Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

§57「戦雲の夢」(長宗我部盛親) 司馬遼太郎, 1961.

2016-11-26 | Book Reviews
 田畑を耕す時でさえ、常に傍に置いた一揃えの鎧と槍声が掛からば、速やかに馳せ参じる半農半兵の兵士団のことを「一領具足」と、土佐では言うそうです。

 傭兵とは異なり、長宗我部家から与えられた土地を守り、自らが新たに開墾した土地を所有するだけでなく、戦いの働きによっては引き立てられる仕組みが類い希なる忠誠心と屈強な戦闘力を発揮したのかもしれません。

 関ヶ原の役以降、改易された長宗我部家復権の為に大坂に入城した盛親を筆頭とする約五千の遺臣団は真田丸や八尾といった局地戦における戦術的勝利をもたらしたにすぎませんでした。

 たとえ、豊臣家復権という戦略的勝利をおさめたとしても、時代の変化に対応し自らが変わらなければ、その存在は散逸せざるを得なかったような気がします。

初稿 2016/11/26
校正 2020/12/03
写真 たなびく松から望む浜辺
撮影 2011/05/07(高知・桂浜)
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♪24「Season's Greeting 〜2016秋」

2016-11-22 | Season's Greeting
 「Super Moon」

 楕円起動を描く月が地球に最も接近し、地球を挟んで太陽と一直線に並ぶとき、いつもより大きく見える満月のことだそうです。

 その満月が放つ必然的な光によってライトアップされた紅葉が散逸する瞬間、そういった様々な偶然の重なりに思いを馳せてみれば、「あぁ、綺麗だなぁ」と幸せな気分になりますよ。

 次の「Super Moon」は概ね1年後、またその時にこの空を見上げてみたいと思います。

初稿 2016/11/22
校正 2021/09/28
写真 満月と紅葉のコントラスト
撮影 2016/11/16(京都・高台寺)
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