ハワイには、ラーメン屋が意外とある。
見たところ、日本資本のお店が多いようだけれど、ワイキキを離れると、ロコの人がやっている店もある。
ハワイに来て初めてラーメンを食べた。
ロコの友人が美味しいと言っていた、日本のお店。
味噌ラーメン
一番人気らしい、こってりラーメン(チキンの出汁の味が濃い)
日本にいた時に住んでいた街に、カウンター席だけの小さなラーメン屋があった。
夏はその店の存在を忘れているのだが、冬になって木枯らしが吹き、靴下を履いても足先が冷たいような日には、
どちらからともなく、あの店に行こう、と言い出し、自転車をこいで出かけたものだ。
夫婦だけで切り盛りしているその店は、暖房などなく、カウンターの椅子にすわると、背中の後ろはすぐ引き戸で、限りなく屋台に近い。
自転車をこいで温まった身体も、すぐに冷えて、じんじんする指をこすり合わせていると、湯気のたったラーメンが出てくる。
「ハイ、お待ち!」
夫は、「ハイ、お餅」と言っているのだとずっと思っていたそうで、餅がどこに入っているのか不思議だったらしい。
メニューは、しょうゆラーメンと味噌ラーメン、あとは餃子だけ。非常にシンプル。
カウンター上には、食べ放題のキムチと、入れ放題のニンニクおろしがドカンと置いてあり、それらをこれでもかとラーメンに投入し、あつあつをほうばる。
カリカリに焼けた餃子の中からは、熱いスープが染み出してくる。
すぐに身体は芯まで温かくなってきて、コートを脱ぎ、マフラーを外して、タートルネックの首の中に風を送り込むほどに暑くなってくる。
ものすごく幸せな気持ちで、また自転車に乗って冬の街を帰途につく。
あのラーメンが、果たしてものすごく美味しいものだったかどうかはわからない。
店の雰囲気、あけぴろげな夫婦のやりとり、寒さ、それらの演出があって成り立つラーメンだったかもしれない。
だから、別の場所で、しかも日本以外で、あの味が懐かしくなってラーメンを食べても、同じ感動は得られないのはわかっていた。
それでも、私と夫の脳裏には、あの店の、あのラーメンが鮮やかにあったのは確かで、
「悪くないけど・・・・・違うねえ」
と言いながら、店をあとにした。
わかっていたのに、ちょっとガッカリ。普通に美味しいラーメンだったけれど。
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ハワイに来て初めてラーメンを食べた。
ロコの友人が美味しいと言っていた、日本のお店。
味噌ラーメン
一番人気らしい、こってりラーメン(チキンの出汁の味が濃い)
日本にいた時に住んでいた街に、カウンター席だけの小さなラーメン屋があった。
夏はその店の存在を忘れているのだが、冬になって木枯らしが吹き、靴下を履いても足先が冷たいような日には、
どちらからともなく、あの店に行こう、と言い出し、自転車をこいで出かけたものだ。
夫婦だけで切り盛りしているその店は、暖房などなく、カウンターの椅子にすわると、背中の後ろはすぐ引き戸で、限りなく屋台に近い。
自転車をこいで温まった身体も、すぐに冷えて、じんじんする指をこすり合わせていると、湯気のたったラーメンが出てくる。
「ハイ、お待ち!」
夫は、「ハイ、お餅」と言っているのだとずっと思っていたそうで、餅がどこに入っているのか不思議だったらしい。
メニューは、しょうゆラーメンと味噌ラーメン、あとは餃子だけ。非常にシンプル。
カウンター上には、食べ放題のキムチと、入れ放題のニンニクおろしがドカンと置いてあり、それらをこれでもかとラーメンに投入し、あつあつをほうばる。
カリカリに焼けた餃子の中からは、熱いスープが染み出してくる。
すぐに身体は芯まで温かくなってきて、コートを脱ぎ、マフラーを外して、タートルネックの首の中に風を送り込むほどに暑くなってくる。
ものすごく幸せな気持ちで、また自転車に乗って冬の街を帰途につく。
あのラーメンが、果たしてものすごく美味しいものだったかどうかはわからない。
店の雰囲気、あけぴろげな夫婦のやりとり、寒さ、それらの演出があって成り立つラーメンだったかもしれない。
だから、別の場所で、しかも日本以外で、あの味が懐かしくなってラーメンを食べても、同じ感動は得られないのはわかっていた。
それでも、私と夫の脳裏には、あの店の、あのラーメンが鮮やかにあったのは確かで、
「悪くないけど・・・・・違うねえ」
と言いながら、店をあとにした。
わかっていたのに、ちょっとガッカリ。普通に美味しいラーメンだったけれど。
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