ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

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大衆の誤認誘導効果を有する報道の諸類型 (1)

2012年11月06日 |  誤認誘導の疑い

 番組制作者に個人的恨みがあるわけでもないので、ガッテン頼みの一本足打法ではよくないと反省し、後から見返してもう少し付加価値が出てきそうな方向に整理していこう。なんとなく、やろうとすることは変わらないのだけど・・・


 先ず用語の意味を解説しておくと、「大衆の誤認誘導効果」とは、この場合、ある事象(病気の増加)に関し、予断なくとらえれば関連性が自ずと浮かび上がってくるはずのところを、チェルノブイリの経験に関する知識の乏しい人々が示唆された枠組みでその事象を認識するよう誘導することによって、●の影響が原因である可能性に気づかせない、あるいは気づくのを遅らせること、ということができるだろう。


 さて、シリーズ第1回目で指摘したい「大衆の誤認誘導効果を有する報道の類型」は、

ある病気の従来からの増加傾向をことさらに強調して報道するパターン

である。長々と抽象的な話をするより、具体例を交えてみてみよう。gooニュースから、

高血圧型からメタボ型へ 若年層の脳卒中が増えている
2012年11月5日(月)09:00
http://news.goo.ne.jp/article/diamond/life/diamond-27344.html

 秋の健診シーズンもそろそろ終盤へ。忙しいから、と逃げ回っている方へ少々厳しい報告を一つ。中高年男性が予防したい疾患の筆頭は心筋梗塞と脳卒中だが、脳卒中に関してはどこかに「お年寄りの病気」という気持ちがある。ところが、米国神経学会誌「Neurology」に報告された調査研究によると、近年、脳卒中の発症が若年齢化しているというのだ。

 ・・・

 一方、国内に目を転じると高齢患者の増加に隠されがちだが、この数年、70年前後に生まれた世代の脳卒中患者が増加傾向にあることが明らかになっている。この世代は高度経済成長期真っただ中の生まれ。この時期を境に日本人は小児期から欧米型の食生活にどっぷりつかり、社会や生活文化もガラリと変化した。・・・


 近年、米国及び我が国で、若年性の脳卒中が増えていると指摘する記事である。指摘内容自体には、それ程言うことはない(でもやっぱり一言だけ言っておくと、大気圏内核実験の影響とかを考慮した上での分析なのだろうか?)。

 しかしながら、受け手側にチェルノブイリの経験について予備知識がないと(事故後に脳血管系の病気が増加)、仮に今後受け手の周囲で脳卒中が増えたとしても、「ああ、いつか聞いたニュースは正しかったな」と理解していまい、真の原因を探求する気がおきないよう誘導してしまう一定の効果があるであろう。

 上記の記事は、例示であげたものなので悪意があって「ことさらに強調」しているかどうかは不明だけど、掲載媒体や記者・ライターの立ち位置、報道のタイミングなどからみて、「従来からの増加傾向をことさらに強調して報道するパターン」に該当すると判断するのが妥当な可能性もあるだろう。

 
 以上のような感じで不可解な報道を類型化しつつ、疑い事例を蓄積していけば、何か意味のあることが見えてくるのではないだろうか、という企画のシリーズなのである。

 企画倒れになりそうだが、とりあえずはネタを探すエリアを広げることができるので、一本足打法は解消できそうだ。


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