ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

「社会福祉士国家試験」の合格発表に思う

2009年04月09日 | 社会福祉士
 3月末日は恒例の「社会福祉士」「精神保健福祉士」「介護福祉士」の合格発表の日である。今回は第21回の試験であるが、「社会福祉士」の試験は、ほぼ100%近くが「5者択一」の「正しい(適切な)ものを一つ選べ」または「間違い(適切でない)ものを一つ選べ」の問題で変更になった。このような問題形式が原点であることには異論はないが、合格率が昨年の30.6%という三割台となり、これから上昇気流に乗っていこうと思っていた矢先に、29.1%と三割を切ってしまった。至極、残念である。

 この要因を考えると、大学の合格率のランキングが出ており、上位を公立が殆どを占有していることから、2点の議論が必要であるように思う。現実に、これらの結果は、大変失礼な言い方で申し訳ないが、大学入試時の偏差値がそのまま反映しているような実態であるように私は感じている。

 このことでの第1の議論は、社会福祉士にも当然多くの知識を理解しておく必要があり、この知識には偏差値と相関があってもいたしかたないとしても、学生時代に実習や演習を介して得た価値や技術能力が反映した問題が作成されているのかということである。ある意味、知識偏重の問題ではないのかと問題提起である。

 第2の議論は、大学教育の中で、社会福祉士に成りたいというインセンティブを高め、1回生から計画的に学習し、過去の偏差値を超えていく教育が大学で出来ていないのではないかということである。ただ、これについては、正直、さほど入学時の偏差値が高くない大学がいくつか上位にランクされている。これらの大学の教育方針や方法について、是非伺い、そこから学びたいと思っている。

 来年の第22回試験は、時代状況が大きく変わることになる。第1は、介護福祉士に先駆けて、社会福祉士は新カリキュラムでの試験をスタートさせる。第2は、昨年12月25日の厚生労働省が報告した『社会福祉士及び介護福祉士国家試験の今後の在り方について』のもとで、初めての試験である。この報告書では、社会福祉士と介護福祉士は、単に知識だけでなく、価値、知識、技術が身についているかを確認する試験になることを提案している。

 このことは、大学には新4回生の国家試験に向けての教育や指導のあり方が問われる。また試験委員会にも、評価の内容や基準についても相当慎重さ対応が求められることでプレッシャーがかかるものと思われる。

 次の試験から、再度合格率を飛躍的に上げていって欲しいと願っている。医療系の国家試験合格率まで高めることには時間がかかるであろうが、受験生の6割から7割が最低合格しないと専門職教育は難しいのではないかと思っている。

 そのため、大阪市立大学でも、4月に入ってすぐに、新4回生のために、国家試験受験用教材として、私の研究教育費を使って、全ての巻が揃っている中央法規出版の教科書を4セット買い、国会試験に向けてのスタートをした。他の大学も、一緒にスタートを切りましょう。