序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

劇団芝居屋第36回公演「通せんぼ横丁」第二場ー1

2018-11-27 20:21:55 | 覗かれる人生芝居
   夕焼けに染まりつつある「通せんぼ横町」と階段。    宮本太郎が来て規制線を怪訝に思い看板を読む。 太郎 「横丁が立ち退きだあ?・・・何だ、こりゃ。どういう事だ」      階段を下りて、店を見て回り張り紙に見入る。 太郎 「閉店ってどういう事だ、移転ってどういう事だ」     娘の美樹が来る。      美樹 「お父さん」 太郎 「おお、美樹か。なんだ、どういう事だ」 美樹 「な . . . 本文を読む

劇団芝居屋第36回公演「通せんぼ横丁」第一場ー4

2018-11-26 17:13:55 | 覗かれる人生芝居
一場ー3の続き。 努 「ええ。先生、照れ臭いのかおどけた口調で、これが最 後になるかもしれねえ、なんて縁起でない事仰いましてね。 何とか頼むのとの事でございました」 勝利 「江田君、宮本と光子さんとのいきさつは知ってるで しょう」 努 「ええ、まあ。お嬢様の美樹さんが八歳の時に先生、光 子さんと離婚なさってフランスに渡った事は」 勝利 「私と太郎と光子さんは同じ時間を共有してきたんで すよ . . . 本文を読む

劇団芝居屋第36回公演「通せんぼ横丁」第一場ー3

2018-11-25 15:28:35 | 覗かれる人生芝居
佐知そ見送った光子と勝利。 勝利 「この横丁は、結構客が付いていた様だけど、店を続 けるのを決めてるのは、サッチャンとこと「やんべえ」だけ ですか?」 光子 「今んとこ店を出そうとしてるのはそうみたいね。場 所の問題もあるし、また一からっていうのは結構きついから ね」 勝利 「そうですね。若い人達は大体が居抜きで始めた人ば かりですからね」 光子 「瑠璃の美子ちゃんは結婚するって言ってたわ . . . 本文を読む

劇団芝居屋第36回公演「通せんぼ横丁」第一場ー2

2018-11-24 14:19:28 | 覗かれる人生芝居
佐知はすでに通せんぼ横丁を出てランタン通りに自分の店を作っていた。 佐知 「ああ、カアサン。あたし、大工さんに三時のお茶出 さなきゃならないからちょっと失礼するわね」 バックを持ってくる。 光子 「ああ、そう。どう、店の出来は」 佐知 「すんばらしくなってるわよ。ほら大家の倉本の爺さ んが頑張ってごねてくれたんで、立ち退き料が割り増しに なったじゃない。その分つぎ込んでるんだものそうで . . . 本文を読む

劇団芝居屋第36回公演「通せんぼ横丁」第一場ー1

2018-11-23 22:23:06 | 覗かれる人生芝居
第一場 片付け・午後2時 生活の気配が消えた「通せんぼう横丁」。      遠くで街頭放送のチャイムが響き渡る。 アナウンス 「本日の海上花火大会は予定通り午後8時30 分から午後9時に取り行います。どうぞ、ご家族でお楽しみ ください」 移転期限日を一週間後に控えた通せんぼ横丁。 この横丁の常連客の市役所の区画整理課に勤務する鈴木誠二が初めて制服姿で状況確認に来る。 . . . 本文を読む