ある晴れた気持ちの良い日。
職場で休憩していたら、いきなりすごい雨が降って来た。
バケツをひっくり返したような、土砂降りだ。
さっきまでの青空が嘘のよう。ハワイ生まれの夫は、雨が来るのが匂いでわかる。
夫が「Comes rain」と言うと、数分以内には雨が降る。
私は、山の稜線にかかる霧の具合でようやく雨を知る。
雨雲が雨を従えて水平線を移動していくのを初めて見たときは、「アニメみたいだ!」と感動したものだ。
きっちり2分、降るだけ降ったらスイッチを切り替えたようにピタっと止んで、再び青空が広がって、爽やかな風が湿気を運んでいった。
ホノルルに住む人は、山の向こう(つまりうちの村)は雨が多くて気が滅入るという。
日本の雨のようにじめじめしたり、何日も降り続いたり、手がかじかむほど寒かったりすることがないハワイの雨で、私が気が滅入ることはない。
雨上がりの、水分がたっぷりしみた植物や土の香りは、私が1番好きな匂いだ。
観光客がその雨を見て、すごい雨だと眉をひそめる。
「It'll pass(すぐ止みますよ)」
そう言っている間に、雨がやむ。
「ああ、ほんとだ!緑の色がいっそう濃くなって、なんて美しいの!!」
連れの人が、
「こっちに来るなら、良い靴を履いていっちゃだめだよと言われたけど、理由がわかったわ」
ハワイの正装はビーチサンダル。
寒くない雨は、ビーチサンダルが濡れても大丈夫。海で洗えば泥も落ちる。
雨が多い村に住んでいて、感謝。
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