シングルのB面と言えば、思い出される曲がもう一つある。
アリスの「チャンピオン」の裏に収録されている「君よ涙でふりかえれ」である。
「チャンピオン」がヒットしていた1979年の1月、近所に住んでいた同級生のG君が、「獅子丸、これのB面が、またイイ曲なんだぞ!」と教えてくれたのだ。
当時、シングルのB面で知っているのは「いっぽんでもニンジン」くらいでしかなかった小学生の私に、B面に着目することの大切さを教えてくれたのは、ほかならぬG君だったかもしれない。
この「君よ涙でふりかえれ」は、オリジナルアルバム未収録で、コンサートなどでもほとんど演奏されなかった楽曲である。
だが、その詩の情緒深さと、徐々に盛り上がるサウンドの熱さは、かの名曲「遠くで汽笛を聞きながら」に匹敵すると、私は認定する。
この曲の良さを理解できたあの頃の小学生の感性は、なかなか研ぎ澄まされていたと言えるだろう。今さらながら、G君に感謝の私である。