第14場
駅での大立ち回りのその頃美代松では、圭吾と時江はなかなか来ない知らせに焦りを感じていた。
そんな二人に美千代は、二人が付き合った経過を語って聞かせる。
名門の老松の娘でいる孤独感と感じていた咲江と、歓迎されないよそ者として転校してきた圭介の似た者同士が仲良くなった事などを・・
圭吾と時江にとっては初めて聞く話ばかりであった。
折しも権藤金融の寛治が美代松へ向かっていた。
そこへ二 . . . 本文を読む
第13場
美代松での駆け落ち騒ぎの丁度その頃、濃霧の為運航中止になった空港から駅に駆けつけた咲江と圭介は人目を避けながら、急行列車の出発を待っていた。
急行の切符を取れた二人は出発まで外で時間をつぶす事にする。
入れ違いに二人を捜索していた橋南青年部の一同が集まるが誰も二人を発見できなかった。
一同に焦燥が走る。
そこへ君江が知り合いが咲江達を見かけたとの情報を持ってくる。
その情報に力を . . . 本文を読む
第12場
すっかり誤解の溶けた時江と圭吾の二人は美千代の計らいで美代松で会う事になった。
先についた時江は何時になく若やいだ調子で、美千代と大吉に揶揄われる程上機嫌であった。
其処へ血相をかえたスエが現れ時江に手紙を差し出し咲江の家出を告げる。
その手紙には駆け落ちして圭介と一緒になると書かれてあった。
悪化した母と圭吾の関係を悲観しての行動であった。
二人の関係を知らなかった驚く時 . . . 本文を読む
第10場
大吉によって知らされた圭吾と時江の過去の経緯と圭吾の時江に対する思いを知った美千代は、その橋渡しの役をしようと権藤寛十に掛け合う決心をして寛治に寛十と会う為のおぜん立てを頼む。
美千代 「老松の件の権藤金融の責任者はどちらさん?」
寛治 「ああ、老松の・・・俺はこっちの仕事には関わってねえよ」
美千代 「じゃ、寛十さんね」
寛治 「そういう事になるな」
美千代 「じゃ、寛十さんに至急 . . . 本文を読む
第9場
その夜。
美代松では大栄産業と権藤金融の探索話が盛り上がり、青年部一同の協力の下、調査が行われる事が決まった。
青年部が帰った後、一人引き返した来た圭介は、美千代に丁寧な別れの挨拶を告げる。それはまるで今生の別れの様であった。
店じまいをしている美代松に憔悴しきった時江が現れる。
時江の異変に気付いた美千代は何事かと問いただす。
時江は大栄産業の件を話し、老松 . . . 本文を読む