序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

稽古について4

2008-09-04 16:08:58 | 日記・エッセイ・コラム

Photo ここで当たり前の事を確認しておきましょう。

この記事を読んでいるあなたはまぎれもなくあなたですか?
あなた固有の名前を持ったあなたですか?
これまで生きてきた時間を持ったあなたですか?
そして生きてきた時間の中で培われたあなた固有の価値観を持ったあなたですか?
あなた固有の好き嫌いのあるあなたですか?

この素朴な質問に対して大多数の人はそれは当然わたしであると答えるでしょう。
そしてその答えは当たり前に正しいのです。

転じて台本における役とは何でしょう。
俳優が役を手に入れ台本を渡された時から、役から役者として生きようとするあなたに、当たり前の問いかけがなされているのです。

この台本を読んでいるあなたはまぎれもなくあなたですか?
役のあなたは固有の名前を持ったあなたですか?
役のあなたは、これまで生きてきた時間を持ったあなたですか?
役のあなたは、生きてきた時間の中で培われたあなた固有の価値観を持ったあなたですか?
役のあなたは、固有の好き嫌いのあるあなたですか?
役のあなたは置かれている状況を知っているあなたですか?知らないあなたですか?

役者が放つ台詞の第一声はこの様な問いかけの中で決まるのです。

決してこんな感じといったあいまいな所から発しているわけではないことを理解する必要があるのです。


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