ミュリエル・スパーク(河出書房新社)
イギリス的な濃密な書き方?でしょうか、小説らしい小説。いろいろ含意も考えられるけど、ストレートに楽しむこともいい。ミステリ的な仕掛けで読者を引っ張っていく筆力がすごい。
作者の体験がベースのようだがそれこそこの話の中で語られるように、経験を元に作者の創造が行われてそれが小説の形をとっているのだろう。まあ、お話を作る才能、言い換えれば「ウソつき」なんでしょう。
イギリス人というかスコットランド出身ですが、一緒には暮らしにくい?かも。最後はイタリアで亡くなっているのであちらで暮らしたのかな。
内容紹介は
『作家の卵フラーは、自伝協会なる組織に雇われ、名士ぞろいの会員の自伝執筆を手伝うことになった。やがて奇妙なことに、会員たちはフラーが書いた小説の登場人物と同じ台詞を口にしだし、小説そっくりの事件が!一方、フラーは念願の小説出版の話を反故にされ、唯一の原稿も盗まれてしまう。自伝協会と出版撤回には何か関連が?フラーは原稿を無事取り返し、出版することができるのか?スパークの幻の傑作、ついに登場!』
著者について
スパーク,ミュリエル
1918~2006。イギリスを代表する詩人、作家。1918年スコットランドのエディンバラで生まれた。小説のほかに児童書、ラジオドラマ、戯曲、メアリー・シェリーやエミリー・ブロンテの評伝も書いた。短篇デビュー作「熾天使とザンベジ河」でオブザーヴァー紙短篇賞を受賞して注目され、英国文学賞、T・S・エリオット賞をはじめ、エドマンド・キャンピオン賞、スコットランドの年間ベストブックに与えられるサルタイア賞、ボッカチオ国際文学賞、ゴールデン・ペン功労賞など受賞多数
訳者
木村/政則
1968年生まれ。英米文学翻訳家
・・・この手の小説は読者を選ぶかもしれない。心して取りかかられるとよろしいかも。個人的にはこのタイトルは内容の面白さや軽妙なニュアンスを醸し出して良いとは思うけど、原題とは思いっ気入り違うので原書を探すときなど困るでしょうね。原題の意味を出すのは難しいのでしょう。「悪意をもって徘徊する」みたいな意味だそうです。訳者の解説が良いです。
イギリス的な濃密な書き方?でしょうか、小説らしい小説。いろいろ含意も考えられるけど、ストレートに楽しむこともいい。ミステリ的な仕掛けで読者を引っ張っていく筆力がすごい。
作者の体験がベースのようだがそれこそこの話の中で語られるように、経験を元に作者の創造が行われてそれが小説の形をとっているのだろう。まあ、お話を作る才能、言い換えれば「ウソつき」なんでしょう。
イギリス人というかスコットランド出身ですが、一緒には暮らしにくい?かも。最後はイタリアで亡くなっているのであちらで暮らしたのかな。
内容紹介は
『作家の卵フラーは、自伝協会なる組織に雇われ、名士ぞろいの会員の自伝執筆を手伝うことになった。やがて奇妙なことに、会員たちはフラーが書いた小説の登場人物と同じ台詞を口にしだし、小説そっくりの事件が!一方、フラーは念願の小説出版の話を反故にされ、唯一の原稿も盗まれてしまう。自伝協会と出版撤回には何か関連が?フラーは原稿を無事取り返し、出版することができるのか?スパークの幻の傑作、ついに登場!』
著者について
スパーク,ミュリエル
1918~2006。イギリスを代表する詩人、作家。1918年スコットランドのエディンバラで生まれた。小説のほかに児童書、ラジオドラマ、戯曲、メアリー・シェリーやエミリー・ブロンテの評伝も書いた。短篇デビュー作「熾天使とザンベジ河」でオブザーヴァー紙短篇賞を受賞して注目され、英国文学賞、T・S・エリオット賞をはじめ、エドマンド・キャンピオン賞、スコットランドの年間ベストブックに与えられるサルタイア賞、ボッカチオ国際文学賞、ゴールデン・ペン功労賞など受賞多数
訳者
木村/政則
1968年生まれ。英米文学翻訳家
・・・この手の小説は読者を選ぶかもしれない。心して取りかかられるとよろしいかも。個人的にはこのタイトルは内容の面白さや軽妙なニュアンスを醸し出して良いとは思うけど、原題とは思いっ気入り違うので原書を探すときなど困るでしょうね。原題の意味を出すのは難しいのでしょう。「悪意をもって徘徊する」みたいな意味だそうです。訳者の解説が良いです。