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太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

故障中、と書きたかった

2022-09-23 10:17:52 | 英語とか日本語の話
職場の男子トイレの個室のひとつが壊れた。
すぐには修理というわけにもいかないので、

『Out of order ~Mahalo~』

と紙に書いてドアに貼った。

ようやく最近、ぽつぽつと姿を見るようになった日本からのお客様の中には、
意味を理解できなくてドアを開けてしまう方もいる。
そこで、英語の下に日本語で書いておくことにした。
こんなときこそ私の出番、朝飯前よ。

故障中、と書けばいいよね。

しかし、故障と書いたあとで、手が止まった。
コショウのショウは、こんな字だったか?

障 の字をじっくり眺めていたら、突然ゲシュタルト崩壊が起きた。


コザトヘンは合ってると思うけど、章って、こういう字だった?
そもそも、この組み合わせで合ってる?
眺めれば眺めるほど、確信がもてなくなってくる。

漢字を書く時、勢いで書けばいいものを、ゆっくり書いていると崩壊が起こる。
日本語を書かなくなった今、それは以前よりも簡単に起こる。
読むと書くでは大違い。

同僚が早速見つけた。

「日本語で書いたの?すごい!私には記号にしか見えないけど、こんなのが書けるなんていいねえ」

いやなに、それほどでも。
こっそり携帯電話で故障中の字を確認したとは誰にも言えまいよ・・・・






ハワイ弁

2022-08-12 16:00:50 | 英語とか日本語の話
ハワイのロコの人は、語尾に「ヤ」を付けることが多い。
意味としては、「~でしょう?」ということ。
たとえば

That is good,ya

(それ、美味しいでしょ?)

普通の英語の会話では、ヤの代わりに Huh?(ハァン)と言うことはよくある。


日本人の友人の子供が小さかった頃、子供が学校の友達の話し方に似てきて、語尾に「ヤ」をつけるたび、友人がムキになって注意していたことがあった。

「田舎丸出しのハワイ弁で喋ってほしくないのよぅ」

私学であれば、ハワイ弁丸出しの生徒の数はグッと少なくなるのだそうだ。

「公立に行かせてるんだから仕方ないのかもしれないけど、アレ嫌なんだよなあ」

その子供も二十歳を超え、親の心配は取り越し苦労で、ハワイ弁も使うが、普通の英語も使い分けることができる大人になった。

「放っておいても、ちゃんと使い分けるようになるんだね」

友人も胸をなでおろしていた。


最近のことだ。
気がつくと、私は語尾に「ヤ」をつけていて、自分でおののく。

汗だくの同僚が職場に駆け込んでくる。
「Its warm outside,ya?」(外、暑いでしょ?)
頭で考える間もなく、つるりと口から出てくる。


恐ろしいことには、日本語にも「ヤ」がついていることさえあるのだ。
家で猫相手に、
「ごはん、食べる、ヤ?」
夫に、
「コレ、カライ、ヤ?」

放っておいても、ちゃんと言葉を使い分けられるようになるネイティブと、
放っておくと、そのうち独自の言葉を使いだすようになる「英語 付け焼刃」派の、これが大きな違いである。
私の英語は、どこへ向かっているのだろうか・・・・



トロッコ

2022-05-23 08:15:09 | 英語とか日本語の話
先週の今頃(月曜日)は、コロナ真っただ中だった。
水曜日から仕事復帰したが、まだ喉が少しイガイガするときがある。
コロナ期間で、体重が3キロ落ちて小躍りしたのに、2日ですっかり元通り。


夫と映画の話をしていた。
インディアナ ジョーンズ シリーズ。

私「たぶん2作目の、タイトルなんだっけ?」

夫「どういう話?」

私「ほら、トロッコでローラーコースターみたいに・・・」

夫「トロッ・・・?」

私「トロッコだよ、トロッコ。ガイジンなのにトロッコわからないの?」

夫「?」

私はトロッコのアクセントの位置を変えたり、発音を変えたりしながら根気よく説明したが、夫はいっこうにわからず。
しまいには絵に描いてみた。

「ああ、Minecartのこと?」

マ、マインカート?
マインは鉱山や炭鉱の意味で、それに使うカート。
調べてみたら、トロッコは全然英語なんかじゃなかった
昔の日本人が、トラックの発音をトロッコと聞いて、以来トロッコなのだそうだ。
それはまるで、ソーイングマシンを「ミシン」と聞いて、ミシンになったのと同じ。

