続・笑う蜘蛛の糸

1969年生まれの私、
潮風太子が第2団塊世代特有の視点で書く
コッソリ系ブログです。

治療は迅速にすべし

2018-06-28 12:39:43 | インポート
2週間お休みをいただきました。
また今週より宜しくお付き合いのほど・・・

当ブログ2016年2月6日号「ADHD問題に注目せよ!」にて、
指摘していたものの残念ながら何の役にも立てていない・・・
それどころかADHDについてネット的情報は促進されるも、
むしろ逆効果のスパイラルに陥ってゆくという実態について、
改めて世に問いたい。

6月16日午後2時頃、
富山で21歳の元自衛官の男が、
交番を襲撃し警察官を刃物で殺害し拳銃を強奪、
その拳銃と一杯に刃物を詰め込んだリュックサックを背負い、
交番近くの小学校へ向かうと、
小学校の工事のために誘導警備をしていた、
警備員を射殺、
その後本人も、駆けつけた警察官から銃撃され、
重傷という事件が起きた。

報道によると、見た目はごく普通。
おとなしい性格も中学生ぐらいから自宅に引きこもり、
高校にも進学せず、
そのころから親に暴力を振るうようになったという、
その後、自衛隊へ入隊~とのこと。

これより少し前6月9日夜、
新幹線のぞみ新大阪行き最終列車の車内で、

22歳の男が突然、隣に座っていた女性に鉈(なた)で、
襲い掛かり切りつけると、
女性客2人を次々と襲撃、
止めに入った男性会社員を、
メッタ刺しで殺害という事件があった。

この犯罪者の男もまた、
引きこもりで両親への暴力、
コミュニケーション能力の欠如による、
社会不適合者であったと。

この少し前3月には東京目黒で、

5歳の女の子が父親(義理モノ)からの虐待により、
残酷な殺され方で殺害された。

この3つの事件に共通するネット論壇や、
マスメディアの報道に方向性がこうだ。

ADHDが原因による事件ではないか?と。



潮風太子も、この意見自体には、
まぁ確かにな・・・とは思う。
実際問題、これらの状況から察するに、
発達障害、自閉症、学習障害、行動障害、
すべてに合致しているところからも、
ADHDに絡んだ事件であることは明らかだろう。

が、しかし、こうも思う。
この手のADHDに関する凶悪事件にあっては、
もうちょっと突っ込んで考えなければならないのでないかと。

ADHD問題は、そんな単純なモノではない。

ADHD問題に注目せよ!の記事の他、
学級崩壊のハナシも書いてきたこともあって、
かなりの情報が入手できるようになった。
もちろん現場を地べたの目線で観察を続けてもいる。

私は、その手の医者でも教育関係者でもナイ。
ごく普通のオッサンでしかないけれども、
実情だけは正確に把握しているので、
見ていて非常に歯痒く感じる。

完全に今起きている現状に対して医療、司法、
教育システム含めすべてが遅れまくっている。
もちろんマスメディアの論調も含めて。

ADHDのせいにしてしまえば、
確かにすべて、事なかれで収まるところはあると思う。

が、しかし実際はそうじゃナイ。

ADHDをマクロ的にみたら、
まず先天的ADHDと後天的ADHDが存在している。

先天的の方は、いわゆる「知的障害者」の類。
もう生まれながらにしてというタイプ。

それとは別に育ってきた環境や周囲の環境の影響によって、
人格形成されていくうちADHDになっていった後天的なケース。

例えば多重人格などはソレに該当するだろう。

この2つの事象は明らかに違う性質のADHDかと思うが、
現在、医学の世界では全て一緒!
という判断がなされている。
いや、医学の世界だけじゃナイ。
司法もそう裁判で責任能力云々のケースで、よくみられる。

そこに最大の落とし穴が存在する。

「先天的ADHD」の「患者」による凶悪犯罪というのは、
実際にはナイに等しいが、
「後天的ADHD」の「患者」による凶悪犯罪は、
むしろ犯罪全体のほとんどといってよい。

まともなら凶悪犯罪など起こさない。
しかし、医学的には先天的も後天的も一緒!という、
となると医学的観点からすると、
同等の責任能力となってしまう。
ここが世間一般の世論がイラつくところとなっているのではないか。

繰り返し書くが、
先天的と後天的では、
まったく違う性質のモノである!

