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戊辰戦争時の岡山藩の農兵部隊・遊奇隊の兵士たちです。正規の武士が脇差を挿しているのに対し、彼らは大刀一本のみなので区別がつきます。
集合写真から軍装を再現してみました。ちなみに写真中では全員断髪しており、ザンギリ頭です。
出陣当初は紺筒袖・黒ダンブクロという服制でしたが、開港場で中古洋服を調達したようです。
右側の人物はネクタイらしきものをした開襟の紺マンテル上下に楕円形バックル(中の文字は読み取れませんがたぶんこれでしょう)、刀一本を携えております。
エンフィールドP1861小銃、胴乱負革、韮山笠と識別各章は実戦時を想定して付け足しました。
左袖と韮山笠の釘抜紋が合印です。
左は詰襟マンテルに東西各藩で見られるスプーン式ベルトバックル。そして上着よりも薄い色で濃い色の側線が入ったズボンを履いております。
おそらく北軍(アメリカ合衆国軍)の下士官用ズボンと思われ、写真中ではもうふた方ほど似たものを履いています。
韮山笠と錦章は付けたしました。
古写真中では釘抜の合印はなく、薩摩藩兵のように右肩に白布を巻いてますが、遊奇隊特有の印とは考えられず実戦では藩士と同じ白釘抜紋を右袖に付けていたものと思われます。
また錦章を右肩に付けていますがこれは別の藩士の古写真から引用いたしました。
彼らは房総半島の脱走撒兵隊討伐へ参加後に奥州戦線へ転戦、帰郷後はその功績から郷士となって廃藩置県までの短い間を末端士分として過ごしました。