続・笑う蜘蛛の糸

1969年生まれの私、
潮風太子が第2団塊世代特有の視点で書く
コッソリ系ブログです。

バスに乗る前に知っておくべきこと9(パート2)

2022-05-13 00:56:00 | 日記
すっかり更新が
遅れてしまいました(^_^;)
激動の2か月でございまして、
このハナシもいずれ
小説風にして書こうかと・・・
そのハナシは置いといて、

さて、ようやく本編です。

前回から続きのお話になります。
関係各所への確認裏取りにも、
少々お時間いただいた為、
パート2公開まで、
遅くなりましたこと
お詫び申し上げます。
m(_ _)m


バス業界を観察していると、
非常に興味深いことが多々あり、
この先この国の将来を展望するに、
一つの予測例となるのでは?と思い、
ついつい記事にして
おきたくなってしまうワケです。

ぶっちゃけ失礼ながら
現在、日本のバス業界は、
もはや斜陽産業であり、
昔ながらのアナログ業種の中でも、
今だ典型的な昭和の業界。

それなりに必要な職種でありながら、
慢性的な人手不足の割に低賃金労働。
おおまかな理由は前回書いた通り。

さて、
そんなバス業界の人たちの間で、
このところザワつく話題が
いくつかあるそうで・・・

まず1つ目が
路線バスの電気自動車化
及び自動運転化問題。
コロナの騒動が起きる少し前、
人手不足解消として自動運転バスが、
これからは増えるだろう・・・
というハナシがメディアなどでも
チラホラあって、
一時は結構盛り上がった話題も、
コロナ禍ですっかり意気消沈。
かと思いきや、
ここにきて再び再燃。

この背景には何があるのかな?
とみると、
どうやら我が国での、
電気自動車への完全移行化が、
ほぼ確実になったということが、
あるようで。
化石燃料を使った「自動車」は、
2035年メドに新車販売禁止という、
我が国の政策のもと、
こうして自動運転向きな
電気自動車が時代に先んじて、
どんどん我が国に
入ってくるのかと・・・

それにしても、
車体価格も国産電気バスだと、
7000万円弱なのに対し、
この中国BYD社製電気バスは、
1800万円ほどと超破格!
ビックリですな。
もっとも、
これも中国政府の
補助金によるところが
相当にあるようで、
日本で携帯電話が普及し始めた頃、
携帯電話会社各社が
代理店などを使い、
0円携帯バラ撒き作戦を
敢行したときに同じかと。

今後10年以内に4000台の
中国製電気バスを
日本国内で販売するのが目標とは
なんとも鼻息が荒いハナシ。
が、
いざ現場各所でハナシを聞くも、
この件に関しては、
どこも至って冷ややかな反応。
といったところ。

まず充電の問題。
自家用車のように
1台2台の充電とは違い
営業所にある、
100台以上のバスの充電を
毎日毎晩スムーズかつ
完璧にできるのか?
という疑問点。
例えば停電でも起きたら翌日は
「全面運休」
にでもなりゃしないのか?と。
そもそも、
それほどの大規模な
充電設備をどうすんの?と。
何時間もかかる充電を
100台前後のバスに毎日365日、
スムーズにできますかね?と。
それに加えて
大量の電気をバス会社が、
事実上「大量占有使用」
するということは、
一般家庭の電気代の高騰にも
拍車をかけることに
なりゃしないのか?
これはバスだけじゃなくて、
トラック運送業界全般にも、
関わる大問題。

夜中の電気は安いは、
皆が使わないからであって、
使えば当然価値は変わる。
電力消費量もハンパなくなる。

結果としてバスに乗らない人たちが、
今までのように
「バス補助金の税金」に加え
+「バス会社の電気代」まで、
税金として負担することが、
おいおいバレてしまったときに、
問題になりゃしないのかと。
それよりも何よりも現時点において、
水素燃料の燃料電池バスとやらが、
あれだけ華々しく
スタートしていたにもかかわらず、
現在どうだろうか?ということも。
2030年までに水素バスをどんどん
国内に普及させたい国土交通省。
水素ステーションが続々と
増えるそうな。
でもって、
その一方で電気バスの普及を目指す?
とは支離滅裂で理解に苦しむところ。

ちなみに修理する交換部品も、
当然のこと中国製になるので、
最初のうちこそ「お試し価格」も、
普及するにしたがい、
否応なしに追々、
高額な部品交換になることは、
かつてフォルクスワーゲン社や、
オムニノーバ社といった、
ヨーロッパ系のタウンバスが、
黒船席捲した際、
どこのバス会社も皆、
痛い目に遭わされたこと、
もう忘れてしまったのだろうか?
特に大阪市営バスにおける
通称赤バスの惨状たるや、
当時の市バス幹部連中が、
どういう目に遭ったか(笑)

