太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

映画 Hacksaw ridge

2019-03-23 07:54:25 | 勝手な映画感想
ひさびさの映画話。

戦争ものは苦手だ。

長い歴史の中、こんな虚しいことを繰り返す人間の浅はかさを見るのはつらい。

けれど、この映画は観る価値がある。




これは実話である。

デズモンドという主人公の青年の父親は、自分が参加した戦争のトラウマから逃れきれずにアルコール中毒。

母に暴力を振るう父に向かって銃を向けてしまい、引き金はひかなかったものの、心の中では父を殺していた。

そのことがあってから、彼は一切銃に触れないと心に誓う。

彼は看護兵になりたくて軍に志願するが、訓練の中では銃に触れずにいることはできない。

訓練なのだから、適当にまわりに合わせておいて、実践では銃を使わなければいい、というようなことが

彼にはできない。

そのためにいじめにもあい、裁判にまでなり、追い詰められるのだが意外なことが彼を救う。

結局、彼は多くの仲間を(中には日本兵まで)救い、戦争のあとも生き延びて、

数年前に寿命を全うして亡くなった。

映画の終わりには、彼自身と、実際に彼を知る人々の談話がいくつも出てきて興味深い。



HACKSAWというのは沖縄の、崖の名前だと思う。

第二次世界大戦の終盤、激戦となったその場所は、垂直に切り立つ50m以上の断崖だ。

崖の上には日本軍がおり、崖の下からアメリカ兵がロープを伝って崖を上がってゆく。

戦争という狂気の中にあって、デズモンドは聖書を肌身離さず持ち、自分の信念を貫く。

敵に囲まれ、弾が飛び交う中を一人残って傷ついた仲間を助ける。

一人助けるたびに、

「神よ、どうかあともう一人助けさせてください」

と祈り、戦場に戻ってゆく。

特定の宗教に信仰をもたない私だけれど、深く信じることはなんと人を強くするものだろうかと思う。





にほんブログ村 海外生活ブログ 海外移住へにほんブログ村

最新の画像もっと見る

コメントを投稿