Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

§13「道は開ける」 デール・カーネギー, 1948.

2013-05-18 | Book Reviews
 とかく、ことさら能力開発を指向する本が多いなか、「道を開く」という能動的でなく、あえて「道は開ける」という受動的な題名の意図することは、道は必ず目の前にあるはずなのに、ちょっとだけ背伸びしてしまい、見えるはずのものが見えなくなるときにこそ足元を見つめよと示唆しているような気がします。

 昨日を悔い明日を憂うには、誰であろうとも身がもたない。ならばこそ一日の区切りで生きよ。一日の区切りで生きるのであれば、問題を先送りせずなおのこと、常に最悪の事態を直視せよ。

 とはいえ、その問題を手際よく表現するならば、じつは既に半分は解決されているはず。ひとは一度にひとつのことしか出来ない以上、ひとたび決断したならば実行あるのみ。経緯を悔い結果を憂うこと勿れ。其はかくのごとし、かくあらざるをえず、もはや動かしがたい事態に対して潔く従われんことを。

 これまでに読んだ、三島由紀夫(§7)や城山三郎(§5,6,11,12)が著した言葉が偶然にも、随所に表れることは興味深いものです。

初稿 2013/05/18
校正 2021/03/16
写真 どことなき日常に差す光
撮影 2013/04/20(東京・大手町界隈)

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