ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

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〔メモ〕 症状を侮るな

2013年04月21日 |  今日のメモ

と指摘した部分は支持できるけど、その原因分析がいかかんともし難い感じがする。

 昨日上げようと思ったが続き記事が出るかと思いサボってしまったものをあげておこう。朝日系の週刊誌「AERA(アエラ)」は、何か変な方向に舵を切ったのだろうか。

 先ず、冒頭タイトルとは無関係の昨日の記事。サイト「dot.」から、

お一人様で脳卒中…スマホ使えなかったらどうする?
(更新 2013/4/20 16:00)  AERA 2013年4月22日号
http://dot.asahi.com/life/lifestyle/2013041900017.html

 一人で自由な生活を楽しむ「おひとりさま」。健康なら問題はないが、つらいのは病気になったとき。特に心配なのが「脳卒中」だ。「一人であること」の深き悩みを減らす手立てとは。・・・


 こういう記事がでるということは、やはり足元で似たような事例が増えているのではないかという印象を受ける。

 また、「お1人様」と聞けば、高齢者、65歳以降のような気が個人的にはしていたけど、記事では、千葉在住の40代男性の事例がとりあげられている(2年前の発作とあるので、多分3.11後のことではないだろうか。チェルノブイリでも増えたとされていたよな、脳卒中は)。


 この記事だけなら何ら不審でもないのだが、問題視したいのは、紙媒体では次のようなタイトルでの記事が掲載されていたらしい点である(個人的には未確認)。

AERA(アエラ) 4/15号 健康
ストレスの正体 片頭痛、腰痛、不眠、頻尿、喘息、胃炎、月経不順…ストレスが原因の症状を侮るな (強調は引用者)


 ウェッブ上では次の記事に再編集されたようだ(番号は便宜付けたもの)。

1.ストレス→肩こりのメカニズム 医師が解説
 (更新 2013/4/15 22:00)  AERA 2013年4月15日号
 http://dot.asahi.com/life/lifestyle/2013041500034.html

2.まつ毛、陰毛ごっそり抜け…昇進のストレスでうつに
 (更新 2013/4/16 16:00)  AERA 2013年4月15日号
 http://dot.asahi.com/life/lifestyle/2013041500039.html

3.結婚と失業ほぼ同じ? ライフイベントのストレス評価点
 (更新 2013/4/17 16:00) AERA 2013年4月15日号
 http://dot.asahi.com/life/lifestyle/2013041700003.html

4.コレステロール、ストレスには有効 心に効く栄養素
 (更新 2013/4/18 16:00)  AERA 2013年4月15日号
 http://dot.asahi.com/life/lifestyle/2013041800024.html

5.一人酒、寝だめはNG? 本当はダメなストレス解消法
 (更新 2013/4/19 16:00)  AERA 2013年4月15日号
 http://dot.asahi.com/life/lifestyle/2013041800054.html


 各記事の気になるところをみていくと、記事1(「ストレス→肩こりのメカニズム 医師が解説」)からは、

 そもそも、ストレスを受けると体に変化が起きるのはなぜか。

 パブリックヘルスリサーチセンターストレス科学研究所副所長で、日本大学医学部附属板橋病院心療内科の村上正人部長はこう説明する。人間の体は、身体の働きを調整する「自律神経系」、ホルモン分泌を調整する「内分泌系」、ウイルスなどの外敵から身を守る「免疫系」の三つの働きがバランスを保ち健康を維持している。外から働く力(ストレッサー)などによってそのバランスが乱れると、全体のシステムにも影響が生じ、体の機能に変調をきたすという。

 意外なのは、体内の病気ばかりでなく、腰痛や肩こりなどの「痛み」に精神的なストレスがかかわっていることだ。

 ストレスを感じると自律神経の中の交感神経が優位になり、その緊張状態が血管を縮こまらせ、筋肉を硬くさせ、こりにつながる。

 前半は、いわゆるホメオスタシス(生体の恒常性)の話なので支持できる。前にも指摘したような気がするけど、被ばくの健康リスクを評価する多数派のモデル(ICRP(国際放射線防護委員会)モデル)だと、人体を直径30センチメートルの肉塊とみたてて影響を評価するようだが、その際ホメオスタシス自体を評価の対象として考慮していないようだ。これでは正しいリスク評価は難しいであろう。

 引用の後半は、「ストレス」を何故か精神的ストレスに限定する方向に誘導しているが、何の根拠があるのだろうか。引用した部分の続きの部分で、大平哲也 氏(医師、福島県立医科大学教授)の談話が何故か出てくるのだか、大平氏や彼の患者たちが住んでいる環境を考えれば、物理的なストレス(●の影響による酸化ストレス)も考える必要があるだろう。


 記事2(「まつ毛、陰毛ごっそり抜け…昇進のストレスでうつに」)では、東北の30代女性の例を紹介している。疲労感、不眠、易感染性(風邪)、頭痛、睫毛・陰毛抜け、胃痛、子宮の腫れ、うつ病を患った人らしい。

