Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

♪64「あれから約二十年」

2024-07-07 | Season's Greeting
 コロナ禍によってテレワークが定着してきたとはいえ東京勤務が六年ほど経ちました。実は今月から約二十年ぶりのつくば勤務です。

 新婚生活を始めた街を歩くと、子供たちの成長の軌跡を思い出しながら、その生活を支えてくれた妻に感謝です。

 ところで、かつてそこに在ったものと、いまここに在るものが同じものもあれば、それがそうではないものもあって、眼に映る光景はどれもどことなく新鮮な印象です。

 ひょっとしたら、かつてがどうあれ、眼に映るありのままの姿そのものを、そのままに観ることが大切なのかもしれません。

初稿 2024/07/07
写真 H-Ⅱロケット(実物大模型)
撮影 2024/07/06(つくば・エキスポセンター)
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♪63「離れていても交わる世界」

2024-04-01 | Season's Greeting
 老いたふたりの〈世界〉に寄り添うべく故郷へ引越してからちょうど一年になりますが、引越後三日目から始まった父の入院と在宅介護に加えて、つい先日、母も一時的に入院することになりました。

 ちょうど一年という時期もそうですが、担当医の方と話すなかで、なにかしら示し合わせたかのような似かよった事象もあって、なぜかしら不思議さも感じました。

 ところで、桜の花が一年に一度だけ芽吹くように、ひょっとしたら、わたしたちの眼には見えぬなんらかの働きがそこに在るのやもしれません。

「早よ、逢いたいね」

 いま、それぞれにそれぞれの場所に居ながらも、元気そうに笑みを蓄えながらお互いに同じ言葉を語る姿を垣間見ると、そんなふたりだけの〈世界〉のありように少しだけ交われたような気がします。

初稿 2024/04/01
写真 父が学んだ旧校舎の傍に咲く桜
撮影 2023/04/01(佐賀・鯱の門)
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♪62「稜線を望む風景」

2024-01-01 | Season's Greeting
 昨年は、故郷である佐賀への引越しや長女の就職、そして年老いた父の介護など、家族にとって大きな節目だったと思います。

 そういった経験や様々な人との出会いなどによって、これまでの価値観そのものも少しづつ変わるものなんだなと感じます。

 ところで、幼い頃から眺めていた天山の稜線は〈わたし〉の原風景の一つ。その姿は変わることはないにせよ、空をたなびく雲の形や峰々を支える大地の彩りの移ろいは新たな印象や力を呼び覚ますような気がします。

 あらゆる景色は観る人によって様々かもしれませんが、稜線を望む風景は自らにとって二つとなく、今年も充実したと思える一年でありますように。

初稿 2024/01/01
写真「稜線を望む風景」
撮影 2023/07/30(佐賀・天山)
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♪61「それぞれのクリスマス」

2023-12-25 | Season's Greeting
  大切な人と過ごしたり、いつもどおりに過ごしたり、それぞれにとってそれぞれのクリスマス。

 12月25日はクリスマス。ごくあたりまえにそう思っていましたが、ウクライナでは例年1月7日だったクリスマスをロシアへの反発もあって今年は12月25日に変更したそうです。

 ところで、国や地域によっては信仰や政治などの影響があったり、人によっては日常の生活の違いがあったにせよ、それぞれにとってなんらかの記念日は大切なのかもしれません。

 高校卒業して約三十年、クリスマスをきっかけに老いた両親と家族と共に過ごした時間は、想い出に残る一日になったような気がします。

初稿 2023/12/25
写真 「想い重ねるクリスマス」
撮影 2023/12/17(東京・KITTE丸の内)
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♪60「となりあう世界」

2023-11-05 | Season's Greeting
 陽の光に照らされて朝靄が立ち込む季節になり、高校生のころ熱気球がごくあたりまえに空を彩っていたことを思い出します。

 もっと広い世界を夢見て故郷を出てから約三十年、あたりまえだと思っていた社会のありようや働き方も大きく変わり、"〈わたし〉が大切にしたいことはなにか"と考えるようになった気がします。

 ところで、コロナ禍もあって約四年振りに海外チームが参加するアジア最大級のバルーンフェスタ、約百機を超える熱気球が秋空を彩るなかで偶然撮った光景とネットで掲載されていたクルーの言葉が印象に残りました。

「ウクライナのバルーンを見ることで、わたしたちに何が起こっているのかを覚えていてほしい」※

 遠い海のはるかかなたで起きていることに思いを馳せて、そのバルーンを見る幾重の人々を観ると〈世界〉は必ずしもただ一つではなく、ひょっとしたら、となりあっているのかもしれません。

初稿 2023/11/5
写真「Slava Ukraini !」
引用 ※)佐賀新聞, 2023/11/02.
撮影 2023/11/3(佐賀インターナショナルバルーンフェスタ)
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