・もらうものなら藜( あかざ )でも。
漢検協会 完全征服より
レイ
あかざ
藜
【解字】形声。艸+黎。音符の黎レイは、きびの意味。きびの穂のような、つぶ状の花をつける、あかざの意味を表す。
- あかざ。草の名。
- 黒い。
<新漢語林より>
アハハハ。
『貰う物は夏も小袖』
というのもありました。
藜はなかなか嫌われ者のようですね。
『藜アカザの羹アツモノ』
アカザの若葉を具とした吸い物。転じて、粗食。
粗末な食べ物、粗食の代表選手であり、飽食に対する戒めのシンボルとして使われているようです。
完全征服の音読みでも、
・足るを知る者は藜羹( れいこう )も膏粱よりも旨しとする。
出典は、菜根譚。
菜根譚(さいこんたん)は、中国の古典のひとつであり、人生の指南書ともいえる名言が多い。中国の処世哲学書。
【菜根譚 概論167項】
貪得者分金恨不得玉,封公怨不授侯,權豪自甘乞丐;
知足者藜羹旨於膏梁,布袍暖於狐貉,編民不讓王公。
貪欲な者は金を分けてやると玉を貰えなかった事を恨み、公爵の位を授けられると領地を持っている諸侯に任ぜられなかった事を怨む。このような大きな権力を持ちながら、自分から乞食の心に甘んじている。
足るを知る者は「あかざのあつもの」のような粗末な食事でも美味いと思い、粗末な綿入れ服を着ていても、毛皮のコートより暖かいと思っている。このような貧しい民百姓でありながらも心は王侯より勝っている。
※訳はこちらのページを参照させていただきました。
翔翔閃閃梦之天 http://www001.upp.so-net.ne.jp/tomiyan/saikon24page.htm
同じ菜根譚で
【菜根譚 後集87項】
神酣、布被窩中、得天地冲和之気。
味足、藜羹飯後、識人生澹泊之真。
神酣なれば、布被の窩中にも天地の冲和の気を得。
味足らば、藜羹の飯後に人生澹泊の真を識る。
精神が充実していれば、布製の粗末な寝具でも大自然の調和した真気を得る事が出来る。
味覚に満足していれば、雑穀の粗末な食事でも人生のさっぱりとした真実を知ることが出来る。
つまり、物の豊かさと心の豊かさは全く相関しないということ。
言換えれば、達人とは、欲望を捨て去ることにより得られる「大安心」を得ている人と言えるだろう
※訳はこちらのページを参照させていただきました。
菜根譚 超訳 http://www.saikontan.net/choyk/
また、検定に良く出ることわざとして、
・藜羹( れいこう )を食らう者は大牢の滋味を知らず
[王褒]
羹藜唅糗者,不足与论大牢之滋味。
粗食に慣れた者にはごちそうの味がわからない。つまらない人間には高尚なことや重大なことは理解できないことのたとえ。
大牢=ごちそう
あかざ 【藜】 Wikipedia
アカザ科の一年草。空き地や路傍に生え、高さ約1.5メートル。茎は堅い。葉はひし形に近い卵形で、縁は波形。若葉は紅色をし、食べられる。晩夏、黄緑色の小花が穂状に密生する。中国の原産。近縁種にシロザがある。アカザ科の双子葉植物は、草原、荒地、塩分の多い土地などに生育し、ホウレンソウ・アリタソウなども含まれる。
天ぷらならイケるかな。。