまた良いもんだと説得力のある語り口で読ませてしまう。しかも、ヤクザ業界特有のしきたりや、裏世界の事情も織り込むので、超個性的な登場人物と相まって、魅力的なエンターテイメントとなっている』

ヤクザが黒い服を着ているのはいつでも義理ごと(葬儀)があってもすぐ駆けつけられるようにしているため、だとか常に現金の30万や50万を用意しているとか、変なことを教えてもらった。

著者は、まともなミステリも書いているけど、このやくざシリーズは面白いです。




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「明治維新という過ち」

2016年07月13日 | 日記
原田伊織(毎日ワンズ)

副題が、「日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト」
結構、刺激的なタイトルだが『キワモノ』本ではない。しっかり調べ書かれていると思う。
歴史は勝者の「歴史」という側面があるのは仕方ないが、こうまで現代で通用しているといつのまにやら『真実』として流布、小中学校だってそのままおしえられる。中国共産党が、自国の歴史を書き換えたって仕方ない面はある。
それにしても、いつのまにやら「通説」化した長州版近代史。よく考えると『明治維新』あたりの史実とやらの胡散臭さ、丹念に事実を追いかけたら本書のような結論になるのでしょうね。会津における官軍の虐殺など(死体の埋葬を半年以上許可しなかったり、支配した官軍の兵隊の乱暴狼藉強姦など)悲惨を究める。これでは会津の人たちは終生長州を嫌うだろうと思える。
罪つくりなのは司馬遼太郎の「坂本竜馬」だ。本名は「龍」だが小説だから「竜」にしたらしいが、ほとんど史実と思われ流布し、大河ドラマもこの風潮に追い風だ。

編集者の内容紹介がある。
『□『明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト』
書名からはスキャンダラスな印象を受ける読者もおられるかもしれないが、底流にあるものは史実を重んじる精神と、倫理観を重視して歴史を読み直そうとする著者独特の視座である。
 日本の近代を開いた明治維新-著者は、日本近代史の大前提となっているこの視点に異議を申し立てる。そして、明治維新を成し遂げたとされている著名な事件、事象の実相を詳しく整理し、幕末動乱の一連のムーブメントを狂信的原理主義によるテロリズムであったと説く。そのテロ行為の実態をもつぶさに列挙し、これまで語られてきた麗しい「明治維新物語」を明快に否定する。たとえば、「吉田松陰」は長州軍閥・山県有朋が創作した虚像だった、といったように…。
 この視点は、明らかに現代の公教育と真っ向から対立するが、それについても「我々は薩長がでっち上げた官軍教育のウソにいい加減気づくべきであろう」と舌鋒(ぜっぽう)は鋭い。
 特筆すべき点は、歴史解釈に長い時間軸を引く必要性を強調し、明治維新を、その後の昭和、平成に至る歴史と同じ時間軸に乗せて、「薩長のテロ革命さえなかったならば、日本が大東亜戦争に突入することはなかったであろう」と断じている点である。
 長州勢力の東北列藩に対する残虐行為にまで詳細に触れ、倫理観を殊更重視して語る著者のいちずともいえる筆致は、曖昧さの支配する現代社会に生きる私たちには鮮烈なインパクトを与える。著者の執念を感じさせる力作である。(毎日ワンズ・1500円+税)
 毎日ワンズ編集長 祖山大』

歴史は分からない。常に批判的視点は持ちたい。
戦争したら負けてはいけないですね。それにしても戊辰戦争はやらなくてもよかった戦争と思える。
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「謎解き印象派」

2016年07月07日 | 日記
西岡文彦(河出文庫)

勉強になりますね。
やはりある程度の知識を持っていないと絵画鑑賞は無理。
その入門書として最適です。

また、なぜ日本人が「印象派」が好きなのかも解き明かされている。これも大事なところ。

内容紹介は
『単なる“印象”を描いたにすぎないという批評家の酷評から、その名がついた印象派。モネのタッチは「よだれの跡」ルノワールの裸婦の色彩は「腐敗した肉」と嘲笑された。当時の人々にとって、印象派の絵は、なぜ下手で下品に見えたのか?そんな不遇の絵画が、今日では、なぜ名画の代表になったのか?そして印象派が、日本で人気の理由とは?モネ、マネ、ドガ、ルノワール…究極の鑑賞術を通して、印象派の謎のすべてに答える画期的入門書』

著者は
『1952年生まれ。多摩美術大学教授。伝統版画技法「合羽刷」の数少ない継承者。著書に『名画の暗号』『絶頂美術館』など多数。「日曜美術館」「世界一受けたい授業」など美術関連番組も多数、企画・出演』

口絵や写真も多くてすぐに参照できるし、親切なつくりだ。
特に印象派の絵を観に美術館に行く前に読むべし。
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