序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

運動会

2011-10-11 16:07:40 | 日記・エッセイ・コラム

体育の日の昨日、孫の幼稚園の運動会がありました。

妻は運動会の開始前にいそいそと娘夫婦のもとに行き場所取りなどで孫にアピールしたようです。

私と言えば、妻の様に孫の成長に目じりを下げ素直な気持ちで喜ぶというのも何となく気恥ずかしい気持ちもあり、またある思惑もあって一時間ほど時間をずらしていきました。

天候にも恵まれ雲一つない青空が広がっていました。

絵に描いた様な運動会日和です。

規模が小さいのでグランドを持たないその幼稚園は、近くの小学校のグランドを借りて運動会を行います。

行ってみると、グランドを通常の半分ほどのスケールで使っていました。

そりゃそうです、子供達はまだ走るという行為もその体をなさないほど小さいんですから。

フィールドを挟んでも子供達と観客席までの距離はとても近い。

そんな訳で、私の思惑通り事は進んでいると思っていました。

たぶん彼女(孫)はなかなか来ないジジ(私)を心配して今か今かと持ち詫びているに違いない。

そこへ私が登場すると彼女はジジを発見して破顔一笑。

これが私の描いた絵。

ところが現実は厳しい。

私が妻たちの歓迎を受けて、いざ彼女に意気揚々と合図を送っても、こっちを見ようともしません。隣の友達と興奮してふざけあっています。

「何やってるこっちを向きなさい。ジジが来たんだぞ。隣の子とふざけるのは何時でもできるから、こっちを向きなさい!」

これは心の声。

とうとう、昼休みの食事の時間まで私がいる事を知らずじまい。

妻に聞くと、ついさっきまでこちらに向かって手を振っていたとか。

と、私の演技プランは見事にすかされました。

普段私が役者たちに言っている、「自分の都合に相手を合わせた考えは現場では通用しないよ」という事を改めて実感した次第です。


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