読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「とんでもなく役に立つ数学」

2015年05月18日 | 日記
西成活裕(角川ソフィア文庫)

こちらは文系人間だが、高校生の時にこういう授業があったら今頃数学関連の世界にいたかもしれない。
もともとは、都立三田高校の高校生たちに行った講義を文章化したものらしいが、わかりやすく数学の世界を紹介してくれる。
数学から物理、そして工学につながる流れがあり、その始点である数学に興味が向くよう書かれていて素人文系人間にも理解可能(わからないところもまだありますが)でよかったと思う。

内容紹介は
『教科書からリアルな世界へ。わかりやすくて、誰でも使える!
数学的思考のエッセンスは、ジャンルを超えて誰にでも楽しめる、そして日々の生活で「使える」ものです。
ですが、現状では、まだ数学の力が存分に発揮されているとは言えません。
人生に「数学なんかいらないよ」、と思い込んでいる方も多いでしょう。
せっかくの数学の知恵を、 閉じた世界にしまっておくのはもったいないことです。

本書は、「数学で世界をより良くしたい」と本気で考え、実際に取り組んでいる西成活裕先生が、高校生とともに、数学を使って世の中の問題を解決していこうと、アイディアを展開していく4日間の授業を収録したものです。

スローモーションで未来予測する、人間の複雑な行動をシミュレーションする、身の回りのイライラ渋滞、人間関係のトラブル、300万人メッカ巡礼の事故に立ち向かう―、そんな“教科書からリアルな世界へ飛び出した、数学の世界”をご案内します。
厳密さと、いい加減さの両方を兼ね備えた「血の通った数学」。
それは、あなたが問題を抱えて立ち止まってしまったとき、きっと乗り越え方を教えてくれるでしょう。
楽しくイメージをつかめる、大事なことだけ頭に残る解説。
公式が大事、無機質で機械的……そんな数学のイメージがガラリと変わります。
本書を読み終えたころには、自分で数学を使いたくなっているはずです。
・・・
未来予測、人間関係のトラブル、イライラする大渋滞、そして新しい経済のかたちまで―「その問題、数学で乗り越えられます。」教科書からリアルな世界へ。わかりやすくて、誰でも使える!“渋滞学者”が高校生に語る、まったく新しい数学との付き合い方』

文系の皆さん、読まないと損です。
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「幼年期の終わり」

2015年05月18日 | 日記
アーサー・クラーク(光文社新古典文庫)

SF小説というより、舞台が未来の宇宙という形をとった哲学論です。
著者は「2001年宇宙の旅」で有名になったけれど、本書を読むと彼の考えの一端がわかる気がする。宇宙と進化の深遠な考察。

内容紹介は
『初版から36年後に書き直された新版、初の邦訳!SFを超えた「哲学小説」! 地球上空に、突如として現れた巨大な宇宙船。オーヴァーロード(最高君主)と呼ばれる異星人は姿を見せることなく人類を統治し、平和で理想的な社会をもたらした。彼らの真の目的とはなにか? 異星人との遭遇によって新たな道を歩み始める人類の姿を哲学的に描いた傑作SF』

『異星人の宇宙船が地球の主要都市上空に停滞してから五十年。その間、異星人は人類にその姿を見せることなく、見事に地球管理を行なった。だが、多くの謎があった。宇宙人の真の目的は? 人類の未来は?――巨匠が異星人とのファースト・コンタクトによって新たな道を歩みはじめる人類の姿を描きあげた傑作!』という解説もありますよ。

あらすじ(以下ネタバレなので未読の人はご注意ください)
『〈あらすじ〉
 ニューヨークの上空と世界の大都市に、宇宙から巨大な銀色の円盤状の船団が現れて静止する。姿を見せない0オーバーロードたちを代表して、カレレンと名乗る声が地球に呼びかけてくる。地球からミサイルを発射しても巨船は何ともなく、攻撃を無視して、高度な生物であるオーバーロードのカレレンは、淡々と国連事務総長のストルムグレンを通して、戦争の愚や人種差別の撤廃、世界連邦結成を呼びかけ、地上の反対派を排していく。
 力や知識のあまりの差に圧倒され、やがて地球はオーバーロードの管理下に入り、地上にかつてなかった人類の平和や統一、安定がもたらされていく。交渉に当るうちに、ストレムグレンは姿を見せないカレレンに対して、親近感を抱くようになる。五十年後に人前にその姿を見せるとカレレンは約束し、ストレムグリンは任務を終える最後になってその姿を垣間見るが、見たものについては固く沈黙を守った。
 ・・・(50年後の世界から登場人物が変わるが、さほど違和感はない)
 黒人青年のジャンは機会を得て鯨の模型に潜りこみ、上主たちの星に密航し、上主の故郷の星を探ろうと試み、地球を後にする。ジョージとジーンは芸術家たちの島に移り住み、ジェフとジェニファーの二人の子供を育てていく。ジェフは海岸で津波に呑まれそうになったとき、オーバーロードの声に導かれて逃げ、難を逃れた(ジェフの変容・進化が続くがこれもスムースに読み進めることができる)。
 ・・・子供たちの「変身」は地上に満ち、子供たちの心を奪い取られて、親は未来への希望をなくし、人類は終末に向かい始める。オーバーロードの上に更に上に立つオーバーマインドがいてその存在が打ち明けられる。地球上に生み出された新人種の知能の成熟を見守り、時が来たら新人種を地球から隔離されることになるのがその後の展開。(このくだり)一種の美しさがある。
 一方ジャンは船内で発見されて、密航がばれて地球に送り返されてくる。最後の人間になったジャンはとどまって地球の最期を見つめていた。
・・・地球の最後の描写もきれいな印象だ。色の模様で話しかける視覚言語が不思議な印象だ。

