HEAPS(左右社)
NYのマフィアのお話をルポしたもの。
結構可笑しい。
内容紹介は
『WebメディアHEAPSの大人気連載、ついに書籍化!
獄中でウクレレやマンドリンを奏でるアル・カポネ、動物園の猿と友達になる大御所ファミリーのボス、フォードV8で突っ走るボニー&クライドに、ギャング映画御用達俳優たちが集まる秘密の会合……
『ゴッドファーザー』『グッドフェローズ』『アンタッチャブル』などの有名映画に描かれ、殺し殺されの裏社会を生き抜いた者たちの食、ファッション、趣味を覗き見。
NYにひっそり佇む博物館、「ミュージアム・オブ・ザ・アメリカン・ギャングスター」館長の「ギャングにいちばん近いカタギ」、ローカン・オトウェイ氏を重要参考人に、時に冷酷、時に珍妙なギャングスターたちの噂話をたっぷり聴きだし、しっかり収録した、書き下ろし入りの全35エピソードにご期待あれ!
著者について
HEAPS MAGAZINE
「Don't Blink—見逃さない・見落とさない・見ないふりをしない」を基本姿勢に活動するメディア。
世界各地の辺縁を観察・探究し、独自取材でメインストリームにはまだないさまざまな片鱗を届けている(2012年発のiPadマガジンから、15年に現編集長のもと再創刊した)。
ジャーナリズムとカルチャーの視点と取材を融合した企画制作で、独自のカルチャージャーナリズムを実践する。
現在は、NYと東京を拠点に活動中。
書評(読売新聞から引用)
「タイトルを見て、グルメ本かと思う人もいるかもしれない。実際は、ウェブマガジンHEAPSの編集部が、ニューヨークのギャング博物館館長に聞いた話をもとに、アメリカン・ギャングにまつわる数々のエピソードをまとめたものだ。しかしグルメ本以上に、食欲をかき立てる本であることは間違いない。
とにかく食べ物の話が秀逸だ。映画『グッドフェローズ』の主人公にもなったヘンリー・ヒルは、招待された席で出てきたスパゲッティが気に入らず、自ら 厨房ちゅうぼう に入ってトマトソース(彼らの正式な呼び方は「トマトグレービー」)から作り直したという。また別のギャングは、刑務所での食事に耐えられず、料理上手な女ギャングを厨房に潜り込ませ、独房で 美味おい しいイタリア料理を堪能していたらしい。こんな話を読んでいると、口がトマトソース(いや、グレービー)の味を求め始める。私はとりあえずトマトジュースを飲んでその場を 凌しの いだ。
さらに気になるのが、ギャングに愛されているというお菓子、カンノーリだ。カリカリの生地にリコッタチーズをサンドした、すごく甘いお菓子らしい。マフィアの食事にお呼ばれしたとき、これを持っていけば間違いないという。
さらに気になるのが、ギャングに愛されているというお菓子、カンノーリだ。カリカリの生地にリコッタチーズをサンドした、すごく甘いお菓子らしい。マフィアの食事にお呼ばれしたとき、これを持っていけば間違いないという。
食べ物の話以外にも、禁酒法時代のギャングの酒場が男女が平等に酒を飲む場を作ったとか、ギャングたちが追っ手から逃れるために車を改造したことがナスカーという改造車レースにつながったなどといった、面白い話が目白押しだ。ギャングの文化がいかにアメリカ文化に影響を及ぼしているかが分かるし、今後ギャング映画を見るときにいっそう楽しめそうだ。
ちなみに私は、前述のカンノーリをどうしても食べてみたくて、売っている店を調べ、電車を乗り継ぎ、猛暑の中を歩いて買いに行った。しかし、店は夏季休業中。そして今もまだ、食べることができないでいる。私の中の「カンノーリ食べたい欲」はまだ煮えている。』
・・・別のところで読んだマリオ・ブーゾの小説が元になった「ゴッドファーザー」の挿話が秀逸。映画のお話ですが、一番有名なベッドに馬の首が置いてあった話で、リハーサルは剥製だったらしいが、本番の撮影時は本物の「馬の生首」だったとか、撮影場所の近所にあった肉屋だかなんかで入手して本物を使ったとか、アルパチーノを使いたかったコッポラ監督がやっと押し込んだとか、マーロン・ブランドがセリフを一切覚えてこなかったとか、マフィアと妥協してNYで撮影したらしいが「マフィア」とい言葉を入れない条件でやっと許可をもらったらしい逸話に事欠かないらしい。。
・・・本書の中でギャングの格付けみたいな話があって、肌の色で階層が決まっていたらしい。上層はゲルマン系やアングロサクソンで次がアイルランド系、イタリア系、ユダヤ系、その下にアフリカ系やアジア系だって・・・
・・・気になったのは英語のカタカナ表記。「ミュージアム・オブ・ザ・アメリカン・ギャング」。「ザ」は「ジ」の方が良いのではないか。
・・・死体処理に一番良い方法は「腹をすかせた豚に食わせることだ」そうだ。なんだかすごい方法だね。注意事項的な記述は「・・・豚の角煮、豚の生姜焼き、あるいはチャーシューたっぷりのラーメンをおいしくつつきながら本稿を読んでいなかったことを願う」だって。。。😨