現在ほとんどの
日本のバス会社(公営も)は、
慢性的赤字経営であること、
コレもはや公然の秘密。
それでも公共交通機関であることで、
なんとか銀行の融資が受けられる故、
スグに潰れない状況ではあるものの、
常識的に考えて、
いつまでも
これでいいハズもなかろう。
そこへ更に無謀な追加投資とは・・・

次に、この路線バスでの
自動運転システムについて、
懐疑的というより批判的いや、
現実的にみる
現場の人たちのハナシから。

路線バスの自動運転化については、
まぁ無理だろうというのが、
一致している見解。
実際に平日の昼間、
郊外の街中を走る
路線バスに乗車すると、
乗客のほとんどが「老人」
であることに気づかされる。
そりゃそうで我が国は現在、
超高齢化社会の真っただ中。
当たり前っちゃ当たり前なハナシ。
ここに例の老人の
自動車運転免許返納問題が、
絡んでくる。
自動車運転免許を
返納してしまうと、
当たり前のことながら、
平均的額の年金暮らしの
殆どの人たちは、
生活の移動の足が、
路線バスに変わる。

そこで現在、
起きている大問題が、
老人の車内転倒事故問題。
これはもはや連日、
日常茶飯事のコトという。

「現役世代」の頃には、
全然へっちゃらだった、
バスの揺れも70歳をすぎ、
いや80.90歳のお年寄りも、
もはや当たり前の、
このご時世。
ちょっとした揺れでも、
簡単に転倒してしまい、
大ケガなんて事故が、
現在爆増中とのこと。

発進時、目的地到着直前、
走行中の移動によるケースが、
ほとんどという。
そのへんのハナシは、
国交省のホームページに詳しいので、
ここでは割愛。

そこで現在、
運転士たちは日々、
細心の注意を払いながら、
老人の乗り降りには
特に時間をかけ、
遅れ覚悟の減速運転するなどして、
事故対策に苦慮しているのが、
実際のところ。

その上で定時運行にも
努めなければならない。
遅れによる苦情が発生する。
回復運転も限界ギリギリを
狙うというから大変。
というようなコトを、
常時、
完璧な安全確認が出来なければ、
安全装置とやらが発動し、
なかなかスムーズに運行が
できないようなバスで、
定時運行を確保できるのか?
というのが現場の見立て。
運行時間を長めにすればイイ!
という単純なハナシではない。

でも中国では実際に、
自動運転のバスが、
運行しているという。
が、
これも聞けば、
遊園地の乗り物レベルの、
緩い路線とのこと。
時間に世界一厳格で、
異常なまでにうるさく、
その上、
お客様は神様です信仰が、
老若男女コッテリと、
脳みそに染み込んでいる、
クレーマー超大国の我が国では、
一事が万事、
しょっちゅう急停車を繰り返し、
まともに走れないバスを、
気長に乗るバカなど、
全利用者の10%もいるだろうか?
ということ。
優秀な技術者たちの間抜けなエゴに、
のんびりと付き合ってるほど
一般庶民はヒマじゃない。
それが答えかと。

よって我が国では、
自動運転の路線バスなど
通常運行での普及はしない。
これが結論。

理想と現実の厳しさナリ。

それでも国の政策目標として、
路線バスの自動運転化を
推し進めるんでしょうかね?

ということで全自動バスの夢物語も、
面白くて結構なハナシではあるものの、
問題は現在バス業界が
直面している最大の問題であり、
課題に対して、
どう対処し解決していくべきか。
最も重要なのはそこだろう。
優先順位として。

次に、
コロナ禍ならではなのか、
こんな話題も現場で聞かれるように。

観光バスや高速バスを
運行する各社は、
このコロナ禍で軒並み
「運休」だらけの憂き目に。

当然のことながら、
当該社勤務の担当運転士たちは
「開店休業」状態。
コロナ禍給付金や休業補償金での、
給与保障をもってしても、
現実には実質給与の大幅カットと
最初の頃こそ、
ここは我慢の時とばかりに、
辛抱していたものの、
このコロナ禍、
当初の予想を大幅に超えて、
2か月が半年、半年が1年・・・・
そして現在までに至ると。

となると、
前回から散々書いてきたとおり、
この業界の人たちの基本的な、
考え方というのは、
あくまで「走ってナンボ」という、
考え方。
労基違反など百も承知、
法定順守などクソくらえ!
まずは金が優先ナリなんて、
猛者も多数存在することを、
改めてここでも書いておきたい。

