SNファンタジック日報

フラメンコと音楽をテーマにファンタジーを書きつづる新渡 春(にいど・しゅん)の、あるいはファンタジックな日々の報告。

素敵なおみまい

2008-11-30 17:53:11 | Weblog
きのうのことだが、誰より尊敬するフラメンコ・アーティストである知り合いからハガキをいただいた。
最初の呼びかけから結びの「では又~。」にいたるまで、一言一言に心のこもった手紙に、思わず目頭が熱くなった。
しかし何より和ませてくれたのは、そこに添えられていたイラストだ。
コップだか湯飲みだかに一輪の赤い花がさされており、シンプルだが愛らしい風情だ。
そしてそこに、一言「おみまいの花」。
いかにも彼のユーモア精神がぎゅっと詰まっていて、和みながらもいとおしい気持ちで胸がたちまち充たされた。
多忙を極める心の師からのハガキは、当分の間わたしの何よりの支えとなってくれるだろう。
ありがとうございました、E師匠。速く身体を治して頑張ります。
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悲喜街のシェリー屋(3)

2008-11-29 19:08:31 | 書いた話
青年は、「アンヘル」と名乗った。
(アンヘル……天使、ねえ)
その名は、青年の軽やかな風情にはいかにも似合いに思えた。ミノリは、未だに自分の中のくすぐったいような思いを打ち消せずにいた。
アンヘルはそれを知ってか知らずか、相変わらず爽やかな笑顔を向けてくる。
トニオ爺さんも気にはならなくもないらしいが、とりあえず黙って成り行きを眺めている様子だ。こんな時にこそ何か言ってほしいのに、少し胸が切ないミノリだった。
アンヘルは、あっという間に店の人気者になりつつあった。少女のミノリと無愛想なトニオ爺さんしかいなかったシェリー酒の屋台に、それまで見向きもしなかった女性客がしばしば訪れるようになったのだ。
売上も上がるのだが、明らかにシェリー酒ではなくアンヘル目当ての客もいて、ミノリにはそれが何やらおもしろくない。当のアンヘルは、誰にもまったく同じ態度で接客していて、その意味ではあっぱれな商売人ぶりといえた。
こうして、シェリー酒の屋台がかつてない賑わいを見せ出したある日、ちょっとしたゴタゴタが起きた。
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嬉しいプレゼント

2008-11-28 19:52:33 | Weblog
本日、関わりのある声楽家とピアニストさんから嬉しいプレゼントをもらった。
まず、朝に美しいフラワーアレンジメントが届いた。
香り高い花を愛でていたら、午後には皆さんの寄せ書きが届いた。
それぞれに個性あるメッセージが書かれていて、微笑ましく読ませていただいた。
再入院を控えたわたしへの気配り溢れるプレゼント。
こういう時期だけに、気配りが心に沁みたのだった。
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暇な日々

2008-11-27 17:34:13 | Weblog
退院以来明日で1週間を迎える。
12月9日には再入院、11日に手術を受ける予定だが、
幸い今のところ病状は落ち着いている。
ひとまず主治医の指示で、電車での外出は許可されていないので、
せいぜい庭を散歩するぐらいで、実に暇な日々である。
ただ大きく変わったといえば、1日3食になったことだろうか。
入院前は実は1日2食の生活が続いていたのだが、
朝晩に薬を飲む関係上、朝食も摂る習慣が身についてきた。
これだけは病気の余禄といえるだろう。
それにしても暇を持て余しているので、
どなたか柿生くんだりまでお越しの節は声でもかけてやってください。
そこらまでひょこひょこ散歩に参ります。
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パセオフラメンコ12月号

2008-11-26 17:10:49 | Weblog
本日は宣伝。
現在店頭に並んでいる月刊『パセオ・フラメンコ』12月号に、わたしのショートストーリーが掲載されている。
タイトルは『路地裏の乙女』。クリスマスの少し前、無原罪の御宿りの祝日の小さな奇跡を描いた作品だ。
話の出来は洒落たレイアウトに助けられてなかなか見栄えがするが、
なんといってもすばらしいのは照紗さんのイラストだ。
ラフの時からぐっと来ていたのだが、仕上がった絵は実にすばらしく、
拙作を幾倍にも引き立ててくれた。
こういう挿絵に恵まれた小説は、本当に幸福だと思う。
照紗さんと一緒に彼女につけた名前は、ファティマ。
ロルカが採集した『13のスペイン古謡』の中の『3人のモーロ娘』という曲に出てくるアラブ娘だ。
今回のイラストの少女のつよく射るような瞳が印象的で、すんなりこの名前になった。
専門誌なので見つけにくいと思うが、大きな書店などにいらしたらチェックしてみていただきたい。
その節はイラストのチェックをぜひお忘れなく
コメント (2)
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プチ闘病な日々

2008-11-25 21:28:31 | Weblog
実はこのブログ、なんとひと月以上間があいてしまった(笑)。
理由はサボりではなく、仕事で多忙でもなく、実は降ってわいた病気のせいである。
病名は、もやもや病。歌手の徳永英明が罹患して克服したことで世間的に知られるようになった病気だ。
入院当初は脳梗塞と言われていたのだが、検査の結果もやもや病と診断された。
しかも先天的なもので何歳で発症してもおかしくなかったと聞いた日には、むしろ笑いそうにさえなった。
ひと月に及ぶ入院中、友人知人がひっきりなしに見舞いにきてくれて本当にありがたかった。
主治医との会談の結果一度手術をしておいたほうがよいとのことで、
来月半ばに再入院して手術を受けることになった。
信頼できる主治医と巡りあった幸運も有るだろうが、今は我ながら結構落ち着いて手術を待てている。
しばらく創作もままならないかもしれないが、一先ず運を天に任せて頑張りたいと思う。
また経過報告はしていきます。
皆さん、どうか生暖かく見守ってやってくださいね。
コメント (4)
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