読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「小隊」

2022年06月30日 | 日記

砂川文次(文藝春秋)

いまのウクライナ戦争を思いながら前の「同志少女よ・・・」を読んでさらに本書に辿りついた。実際の戦争になったらこのような辞退もあるのだろうなぁ・・・と感じつつ読了。
筆者の体験もベースのあるのでしょう。

内容紹介は
『第164回芥川賞候補作。
元自衛官の新鋭作家が、日本人のいまだ知らない「戦場」のリアルを描き切った衝撃作。
北海道にロシア軍が上陸、日本は第二次大戦後初の「地上戦」を経験することになった。自衛隊の3尉・安達は、自らの小隊を率い、静かに忍び寄ってくるロシア軍と対峙する。そして、ついに戦端が開かれた――。   』

・・・道東の町など思い浮かべながら読んだ。
・・・みんな普通の人間が自衛隊にいるので、彼らが実戦になったときはどうなるのだろうと思いながら読んだのだが、ウクライナの現実をみると今時の戦争はこんな展開になるのかと思う。
・・・北海道がロシアとの戦争の舞台になってほしくない。😬 
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「同志少女よ、敵を撃て」

2022年06月30日 | 日記

逢坂冬馬(早川書房)

いやはや今年前半の最高の小説かも・・・
設定が女性狙撃兵だ。書店をのぞいたら本書の側にソビエト時代の戦争中の写真集があって、確かに彼女らは実在の兵士だったようだ。
今、時代は、ウクライナでの戦争に直面。まさに第二次世界大戦で戦場になったウクライナも舞台になっている。

内容紹介は
『【2022年本屋大賞受賞! 】
キノベス! 2022 第1位、2022年本屋大賞ノミネート、第166回直木賞候補作、第9回高校生直木賞候補作
テレビ、ラジオ、新聞、雑誌で続々紹介!
史上初、選考委員全員が5点満点をつけた、第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作

アクションの緊度、迫力、構成のうまさは只事ではない。
とても新人の作品とは思えない完成度に感服。──北上次郎(書評家)

これは武勇伝ではない。
狙撃兵となった少女が何かを喪い、
何かを得る物語である。
──桐野夏生(作家)

復讐心に始まった物語は、隊員同士のシスターフッドも描きつつ壮大な展開を見せる。胸アツ。──鴻巣友季子(翻訳家)

多くの人に読んで欲しい! ではなく、
多くの人が目撃することになる
間違いなしの傑作!
──小島秀夫(ゲームクリエイター)

文句なしの5点満点、
アガサ・クリスティー賞の名にふさわしい傑作。──法月綸太郎(作家)

独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために。同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵"とは?    』

・・・ウクライナ戦争に置きかえながら読んでしまった。最初の方にウクライナ出身の生徒が、ソビエトに食料を略奪され数百万人が餓死した恨みを言う場面があったが60年ほど前の話が今や再現されている。
・・・お終いの方の120ページくらいからか、突然、展開が早くなって(読むスピードがあがったせいかも)設定というか状況が映画「ランボ-」に似た展開が少々びっくりだが、こうでもしないと治まらない気持ちを引きずっていたよなぁ。
・・・最後のところで、彼女にとって「敵」は誰だったのだろうか。考えさせられる。
・・・ともあれ傑作と言っていいでしょう。日本人がこれを書くなんて。それも驚きです。お勧め5ツ星。😀 😍 😊 
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「転がる検事に苔むさず」

2022年06月09日 | 日記

直島翔(小学館)

気楽に読めてそれなりのキャラクター造形が出来ていて、良い意味でエンターテインメントとして楽しめる。肩のこらないミステリの味つけです。

内容紹介は
『第3回警察小説大賞受賞で鮮烈デビュー!!