こんな本がある。
後天性ADHD「患者」による犯罪の原因の殆どが、
実はココにあるのでは?
という説を唱える医師が書いた

発達障害を見過ごされる子ども、
認めない親。星野仁彦著(幻冬舎新書刊)なる本。

以前、当方が指摘したADHDは先天性はもちろんのこと、
後天性ADHDも7歳までに確実に発症しているハズ。
という仮説を裏付けてくれている内容だ。

やはりここでも、とにかく早く気づいて早く治療すること!
と書かれていた。
14歳までが事実上の治療期間も同じ。
思春期と重なると単なる反抗期の類なのか、
実は「病気」の方なのかが、わからなくなってしまうので、
治療法や対処の仕方がまったく異なってしまう。

単なる反抗期の子には、
尾木直樹的というか金八式の、
まずハナシをジックリよく聞いてやることから・・・
が定番の対処法であるが、
「病気」だった場合には完全に脳の病気なので、
コンサータやステラトラといった薬を処方するのが先。
まず薬で落ち着かせてから・・・となる。

14歳までの治療で完全治癒は残念ながら、
アル中とかシャブ中や盗癖、性癖と同じでナイとのことだが、
感情を完璧にコントロールできるようになるという。
とはいえ現実には改善するケース約30%現状維持40%、
残念ながら悪化30%というのが医学界の常識とのこと。

そして、この悪化した30%の者が主に、
いわゆる「2次障害」を発症し、
家庭内暴力やら引きこもり、非行、自傷行為といった、
「お約束」のスパイラルに陥って、
「定番」のパターンへ突き進む。

もう、この2次障害に陥ると「親の力」だけでは、
正直、治癒・改善は不可能といっていい。
が、ほとんどの親はこういう現実を認めたがらない。
なんとか自分たちの力で・・・と頑張ってしまう。
すでに手遅れなのに。
という次第。

その結果、
子供には万策尽き果てた・・・やるだけはやった・・・
が、こういう結果となってしまい申し訳ない・・・
という最悪の事態を迎えることとなる。

結果論と言われても仕方ないが、
幼児期にADHDを発見できればイイのに…と思う。
医療機関も教育機関も行政機関も、
もっとこういう問題について理解・勉強すべきだろうにと。
現在の時点ですべて手遅れの状態だ。

それだけじゃナイ、この先遺伝子技術が進歩して、
ADHDは障がい児という誤ったレッテルのせいで、
安易に「処置」されてしまう危険もはらむ。
ネット社会が異常なスピードで進化すればするほど、
誤った信仰が突き進むことになりかねない。

ただADHDといっても必ずしも
ネガティブなコトばかりではなくて、
エジソンもアインシュタインもADHDだったといわれている。

つまり全人類を救うやもしれぬ
天才をも生み出す遺伝子でもあるのだ。

教えて育てると書いて「教育」と読む。
実は、この「教育」こそがADHD最大にして、
最強最高の最終的治療法という。
薬はあくまで併用ツールだという。

ただこれは幼児期に始めないとダメ!らしい。
となると、もう今すぐADHD対策を始めなければ、
この国は「患者」たちによって「善良なる国民」が、
すべて滅ぼされてしまうことになる。
国家存亡の危機であろうに、
行政府も司法府も立法府も、
まぁなんと呑気なコトかと・・・・
お勉強だけはすこぶるデキるのに、
地頭ときたらビックリするほどバカなのかと。

三島由紀夫のコトバを借りると、
半年で出来ることは3か月先でもイイが、
30年かかることは今日今すぐ始めなければならない。
かくして、また近日早々にも「患者」による虐殺事件が起きる・・・・
さぁこれでよいのだろうか?
いつまでこんな状態を野放しにしておく気か?
改めて世に問いたい。
また来週。


コメント (2)
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