ひさびさの映画話。
戦争ものは苦手だ。
長い歴史の中、こんな虚しいことを繰り返す人間の浅はかさを見るのはつらい。
けれど、この映画は観る価値がある。
これは実話である。
デズモンドという主人公の青年の父親は、自分が参加した戦争のトラウマから逃れきれずにアルコール中毒。
母に暴力を振るう父に向かって銃を向けてしまい、引き金はひかなかったものの、心の中では父を殺していた。
そのことがあってから、彼は一切銃に触れないと心に誓う。
彼は看護兵になりたくて軍に志願するが、訓練の中では銃に触れずにいることはできない。
訓練なのだから、適当にまわりに合わせておいて、実践では銃を使わなければいい、というようなことが
彼にはできない。
そのためにいじめにもあい、裁判にまでなり、追い詰められるのだが意外なことが彼を救う。
結局、彼は多くの仲間を(中には日本兵まで)救い、戦争のあとも生き延びて、
数年前に寿命を全うして亡くなった。
映画の終わりには、彼自身と、実際に彼を知る人々の談話がいくつも出てきて興味深い。
HACKSAWというのは沖縄の、崖の名前だと思う。
第二次世界大戦の終盤、激戦となったその場所は、垂直に切り立つ50m以上の断崖だ。
崖の上には日本軍がおり、崖の下からアメリカ兵がロープを伝って崖を上がってゆく。
戦争という狂気の中にあって、デズモンドは聖書を肌身離さず持ち、自分の信念を貫く。
敵に囲まれ、弾が飛び交う中を一人残って傷ついた仲間を助ける。
一人助けるたびに、
「神よ、どうかあともう一人助けさせてください」
と祈り、戦場に戻ってゆく。
特定の宗教に信仰をもたない私だけれど、深く信じることはなんと人を強くするものだろうかと思う。
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戦争ものは苦手だ。
長い歴史の中、こんな虚しいことを繰り返す人間の浅はかさを見るのはつらい。
けれど、この映画は観る価値がある。
これは実話である。
デズモンドという主人公の青年の父親は、自分が参加した戦争のトラウマから逃れきれずにアルコール中毒。
母に暴力を振るう父に向かって銃を向けてしまい、引き金はひかなかったものの、心の中では父を殺していた。
そのことがあってから、彼は一切銃に触れないと心に誓う。
彼は看護兵になりたくて軍に志願するが、訓練の中では銃に触れずにいることはできない。
訓練なのだから、適当にまわりに合わせておいて、実践では銃を使わなければいい、というようなことが
彼にはできない。
そのためにいじめにもあい、裁判にまでなり、追い詰められるのだが意外なことが彼を救う。
結局、彼は多くの仲間を(中には日本兵まで)救い、戦争のあとも生き延びて、
数年前に寿命を全うして亡くなった。
映画の終わりには、彼自身と、実際に彼を知る人々の談話がいくつも出てきて興味深い。
HACKSAWというのは沖縄の、崖の名前だと思う。
第二次世界大戦の終盤、激戦となったその場所は、垂直に切り立つ50m以上の断崖だ。
崖の上には日本軍がおり、崖の下からアメリカ兵がロープを伝って崖を上がってゆく。
戦争という狂気の中にあって、デズモンドは聖書を肌身離さず持ち、自分の信念を貫く。
敵に囲まれ、弾が飛び交う中を一人残って傷ついた仲間を助ける。
一人助けるたびに、
「神よ、どうかあともう一人助けさせてください」
と祈り、戦場に戻ってゆく。
特定の宗教に信仰をもたない私だけれど、深く信じることはなんと人を強くするものだろうかと思う。
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