夏の夜、若い男が鉄道の高架から転落し、猛スピードで走る車に衝突した。自殺か、他殺か。戸惑う所轄署の刑事課長は、飲み仲間である検事・久我周平に手助けしてほしいと相談を持ちかける。自殺の線で遺書探しに専念するが、このセールスマンの周辺には灰色の影がちらついた。ペーパーカンパニーを利用した輸入外車取引、ロッカーから見つかった麻薬と現金――死んだ男は何者なのか。交番巡査、新人の女性検事とともに真相に迫る。

◎推薦コメント
これが検事の世界か!
新人とは思えない安定感。
――今野敏氏

窓際検事の逆転劇に刮目せよ。
これがリアルな検事像だ。
――相場英雄氏

私が被疑者なら、久我検事に担当してほしい。
――長岡弘樹氏

これは本物! とんでもない実力派が現れた!
成熟の筆づかいに風格さえも感じさせる。
追いかけるほどに謎が膨らむ展開も見事だが、内なる炎をたぎらせて正義を貫く職業人の矜持が突き刺さる。一途な想いは家族や仲間たちにも変化をもたらし、たったひとつの真実が心の奥底を揺るがせる。
――ブックジャーナリスト内田剛氏

人情をもって悪を照らし出す。
心に泌みる本格検察ミステリー。

【編集担当からのおすすめ情報】
著者は、元検察担当の現役記者です。豊富な取材経験と知識をもとに描かれた捜査や取調べのリアリティは、警察小説大賞選考会でも選考委員を唸らせました。令和の検察・警察ミステリに新たなる地平を拓くこと必至です!   

筆者紹介
直島 翔(なおしま・しょう)
立教大学社会学部社会学科卒。 新聞社勤務。 社会部時代、検察庁など司法を担当。 本作『転がる検事に苔むさず』にて作家デビュー。  』

・・・読みどころは『主人公は久我周平、43才。4浪の末に司法試験に合格し検察庁に入庁した苦労人。そうした経緯のせいで中小の支部ばかりを渡り歩き、現在の職場は東京地検浅草分室。いつかは東京地検特捜部で……と思い、その声がけもあったが本庁の派閥争いに巻き込まれて話は立ち消えになった過去があった。夏の夜、若い男が鉄道の高架から転落し、猛スピードで走る車に衝突する事件が起きる。果たして自殺か、他殺か。交番巡査や新人の女性検事とともに真相に迫る中、本庁内で蠢く争いに再び巻き込まれて――検察組織の裏と表を知る著者だからこそ書ける迫真のミステリー。 』

・・・著者のインタビューを抜粋して引用します
『人の温かさや幸せってなんだろう、と考えながら書いた第3回警察小説大賞受賞作。警察官ももちろん出てくるが、小説の主役は検事だ。
 検事といっても、エリート集団の東京地検特捜部ではなく区検の浅草分室に勤務する窓際検事で、ふだんは少年の窃盗事件や器物損壊など、担当するのは町の小さな事件ばかりというのがまず面白い。
「江戸の奉行所でも成立するようなお話として書きました。『半七捕物帳』とかの感じを現代の空間に置き換えたらどうなるのかな、って前から思ってたんですね。人の温かさや幸せってなんだろう、みたいなことを素直に書いてみたい。自分が敬意を持ったり好きになったりした人は、どういうところが良かったんだろうかって考えながら、デフォルメしたり、一部だけ取ったりして人物に落とし込んでいきました」・・・「検察内部もそうですし、ぼく自身、ずっと記者として働いてきて、どんな役所や会社でもあることではないかと気づいたことですね。人の仕事や自分にない能力を認めるのは集団の中にいるとなかなか難しい」
 じつは直島さんは現役の新聞記者で、現在は時事コラムを担当している。もともとは社会部で、検察庁を担当していただけに、検事の日常や行動パターン、検察庁内部の人間関係も含めた細部の描写に厚みがある。
「自分が記者として見聞きしたことを書いてはいけない気がしていて、ぼくが最初に書いたのは仕事と関係ないインテリジェンス小説だったんです。原稿を読んでくれた編集者に、自分が取材経験のある分野で書いてみてはとすすめられて書いたのが今回の小説です」
・・・ちょっといい話だし、お勧めです。😍 
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「英語が出来ません」

2022年06月09日 | 日記

刀根館正明(KADOKAWA)

