ポンコツPAK-ブログサイド-

ミリオタ、エルンストによるブログです。
pixivでダラダラ描いてます。

エルアラメインの草もち 巡航戦車シャーマンII

2012-01-27 20:23:33 | ミリタリーな話題


第二次エルアラメイン戦で実戦投入されたM4A1中戦車(英軍名シャーマンMk.II)です。
いきなり描きたくなりました…。元々シャーマンシリーズは好きなほうですが、最近は各国の軽/豆戦車が気になって…。
この鋳造車体のM4A1系列は特にお気に入りです。

イラストは第1機甲師団王立第9槍騎兵連隊Cスクアドロン所属車(こういう所に名前を残すところが良いですね)で、足回りが供与当初のオリーブドラブ?のまんまです。
北アフリカのシャーマンは基本サンドイエローで、上にブルーブラックの迷彩塗装が多いようです。
あと車体の下半分に白い縁取りの付いたブラウンの迷彩が描かれた車輛もあり、これはなんだか芋虫の柄みたいで俺は苦手です。

極初期型のサスペンション形状(M3と同じ)と操縦/無線主席の前方視界用バイザーなど、そのあとに投入されるものと違う特徴も見受けられます。
一方ドイツアフリカ軍団は良くても長砲身のIII号戦車やIV号戦車F2型があるだけでした。後に上陸したアメリカ軍がチュニジアでティーガーに遭遇、痛い目を見ますが…。

傍らを第51歩兵師団所属のブラックウォッチ連隊兵士が進んでおります。
バグパイプ手はタモシャンター帽にキルトを履いておりますが、写真を見る限り前方の兵士と同じMk.II皿型ヘルメットにハーフパンツ姿であることが多かったようです。
バグパイプは42年10月23日の英軍最初の前進でも演奏されており、兵士の士気を鼓舞したようです。
もちろん、スコットランド系部隊が参加したほぼ全域でバグパイプが演奏されたのはご存じのとおりです…。
映画「史上最大の作戦」のコマンド部隊のシーンは大好き。
ベルサリエリ部隊が主役のイタリア映画「砂漠の戦場エルアラメイン」というなぜかM41戦車やM113装甲車(おまえ何役だよ!)がでてくる変な戦争映画を昔見ましたが、
作品中でイタリア軍の罠にはまる英軍部隊はちゃっかりバグパイパーを連れています(他の兵士と一緒に撃たれます。いたたまれない…)。

エルアラメインは砂漠を舞台にした大規模な戦車戦が中心ですが、陰の主役は徹底した準備射撃を行った英軍25ポンド砲ですね。

謹賀新年!幕府組合銃隊司令官

2012-01-05 21:48:38 | 幕末


明けましておめでとうございます。新年は幕末軍装で迎えさせていただきます。
慶応三年正月に描かれた錦絵「調練歩行の図」より、幕府陸軍・組合銃隊の司令官を描いてみました。
赤い笹縁と袖口に折り返しの付いた紺か紫のレキション羽織に緋色のベスト、金で破軍星と雲の描かれた韮山笠をかぶっています。

絵では後に続く鼓手は黄色のそぎ袖羽織、笛手は紺のレキションにバスドラム担当は緋色のレキション。教導方の下士官は紺のそぎ袖羽織を着ているようで、兵卒はいたって普通な韮山頭巾に筒袖ダンブクロ姿です。しかし隊長のみならず、楽手も下士官も革靴履きです。
一隊ごとに相当金かかってます…。

慶応二年の兵制改革では洋式銃隊の拡充を図るべく、従来の歩兵組とは別に旗本の石高に合わせて決められた数の兵卒を雇わせ、雇い主の旗本を士官とする「組合銃隊」制を定めました。
これは七千石以上の家で歩兵小隊が一個出来る計算でしたが、六百石くらいだと十個以上の家の人員を合わせなければ小隊が揃いませんでした。
これでは一個大隊作るだけで大変で、しかも各家から差し出された士官と兵員の質がバラバラという有様でした。
結局見直しが決定されて翌慶応三年九月に廃止となり、一度雇った兵士も解雇されました。その数実に4000人!この多数の失業者の群れは江戸の社会問題にもなりました(最も歩兵組も人員増強の必要があったため、再就職は可能だったでしょう)

その軍装ですが、士官兵とも各家・小隊ごとに朱色や黄色、萌黄のそぎ袖羽織に装飾の施された韮山笠や突盃頭巾など、それぞれが意匠を凝らして着飾っていたようです。
期間は短かったものの、その派手な姿が町人には面白く写ったようで、よく錦絵の題材にされて今日にその姿が残っています。
組合銃隊の一個大隊が日本橋を渡る図、越中島の訓練場で大規模な調練を行ってる図。また双六の題材などにも使われました。

軍装の一例
第一小隊は連雀町の皆川連之丞の隊にて真先に二つ巴の定紋染め抜いたる縮緬の旗を押し立て二人の鼓手は緋羅紗のそぎ袖に白羅紗揃ひの
戎服に金紋打ったる韮山笠を冠り歩兵は紺呉絽揃ひの服装にて笠は役員と同じものを戴き意気揚々たる後とに続いて第二番小隊は駿河台の…(太田臨一郎「日本近代軍服史」より)

それではこの記事をもって新年のご挨拶とさせていただきます。(なんて無理やりな…)今年もよろしくお願いします。