こんな程度じゃもう恥とも思わない。
夫も慣れたもので、何も言わない。
私の英語知識なんかこんなもんである。







近道

2022-02-24 21:32:46 | 英語とか日本語の話
学生の頃、試験勉強をコツコツやった記憶がない。
小学校1年から高校を出るまでの12年間、夏休みの宿題を後回しにし続けたツワモノが、試験勉強だけは計画的にできるなんてことがあるはずがない。

一夜漬けや、試験のヤマをかける度胸はなく、たいてい3日漬けぐらい。
試験範囲の、まだ半分も見ていないのに既に夜中になり
「あー、明日東海沖地震がが来ないかナァ」
何度、真面目にそう思ったことか。
先に寝て、朝早く起きてからやろう、と思って寝過ごすこと数知れず。

1970年代から話題になっていた、『睡眠学習』の資料を取り寄せたこともあった。(その前に日頃からコツコツやれヨ)
深い眠りの時に記憶力が向上しているという研究結果から、覚えたいことをカセットテープに吹き込んで、枕の下に入れて眠るのだが、
これは既に学んだことの復習でなければ意味がなく、知らないことを睡眠中に聞いても、なんにもならないのであった。
寝ながら勉強ができたら、みんな秀才だわな。


英語の勉強では聞き流しというのもあった。
赤ちゃんが自然に言葉を覚えるように、英語のシャワーを常に浴びることで英語が話せるようになるのではないか、ということらしいのだが、
これには私は「NO」とハッキリ言える。
それを言うなら、10年以上365日英語聞き流し状態の私はネイティブ並みにペラッペラになってるはずじゃないか。
スポンジのようになんでも吸収してしまう子供の脳に比べ、覚えた先から忘れてしまう大人の脳じゃ、「自然に話せるように」なるわけがない。




職場のレジスターの隣にマグネットを売る一角があり、いろんな種類のマグネットが鉄製のパネルにくっついている。
物により価格が違うのだが、お客様はたいていそのパネルを指さして
「いくら?」
と聞く。
そこで私は、
「Price is on their back(値段は裏側についてます)」
と言うのだけれど、必ず聞き返される。
ジェスチャー付きで2回ほど言ってようやくわかってもらえる、の繰り返し。
「ンもう!最初からわかってよ!」
と思っていたのだったが、今日も同じ場面になったとき、

『もしや私の言い方がまずいのでは?(遅いだろ、気づくのが)』

と思い、

「どんなふうに言えばよかったの?」

とそのお客様に聞いてみたら、

「On the back」

と教えてくれ、
「あなたっておもしろいわねー」と笑った。
それらの裏側という意味で勝手に Their と言っていたのは、まったくの的外れではないにしても、不自然な英語だったようだ。


コツコツができずに、近道ばかり探してきた私。
英語しか使えないところに放り込まれても、やっぱり地道に勉強などせず、
英語しか話せない人のために、私が第二言語を使ってあげている、というメンタルを強くする方法で乗り越えてきたという始末。

私の英語は、人が言うのを真似たり、その場その場で体当たり的に覚えてきたものでできており、
移住した当初は話すより書く方がまだ得意だったのが、今ではまったく英文など書けなくなってしまった。
これは近道でさえもなく、行き当たりばったりとしか言いようがないのである。






アメリカ人の日本語シリーズ

2021-12-10 08:21:43 | 英語とか日本語の話
日本人には聞き取れない、アメリカ人が話す日本語シリーズ。(今、作ったシリーズだけど)
過去の記事で取り上げたのはこのあたり。

ふりかけ → ふっりけーき
空手 → くわぁり
カラオケ → きゃらおき

ここに新たなネタが登場した。

せあーとうへっ

これが何のことだかわかる人がいたら、すごい。
テレビのコマーシャルで、女性の声で せあーとうへっ と言っているところで
作業中の手をとめてテレビ画面を見たら、

SATO HAP

と出ていた。
日本のサトー製薬の湿布なんだな、これが。
昔、薬局(ドラッグストアじゃなくて、薬局)の前には、首をかしげたようなサトちゃん人形(オレンジの象だったような)が雨ざらしで立っていたものだ。
10円入れると、子供を乗せて動く動物の乗り物もある薬局もあった。

ゴルフをして腰をひねったおじさんが、サトーの湿布を貼っている。
「ほうらね、せあーとうへっ がよく効くんだよ」
何度聞いても、なぜこうなるのかまったくわからん。