Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

§88「豊穣の海(二)奔馬」 三島由紀夫, 1969.

2018-07-19 | Book Reviews
 「自らは誰であるか?」という根源的な問いの解は、自らの行動がもたらした結果に関して、その原因を意識することなのかもしれません。

 とは言え、自らが現実に存在しているにも関わらず、自らの存在理由や存在意義を認識できない心理的状態が〈不条理〉な状態なのかもしれません。

 〈不条理〉な状態からは、「手をこまねいて何もせぬ事は罪。寧ろ玉となりて砕くるとも、瓦となりて全かる勿れ」という行動を選択せざるを得ず、〈不条理〉な原因からは、〈不条理〉な結果のみが時間軸を越えて繰り返されるのかもしれません。

 「奔馬」とは、記憶を司る器官である大脳辺縁系に属する「海馬」が荒れ狂い、奔り抜ける暗喩のような気がします。

初稿 2018/07/19
校正 2020/10/10
写真 「世界連邦平和像」 北村西望, 1973.
撮影 2018/06/27(大阪・大阪城西堀)
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♪33「2018夏 Season's Greeting」

2018-07-01 | Season's Greeting
初稿 2018/07/01
校正 2021/11/14
写真 五年ぶりの東京
撮影 2018/07/01(東京・丸の内)
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