 ある書評を引用したい『・・・小説の細部にわたって工夫された逆転や対比、背理や置換の発想、価値観の反転などに作者の確かな目と手腕が感じられる。また地球の終末描写にはそのスケールにおいて驚かされるものがあり、随所に神秘思想が漂っているのも彩りとなっていて興味深い』・・・その通りです。

 これを読まない読書人生はつまらない。
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「ひとり分のおうちご飯」

2015年05月12日 | 日記
足立洋子(講談社)

現在(臨時)独身生活をしているので思わず手に取った本だ。
かなり実際的で、写真付だし、レシピも基本的なことが多い。自分でも作れるという自信がわくのだ。これは良い。
というわけで、やれそうなところにポストイットを貼って、今日は何をつくろか思案する。頭の体操でもある。
いよいよ困ったら連れ合いに電話して少々伝授を願う。これも相方とのコミュニケーション手段だろう。

内容紹介は
『おいしく楽しい5つの黄金ルール
ルール1 調理時間は20分
春の献立/夏の献立/秋の献立/冬の献立
ルール2 ちょっとひと手間
解説/てりたれ/甘酢/唐辛子味噌
ルール3 1週間を60分で乗り切る~ベース菜とアレンジ~
和風コールスロー/海水漬け/もやしの涼拌/
辣白菜/ひじきのマリネ/彩りナムル/玉ねぎのドレッシング漬け/ひき肉野菜ミックス/ハンバーグ
★足立さんちの冷蔵庫、見せてください。
ルール4 材料を使い切る
[薄切り肉]チンジャオニューロースー/肉豆腐/しょうが焼き
キムチ汁 [かたまり肉]お手軽ローストチキン/醤肉チャーハン
[ひき肉]四喜丸子/三色丼 ほか[えび][いか][まぐろ][さけ][余りがちな野菜]など
ルール5 おひとりさまのお楽しみ
スープカレー/お雑煮/何でも野菜スープ/シングル寄せ鍋
クリームシチューバターライス添え/洋風桜えびご飯など
Column1 ひとりぶんの基本と調理のコツ/Column2 時間を計る、重さを量る/Column3 野菜の保存法/ポリ袋の話/Column4 私の愛しきものたち 』

以下はたぶん、帯の文言
『スーパー主婦・足立さん伝授!手間なし、ムダなし。シンプルがおいしい!知恵と工夫が詰まった激うまレシピ77。』
・・・そうか77もあるのか! びっくり。
同じ境遇のかたにおすすめ。
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「食べる世界地図」

2015年05月12日 | 日記
ミーナ・ホランド(エクスナレッジ)

このごろはあまりポピュラーではない出版社の本が面白い。
本書は世界の食べ物を紹介する。その出だしはふむふむ・・・なのである。なにしろ、旅の記憶になんたって思い出すのは食べたものの記憶だと主張。
確かにねぇ。ドイツの中世の街並みを歩いてもそのうちどこの町も似たような印象にボケていってしまう。食べ物も少しにたところがあるが、あそこのソーセージと
ビールやフランケンのワインはおしかったねぇ・・・といつまでも忘れない。著者の言うとおりだ。

この例であれこれ料理の話が並ぶ。
日本のところで、すしの話が出てきてかなり正確な描写と思ったのだ。

内容紹介は『グルマン世界料理本大賞2015 
UK「食の紀行」部門グランプリ受賞!

『食べる世界地図』は、好奇心に富んだ食いしんぼうのための本である。
南インドのココナッツ・フィッシュカレー、刺激的なペルーのセビチェ(魚介のマリネ)、
レバント地方の茄子のペースト、デンマークのドリーム・ケーキ……。
名前だけでも食欲を刺激する料理の数々に、塩漬けタラや唐辛子といった
多くの国に共通する食材の秘密、移民がもたらす影響と変化。
地理と歴史が複雑に絡み合う食文化の世界を読みとく、極上の食辞典。

最後に行った旅行を思い出してほしい。
いちばんよく覚えているのは、どんなことだろう。
私と同じタイプの人なら、食べたもののことが真っ先に頭に浮かぶはずだ。
マドリードで気だるい日曜日につまんだ、
しっとりとした黄金色のトルティージャ(じゃがいものオムレツ)。
テルアヴィヴで朝食に食べた熱々のシャクシュカ。
ウィスタブルの海辺で殻からじゅるっとすすった牡蠣。
それぞれの場所で見聞きしたものの記憶は、
時が経つにつれてぼんやりと色あせてくる。
ところが料理の記憶となると、いつまでも色あざやかなままだ。
(本文より)』

著者がイギリス人らしい(Hollandならオランダ系かな)のが面白い。一般に味覚音痴と英国人は思われているせいだ。
こういう人も出てきたかとすこし変化を感じられた。
著者紹介は、『ミーナ・ホランド/Mina Holland フードライター。
現在、『オブザーバー・フード・マンスリー』紙の外部編集者を務める。
世界各国を旅行し、また暮らした経験をもとに世界中の食習慣を探究し続けている。
本書は著書第一作目。
食べ物好きにおすすめ。
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