いわゆる「残業信仰主義」。

とにかく走って稼ぐ。
労働条件改善の基本給アップなんて、
夢物語にうつつを
抜かしている暇など、
ナイというのも、
この手の多くの
ドライバーたちの本音。

政府主導の働き方改革の
現実との捻じれを、
こういうところで見ることができる。

人手不足?
大いに結構なんて人も、
案外多いというのに驚く。
とはいえ、
業界全体的にはマズい。
このご時世にあって
イメージが悪すぎる。
いつまでもブラック業界という、
ある種の汚名を返上したいところ。
でないと、
いつまでたっても
現在のような慢性的人手不足が、
解消の方向へ向かわない。

ということで、
数社ながら「仕事がない」
バス会社と、
「慢性的な人手不足」
というバス会社の、
ミスマッチ解消として、
ワークシェアリングというのが、
始まったという。

これはバス会社だけに限らず、
コロナ禍で皮肉にも、
大繁盛にて人手不足の、
大手運送会社でも行われるように、
なっていると聞いて驚いた。

厚生労働省が音頭を取り、
補助金も国が負担するなどして、
これを推進しているそうで。

なるほど、
これで慢性的な人手不足で、
困っているバス会社と、
お金が必要なのに仕事ができない、
バス会社の運転士の人たちとの、
ミスマッチが解消ですな。
と聞けば、

これがまた、
そう単純なハナシにもいかないそう。

ではなぜ?これまで、
路線バスの運転士の人材派遣業が、
製造業や事務職のように
無かったのか?
ということに行き着く。

そこで改めて聞いてみるに
新参の人材派遣会社において、
路線バスの場合では、
収益とコストと、
リスクがまったく見合わない、
ということで、
これまで規制緩和されてきた
にもかかわらず、
参入する業者が現れなかった。
これが実情という。

ところが、
このコロナ禍で大手バス会社でも、
ワークシェアリングという方法にて、
他社への派遣業務を始めたと。
これならば仮に
「事故」を起こした場合でも、
事故後処理やメディア対応それと、
補償問題にも対応できるということ。
大手最大の強みを活かした、
新規事業ということになる。

しかし、
それはそれで、
派遣先に行く側の
運転士たちに言わせれば、
派遣で来たものの拘束時間の割に、
給料が安すぎて理不尽だといい。
受ける側の現場でも、
派遣の連中の方が給料が高いだの、
残業や休日出勤が激減して、
結果として仕事が奪われたとか、
思っていたほどwinウィンの関係に、
なっていないという。

そこで今後、
いや今の現在において
現場で心配されているのは、
ワークシェアリングという
新たなシステムが、
この業界でも
軌道に乗せることができた場合。
バス運転士の
フリーランス化ということが、
起きてしまうのではないか?
という新たな懸念。

一見するとフリーランスというと、
実力次第で収入がアップというのが、
イメージとしてあるものの、
それは高収入の医師とか
SEとか高収入組だけのハナシ。

元々、薄利多売のバス業界では、
それこそ「技術」の価格破壊化が、
促進されてしまい、
結果として
バスドライバーの羊頭狗肉化、
粗製乱造なんて状況に、
なりかねないだろうというハナシ。

超高齢化社会の我が国において、
この先、重要社会インフラの一旦を
担うであろうバス業界にあって、
運転及び接客技術力のスキルアップが
これまで以上に必須条件となるのに、
まるで反比例するかのように、
推移している現状。
これはバス業界だけに
限ったことではなくて、
実はバス業界で起きていることは、
この先、10年先いや数年先に、
その他の業界でも
起きる事象でもあること、
どれだけの人たちが
気づいているのやら。

先日の知床での
観光船事故をみてもわかる。
規制緩和して
新規バス業者が乱立した結果、
どういうことが起きたか・・・
それだけじゃあなくて・・・と、
散々、書いてきたこと、
ここの住人の方々なら
ご理解とご納得していただけるかと。

バスに乗る前に知っておくべきこと。

と同時に、
バス業界を観察していると、
この先、
わが国で何が起きるかを、
先どって知ることができること。
これを最後に書かせていただいて
駄文長文の締めとさせていただきます。
最後までお読みいただき、
誠にありがとうございました。
また今回のネタに関して、
情報提供いただいた、
各社の「スパイ」の皆さん(笑)
にもこの場をお借りして
御礼申し上げます。
m(__)m
PS.

ご近所ネタで、
つい最近の話ですが、
こんなコトが起きましたこと。
これも非常に面白い
事象のようなので
今後興味深くコッソリと
観察していきたいと思います。
これも一つの始まりかと。

ではまた次回にて。

コメント (2)
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