Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

#53「一 年 先」

2020-07-26 | Liner Notes
 一年先に延期された東京五輪。でも最近では、一年後に開催すべきという声よりも、コロナ禍の収束が見通せない以上は中止もやむを得ないといった声も聞かれるようになりました。

 私もそうですが、マスクをしてるとはいえ、敢えて言葉にせぬように、話題にも触れぬようにするだけでは禍から逃れることはままならないような気がしています。

 僕にとって隠れ家のように感じる古書店街・神田神保町。約半世紀ほど続いた老舗食堂が先月閉店しましたが、すぐ近くに暖簾分けした新規食堂が開店すると聞いて、一年先であってもその伝統の味は継承されそうです。

 逆境と言えど、その環境の変化をしっかり認識して、当たり前のことを当たり前に準備することが大切なような気がします。

初稿 2020/07/26
校正 2022/01/13
写真 キッチン南海
撮影 2028/06/26(東京・神田神保町) 

#52「御 留 山」

2020-07-21 | Liner Notes
 一人暮らしの長女と一緒に過ごす土曜日と都内の単身寮で過ごす日曜日。それぞれの場所でのウォーキングを通じて、いろんな事に気づかされます。

 将軍家の狩猟場だった由縁から御禁止山、御留山とも称された「おとめ山公園」かつて禁制とされた場も今は家族の憩いの場。でも、緊急事態宣言前に戻ったかのような光景が目に留まります。

 都道府県を跨ぐ移動自粛の解禁から1ヶ月。定義や判断はさておき、コロナ禍・第二波の到来をもはや認識せざるを得ないなか、もはや「ニューノーマル」という言葉さえも聞かれなくなったような気がします。

 ひょっとしたら、マスクをしてるとはいえ、敢えて言葉にせぬように、話題にも触れぬようにすることで、私もそうかもしれませんが、禍から逃れようとしているのかもしれません。

初稿 2020/07/19
校正 2022/01/12
写真 おとめ山公園
撮影 2020/07/19(東京・下落合) 

#51 「標 高 差」

2020-07-14 | Liner Notes
 コロナ禍・第二波の不安がよぎるなか、あらゆる社会経済活動は再起動を迫られ、軌道に乗せざるを得ないのかもしれません。

 長女が通う大学の部活動も一部再開。緊急事態宣言のおかげで始めたウォーキングをロ実に、できるだけ週末は一人暮らしの長女と一緒に過ごすように心がけています。

 いつものウォーキングコ一スから離れた、標高差約40m、周回約1.3kmの散策路とクロスカントリコ一ス。大陽の光と杜の織りなす影が歩くたびごとに微妙に変化し、鳥のさえずりも、どことなく立体的に聴こえるような気がします。

 足許がしっかりしたアスファルトの路と小石を踏んだ感触が足裏に伝わる赤土の路。

 同じ標高差であっても、リモートでは伝わりにくいリアルな感覚を研ぎ澄ますことができるのかもしれません。

初稿 2020/07/14
校正 2022/01/11
写真 こども動物自然公園 
  散策路・クロスカントリコ一ス
撮影 2020/06/07(埼玉・東松山) 

#50 「原 風 景(誕生花)」

2020-07-06 | Liner Notes
 約二週間前、都道府県を跨ぐ移動自粛の解禁に伴い、約四カ月振りに家族のもとへ。

 娘とママからの思いもよらぬ父の日のプレゼントを貰ってふと、娘に相談してみました。

「来週、ママの誕生日だけど何がいいと思う?」

 まだ子供だと思ってたけど、いつの間にか相談にものってくれる存在になったのかもしれません。

初稿 2020/07/06
校正 2022/01/10
写真 奇跡の星の植物館
撮影 2020/06/28(兵庫・淡路夢舞台)