英語をめぐる議論をわかりやすく書いていて面白かった。
ずっと昔から言われてきた話なんだが、日本語で生活できる幸せの反面、海外に出たときに自分が「話せない」ということにぶち当たり、当然のことながら自分ではなく次世代に勉強を押しつけるという姿勢が問題なのですよ。

内容紹介は
『なんでこうなの!?ニッポンの英語――阿部公彦氏(英文学者)推薦!
なんでこうなの? ニッポンの英語。“英語忍者”の名物記者が禁断の問い投げかける。「だよね~」ポイントがたくさん。探偵に扮した英語忍者がしっかり「犯人」も見つけます。
もちろん、あのお騒がせ英語民間試験もたっぷり話題に……。著者ならではの「つっこみ」芸をご堪能ください!
――阿部公彦(英文学者)

巷にあふれるカタカナ英語、いまや自宅でも習える英会話講座、新刊が絶えない英語学習本、議論され続ける英語教育……
開国以後、もっとも身近な外国語となり、課題であり続けてきたにもかかわらず、いつまでたっても「出来る」ようにならない、英語に翻弄され続ける不思議さよ――。
自らも辛酸をなめてきた一記者が、学生や教師、国会議員や通訳・翻訳者、自動翻訳の研究者まで、様々な人々業界を30年近くにわたって取材。
そこから見えてきたこととは?「英語が出来ます」といえる日は来るのだろうか……?
渾身のルポ+オピニオン!

著者について
●刀祢館 正明:1957年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。朝日新聞記者。元編集委員。学芸部、オピニオン編集部などで20年以上にわたって文化、論壇、オピニオンを担当するとともに、2013年から2019年まで夕刊で「英語をたどって」を連載した。ほかにロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)客員研究員、早稲田大学非常勤講師。記事が書籍になったものに『塩の道を行く』『奔流中国』『3.11後 ニッポンの論点』などがある。  』

・・・記者さんは色々な人とインタビューできて便利でいいですね。
・・・でもさぁ、刀祢館さんはかなり「出来る」人だと思うのです。中高6年間勉強しても「話せない」というおじさんたちの怨念を解き明かして根底にある問題を提示するのは秀逸。
・・・英語の読み書き話す聞くの四技能がオールラウンドにできるひとなどいないという指摘には納得。どこか得意不得意があるものだろう。
・・・共通テストをめぐる問題はおっしゃるとおり、後から後から問題点が見えてきて結局挫折したのは、入試の公正公平の観点から、正しい。でもね、当初の新聞の論調は「歓迎」だったのではないか? 後から水をかけるのはやってはいけないとは言わないが、先に賛意を表明したのなら、一度くらい「悪うござんした」くらい言ってもバチは当たるまい。朝日がそうだったかどうか分からない(購読していないから)けど・・・😋 



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「はじまりのイソップ物語」

2022年06月02日 | 日記

田野崎アンドレーア嵐+和爾桃子編訳(平凡社)

まあ有名なイソップ物語ですが元がどんな形だったかをちょっとうかがい知ることができますが、本格的な学術書でもないのでそう期待しても仕方ない。
歴史の中であちこち時間と距離を経て変化するのだから、アルプスを越えて「セミとアリ」の話がセミがいない北の方に行ったら「キリギリス」になったというのもうなずける。

内容紹介は
『人気の海外民話シリーズ「夜ふけに読みたいおとぎ話」第7弾はイソップ童話。おなじみアーサー・ラッカムの美しい挿絵が満載。読み聞かせはもちろん、大人も楽しく読める。 

著者
(和爾さん)
慶應義塾大学文学部中退。ミステリー・ファンタジーなど英米文学の翻訳を主に手がける。サキ『クローヴィス物語』(白水社Uブックス)、『夜ふけに読みたい 奇妙なイギリスのおとぎ話』(共訳、平凡社)、J.D.カー『四つの凶器』(創元推理文庫)など、著訳書多数。
(田野崎さん)
東大の大学院在籍。   』

・・・しかし、なぜ「夜ふけに読みたい」というまくらがタイトルについているのか分からない。昼間でも良いとは思う。
・・・個人的にはさほど面白くはなかったが、挿絵は興味深かった。😔 


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