ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

韓国の老人長期療養保険の現状

2009年04月27日 | 社会福祉士
 今日韓国を離れるに当たって、見聞きしてきた老人長期療養保険制度の現状を書いてみたい。その多くは、昨日車先生と鼎談で学んだことが中心である。さらに今後、正確な情報にもとで、それを確認していきたい。

 老人長期療養保険が昨年の7月から始まり、驚いたのは、在宅のサービスだけでなく、施設が急激に建設され、最も施設入所数が増加していることであった。これには、重度者を対象にした制度であること、また今まで施設が少なかったことも原因であるが、これにきちっとした対応ができなければ、逆に保険料がうなぎ登りに高くなり、財源を圧迫することになろう。その意味では、日本では市町村がが介護保険事業計画を作成する際に、参酌基準として入所系サービスを3%程度に抑制することで、施設の増加を抑制している。韓国はの老人長期療養保険も高齢者のコミュニティケアを推進していくことを目的にしているなら、何らかの対策が必要になっていると思った。

 さらに、福祉用具レンタル事業者から聞いたことであるが、寝たきり高齢者に車いすがレンタルなり購入で納められているといった実態が多く見られるとのことを聞いた。

 利用者家族から聞いたことは、訪問介護事業者から少々訪問時間を少なくするが、その分自己小負担となる15%の負担料を無料にするから、使って下さいと言ってくることがあるとの話も聞いた。また、指定の基準が低いため、訪問介護事業者も急激に増えているが、そのため競争が激化しており、ヘルパーが利用者を連れて、別の事業者に移ると言うこともしばしば見られるという。

 こうしたことは日本でもごく一部起こっていることであるが、ケアマネジャーがいることで、さらにケアマネジャーが実施するサービス担当者会議でもって、このようなことへの抑止効果がある。韓国でもケアマネジャーが置かれれば、適切な対応ができるのにといった思いである。

 もう少し詳しくは、今回収集してきた資料を整理することで、昨年の7月に始まって1年たたない老人長期療養保険の状況を報告していきたい。