伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

明日できる仕事は今日やるな マニャーナの法則完全版

2022-10-03 23:58:34 | 実用書・ビジネス書
 仕事を計画的に進めやり残して時間に追われることを避けるための方法論を語る本。
 基本的には、その日その日の仕事を計画的に進め、予定外の仕事を割り込ませないようにするために、仕事を抱えすぎない、どうしても今すぐとか今日中にやらなければならないこと以外は「明日やる」を原則にすべきということを主張しています。タイトルの「明日できる仕事は今日やるな」はあくまでもそういう意味で、仕事の先送りを勧めているわけではありません。むしろ、複数のプロジェクトを抱えているとき、著者は何と、緊急度の低いプロジェクトを優先することを推奨しています(255~256ページ)。締め切りに余裕があるプロジェクトは先送りされ適切な時期に開始しなかったために締め切り間際に緊急の仕事になってしまってスケジュールを圧迫するからだそうです。それはそれで至言とも言えそうですが、それは明日できる仕事だからといって明日に回すなということですから、このタイトルの本でそれを言われると、おいおいと思ってしまいます。
 抵抗が一番強い仕事から始める(269~272ページ)というのも、それができれば面倒な仕事が残らず楽にはなるでしょうけど、それができれば苦労はないというか、それがなかなかできないから仕事術みたいな本があるんじゃないの?と思います。
 ファースト・タスクにして毎日少しずつでも必ずやるというのも、ごく短時間でできるタスク(パーツ)に分けられる仕事がメインの仕事の人ならいいですが、長時間の集中が必要な仕事(弁護士の場合、裁判所に提出する準備書面作成とか)がメインの場合、そういうわけにも行かないと思っています。
 仕事を抱えすぎないために、まず「ノー」と言ってしまう(96~101ページ)、同僚が「今日仕上げるレポートのために至急データが欲しい」と頼みに来たという場合にそれはギリギリまで放っておいた相手の責任だから「明日まで無理」と答えてください(130ページ)って、それでやっていける人がどれだけいるのか…
 私としては、休憩は切りのよいところまでやってから取るのではなく、仕事の途中、できれば新しい仕事に入ってすぐに取る方が、仕事を再開がしやすい(213~214ページ)というのは、ちょっと考えてみたいと思いました。もっとも、一貫性を重視すべき仕事(弁護士で言えば準備書面の作成とか)は、頭がその件に集中している流れでやりきってしまいたいという気持ちがあるので難しいところではありますが。


原題:Do It Tomorrow And Other Secrets of Time Management
マーク・フォースター 訳:青木高夫
ディスカヴァー・トゥエンティワン:ディスカヴァー携書 2022年7月25日発行(単行本は2016年「仕事に追われない仕事術」、原書は2006年)
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