私の本質がどう思っているのかなんて知ったこっちゃない、
生身の私が嫌だと思うことを言われたくない、という理由で、レイナのロミロミにはしばらく行っていなかった。
レイナとは移住した時からの付き合いだから、もう13年。この13年の間に、レイナはどんどんスピリチュアルのスキルを上げていって、今は半分エンジェルリーディング、半分ロミロミ。
シュートメが、ヨーロッパに行く前に、留守を預かってもらうお礼にと、私と夫にレイナの施術のギフトカードを4回分くれた。
肉体労働の夫が全部使えばいいと思っていたのに、夫の予約と共に私の分も取ることになってしまい、
結局、レイナに会いに行った。
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レイナの住まいまでの小径は、おとぎ話の世界のよう。
ドアに辿り着く間に、清浄なエネルギーのシャワーを浴びてクリアになっていく。
レイナは夫と同い年で、初めて会った時から、とても懐かしい感じがした。
まるで従姉妹のような。
エンジェルリーディングはいいからロミロミだけやってくれ、という心の声をよそに、ふんわりとリーディングに入っていく。
「ダンス、好き?」
「いや、全然」
「ダンスしてるの、見えるよ。こんなふうに足を、ね」
そう言って、レイナは立って、両足を交差させたりしてみせた。
私のインナーチャイルドが、『楽しい!!』と思うこと。
知らんよ、私はインナーチャイルドに、もうずいぶん長いこと話しかけていないもの。
私が、『楽しい!!』と思うこと。
自分のことなのに、咄嗟に浮かんでこなかった。
インナーチャイルドは、ダンスをしてみせたが、それは実際にダンスをするというよりも、楽しいと思うことの象徴ではないかと思う。
ロミロミの最初に、全チャクラを調整してくれた。
仕事は、私をグラウンディングさせてくれるもの。
絵だけをやっていると、ふわふわと浮いてしまうのかも。
2時間半は飛ぶように過ぎた。
あれから、私はずっと気になっている。
インナーチャイルドは、私の一部であっても、ちゃんと向き合わなければわからないことがあっても仕方がないが、
私が私だと信じている生身の私が、何を楽しいと思っているのか答えられないとはどういうことか。
日常のことに流されて、目の前に起きてくることの繰り返しの中で半自動的に生きていた。
職場や家で大笑いしたり、嬉しかったり楽しかったりすることはあっても、それと私が「楽しい!」と思うこととは違う気がする。
作品作りに没頭しているとき、時間を忘れて、楽しいと思うけれど、他にもあるはず。
私は私と、もっとちゃんと話し合って、私のことをもっと気にかけて、
私の「楽しい」をもっと真剣に考える必要があるだろう。
突如、レイナに会いに行くことになったのは、私の深い心の叫びだったのだと思う。
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