Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

α5「MOMATコレクション」 2018.

2018-10-14 | Exhibition Reviews
 約13,000もの重要文化財を所蔵する東京国立近代美術館、通称MOMAT。常設展としてのMOMATコレクションは年に幾度かテーマに応じて約200点程を入れ替えて展示していて、希望があればガイドさんと対話形式の観賞ができます。

鏑木清方「鰯」?
加山又造「一九八四・東京」??
アントニー・ゴームリー「反映/思索」???
初めて聞く作者、初めて視る作品の数々

 私たちが経験したことのない昭和初期の暮らしを描いた日本画。私たちが経験している場所と空間を別の視点から描いた水墨画。私たちが体験する為に場所と空間を再構成させた鋳鉄製の彫像。

 懐かしさや郷愁という誰もが共感する連帯感。何げない景色のなかに誰もが存在しない緊張感。何げない景色に解釈を求めざるを得ない臨場感。

「芸術にとって美しさは大きな要素かもしれませんが、ご自身が視たものとの関わりかたがARTなんだと思います」

 ガイドさんの謙遜した言葉には妙に共感してしまいました。

(後記)ガイドさんは休日のみのボランティアで、普段はサラリーマンだそうです。

初稿 2018/10/14
校正 2020/09/26
写真 国立近代美術館, 1969.
撮影 2018/10/14(東京・北の丸)
期間 2018/10/6~2019/1/20
(MOMATコレクション)

§92「生き方」 稲盛和夫, 2004.

2018-10-14 | Book Reviews
 京セラやKDDIを創業し、JALをも再生させた著者が語った「人生・仕事の結果」=「能力×熱意×考え方」(→§91「働き方」稲盛和夫【2009】)の本質に迫る作品だと思います。

 運命は宿命にあらず、因果応報によって運命は変えられるはず。因果応報とは善き行いは善き結果をもたらすものであり、善き行いとは自らの欲を控え、思いやりのある言動を心掛けることに他ならぬこと。

 「動機善なりや、私心なかりしか」と自らを戒め、今日やったことを素直に反省し、明日やりなおそうと誓うことこそが失敗を回避することのみならず、善き行いに繋がるのかもしれません。

 とはいえ、善き行いが善き結果をもたらすには、時間がかかるからこそ、決して焦ることなく、愚直に、真面目に、地道に、誠実に取り組み続けることが大切だと思います。

初稿 2018/10/14
校正 2020/09/27
写真 水路閣, 1888.
撮影 2018/09/22(京都・南禅寺)

§91「働き方」 稲盛和夫, 2009.

2018-10-10 | Book Reviews
 「人生・仕事の結果」=「能力×熱意×考え方」

 努力によって能力は補えるかもしれないが、自分のことしか考えていなければうまくいくはずがないような気もします。

 ある書店で偶然にも手に取った本に、その言葉を偶然にも見つけたときの驚きと喜び。自らの生き方に影響を与える言葉は、懸命に探したところで、必ずしも見つかるわけではなく、ちょっとした偶然の巡り逢わせなのかもしれません。

 ところで、長女の小バレーチームの幟やティーシャツに、「努力は裏切らない」と刻まれていたのを思い出します。努力の目的が勝つことであれば、負けて怒られないようにする子もいるかもしれません。また、怒られないようにするには、取れるボールしか取らなくなるのかもしれません。

 当時のコーチ曰く、「最高のアタックを完璧にブロックされた時どうする?」、「悔しいと思うけど、凄いなぁ!と言えたら本物だよ」

 今の自分でさえも、そうは言えないかも知れないけど、そうありたいと思うことがあります。

初稿 2018/10/10
校正 2020/10/02
写真 水路閣, 1888.
撮影 2018/09/22(京都・南禅寺)