「昇進や、慣れないパソコン操作は大きなストレスになります。ストレスの影響は自律神経があるところには全部出て、めまいや胃の痛み、胸痛や婦人科系など多様な症状が現れます」

 福島県立医科大学教授の大平哲也医師(心療内科)は、この女性の不調の原因はストレスだと指摘する。

「ストレスには段階があって、体がSOSを出す警告期にサインを無視していると、心や体が反発する抵抗期、疲れ言ってうつ病など精神的な症状も出てくる疲憊期(ひはいき)と進行していきます」

 この事例は、記事を読む限り、心理的社会的なストレスの可能性が高いように感じられるが、別の要因のストレスでも類似の症状が現れることになるだろう(まつ毛関連でいえば、眉毛関係の過去記事はココ)。

 また、引用の談話ではストレスの段階説が解説されているが、抵抗期にはコルチゾールの過剰状態が対応すると個人的に考えている。ただ、この期間(多分「タダチニ期間」と重なるもの)は長続きはせず、そのうち期間満了ということになるだろう(満了後の疲はい期になるとどうなるのかは、長くなりそうなので、また別の機会に。なお、ストレスの段階説に関連する過去記事はココ)。


 記事3(「結婚と失業ほぼ同じ? ライフイベントのストレス評価点」)では、ストレス度を評価する点数制の例が紹介されている。

 以下が、ライフイベントとストレスの強さを示した表から、一部を抜粋したもの。1年のストレスの強さが合計300点以上だと80%、150~299点は 50%、150点未満は30%の人が翌年に心身の不調に陥るといわれる。これを参考にストレス度をチェックしてみてはいかがだろうか。・・・

 東北・関東地域なら被ばく自体が無視できない物理的ストレッサーであり、これを点数化しない理由はないと思われる。これを点数化する部分が追加されていたならば、かなり素晴らしい記事になったであろう。


 記事4(「コレステロール、ストレスには有効 心に効く栄養素」)では、笑いの前後での体内のコルチゾール濃度の変化について紹介している。

 一般的に有効なストレス対処法は何か。たとえば昔から、ストレスに効くことで有名な「笑い」。大阪府立健康科学センター(現大阪がん循環器病予防センター)では、「健康落語道場」を定期的に開催、観客のストレスホルモン(コルチゾール)を測定、落語では7割、笑いヨガでは9割の人のストレスホルモンの値が下がっていたという。

「笑うときの腹式呼吸は、運動効果とリラクゼーション効果がある。声を出すだけの『ニセ笑い』でもストレスには有効。何より笑うことで脳内がリセットされ、考え込んで悪化していくストレスの悪循環を断ち切ることができる」(福島県立医科大学教授の大平哲也医師)

 笑いは確かに精神的ストレスには有効だろうが(少なくとも笑っている最中はほかの事は忘れているため)、被ばくは物理的ストレッサーであり笑っていても継続しているので、これ由来のコルチゾールの過剰部分があるとすれば、笑いがその部分に変化を与えるものではないだろう。


 記事5(「一人酒、寝だめはNG? 本当はダメなストレス解消法」)からは、
 
 「ストレス」という言葉が一般的になってきてから、その解消法も数多く登場してきた。しかし、これまでストレスに効くとされてきた習慣のなかにも怪しいものがけっこうある。そのひとつが、ストレス解消の定番「飲酒」だ。誰かと一緒に飲めば気分転換にもなるが、一人酒はNG。考え込んでストレスの悪循環に陥るという。・・・

 チェルノブイリでも飲酒が問題となったようだが、その理由はよくわからない。不眠の際に睡眠薬代わりでアルコールを飲むという習慣がこじれてしまったのか、あるいは●の影響が出た身体にはアルコールの血管拡張作用が心地よく感じられるとかが関与しているのかもしれない。いずれにしろ飲酒するのであれば、依存症になり易いらしいと認識した上で、量の管理が重要であろう。

 また、3.11後においてストレス解消法を論じるのであれば、転地療養(外部被ばく、呼気被ばくの低減)、マスクの着用(呼気被ばくの低減)、食べて応援の中止(内部被ばくの低減)などの物理的ストレスの対策についても紹介していれば、素晴らしい記事になったことだろう。


 最後に、上記記事とは関係ないのだが、大平氏が何らかの関与を持つであろう、福島の心療内科のある病院の経営状況は、最近よいのだろうと推測される。サイト「机の上の空 大沼安史の個人新聞」の記事から(長いタイトルだが)、

〔フクシマ・ダイアリー〕 柳原弁護士 文科省前で ある母親からのメール、読み上げる /娘さんのテニス部の友だち5、6人、すべてA2判定。でも2次検査(再検査)は必要なし。と。/ 娘が言います、「病院が大丈夫といっているんだから、大丈夫なんだよ。どうせ死ぬんだし……」/ 郡山市の男の子、ひどい疲労感 心療内科、予約殺到で診察断られる (強調は引用者)
2013-02-21
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2013/02/post-f437.html


 どうも症状を侮っているように感じられるのだが、何故だろうか。


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