庭のモミジも新葉が薄緑に映えて清々しい季節になってきた。
このモミジは「青鴫立」という名前で一昨年植木市で買ったものである。
2月頃の植木市だから葉っぱは出ていない、添えられていたパンフレットの絵を見て決めた。
おまけにこの「鴫」という鳥らしいのだが読めない字は何なのかと辞書で調べると「しぎ」とある。
鴫が立ってるというのか??。私は鴫という鳥を知らないので感心のしようもない。
開いた葉っぱの葉脈の部分が他よりやや濃い色なので、この縞模様がポイントらしいことは、なんぼ植木音痴の私でも想像は出来た。
ところが先日地方紙の一面に、県下のある干潟が単独の干潟としては国内で二番目に広く渡り鳥の中継地にもなっており、ラムサール条約の干潟として申請したい旨の記事が載っていた。
そこにはカラーで、何万羽いるのかさえ判らない鳥たちの写真が添えられていた。
「ここには今の時期、沢山の千鳥やシギがやってきて・・・・・」と説明されている。
どれが「鴫」でどれが「千鳥」かは全く判らないが、とにかく我が家のモミジの葉のように、薄い羽の部分と濃い羽の部分や脚などが群舞している。
この新聞の写真を見たとき、なるほどと思った。
この「青鴫立」というモミジは、鴫の群舞をイメージしてつけられた名前なんだなと・・・。
そう思って眺めると清々しさもひとしおで、いいモミジを手に入れたと嬉しくなった。
もっとも今の季節が濃淡のコントラストがハッキリしていて、見栄えが良い。
夏も盛りになると周りの薄緑も濃くなって、鴫や千鳥に似たあの線が不鮮明になるのだ。
花でも木々でもある期間もっとも、美しい趣を見せるときがある。
我が家のこのモミジは、秋の紅葉より新緑の今が一番素晴らしい時期なのだ。