省エネ目当てのエアコン買い替えは大損だった 8/16
電気店で店頭表示のエアコンの「目安電気料金」を根拠として省エネのためにエアコンを買い替えられる方も多い事でしょう。
しかし買い換えれば節約できる筈だった電気代が予定の六分の一の節約に過ぎないと知ったなら、どうでしょう。
以下の記事に拠れば、関東地方の家庭に於ける実際の年平均の冷暖房使用時間は741時間、一時間当たりの平均電力は341ワット、一年間当たりの平均電気料金は5,566円だそうです。
ところが従来での店頭表示のエアコンの「目安電気料金」は、東京の場合、冷房使用時間が実態の3.2倍、暖房は9.1倍も使っているという想定であり、一年間当たりの平均電気料金は32,428円と表示されている訳です。
その結果、一年間で三万円も電気料金を節約出来るなら、五年間で15万円節約出来るので、我が家のエアコンはまだ動くけれど「15万円節約のために新品に取り替えよう」、やっぱり新品は気持ちが良いね。の筈が大間違い。
一台のエアコンで年間の電気料金が、五千円と三万円とでは大違いです。
一年間で三万円も電気料金を節約出来る筈が、僅か五千円の節約に過ぎなかったのです。
これはエアコン会社の意図的なワナだったのでしょうか。
エアコンは壊れてから買い換えるのがお得のようですね。
<エアコン>「目安電気料金」省エネ効果、過大表示
8月16日11時42分配信 毎日新聞
店頭に表示されているエアコンの「目安電気料金」が、実態の約6倍も懸け離れている可能性のあることが、産業技術総合研究所の田原聖隆(きよたか)主任研究員らの調査で分かった。性能試験に使う時間を算定根拠にし、家庭での使用状況を把握していなかったためで、エアコンの買い替えによる節約額や二酸化炭素削減量が実態より過大評価されている恐れもある。節約額を買い替えの目安にする人も多く、経済産業省は見直しを検討している。
◇経産省見直しへ
目安電気料金は、経産省が06年に導入した「統一省エネラベル」に表示されている。また、エアコンの電気料金は、日本工業規格(JIS)の測定法に基づいた消費電力量に1キロワット時当たり22円を乗じて算出する。
産総研は2月、全国3754世帯を対象に、エアコンの使用状況をたずねた。それによると、関東地方の家庭(計350世帯)の場合、年平均の冷房使用時間は436時間、暖房は305時間。4キロワットの機種の消費電力は253キロワット時(電気料金換算5566円)だった。
ところが、統一省エネラベルの計算方法では、東京の場合、冷房使用時間が実態の3.2倍、暖房は9.1倍も使っているという想定だった。その結果、4キロワットの機種の消費電力は1474キロワット時(同3万2428円)となり、実態の5.8倍になった。
一方、冷蔵庫など他の家電の統一省エネラベルは、平均的な使用実態に基づいて表示されている。経産省資源エネルギー庁は「現在、基準にしているJISは性能を測るためで、使用実態を反映していないのは事実。当時は実態データがなく、JISを使うことが一つの割り切りと考えた」と説明、JIS改定の検討に着手した。
◇裏切られた思い、主婦連環境部長
政府は温暖化対策の柱に「省エネ製品の選択」を掲げているほか、利用したエネルギーを数値で把握する「見える化」を進めている。主婦連合会の有田芳子・環境部長は「エネルギー消費量は商品選択の重要なポイントだ。過剰表示は、意図的ではなかったとしても、(制度や日本のメーカーの)透明性を信じてきたので、裏切られた思い」と話す。【大場あい】
【ことば】統一省エネラベル
省エネ法に基づき、小売業者が店頭で家電などの省エネ情報を消費者に提供するためのラベル。経済産業省が、星の数で省エネ性能を示す「多段階評価」や年間の目安電気料金などの記載内容、電気料金の計算方法を決めている。
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