特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

33年ぶりに“翼を畳んだトクスリ(鷲)”

2005-03-08 22:48:38 | 韓国留学記
 晴れ。最低気温1度。最高気温9度。夜でも手袋がいらない暖かさ!嬉しい!

 韓国の「慶応」、「早稲田」と称されている「延世(ヨンセ)」そして「高麗(コリョ)」にはそれぞれ大学のシンボルマークがある。「延世」は「トクスリ(鷲)」、「高麗」は「ホランイ(虎)」がそれだ。私の家の近所の「延世(ヨンセ)大学」の正門前には「トクスリ薬局」とか「トクスリマート(コンビニ)」、「トクスリ印刷」など屋号に「トクスリ」を冠したお店がやたらと多い。

 そういえば1988年に開催された「ソウルオリンピック」の際には年号の88を韓国語読みした「パルパル」という名前を使ったお店が韓国全土に溢れた。「パルパル食堂」、「パルパル娯楽室(ゲームセンター)」、「パルパル美容室」、「パルパル洋品店」、「パルパルスーパー(雑貨屋)」、「パルパルサウナ」など、ありとあらゆる物に「パルパル」が冠してあった。それ自体が時代の最先端を象徴するものであった。因みに今もソウルの街中を走っている車体がシルバーの「タクシー」はソウルオリンピックを前に走り始めたので、当初は「パルパルタクシー」と呼ばれていた。

 三年前の「日韓ワールドカップ」の前には「ワールドカップ」や「2002」などを冠したお店も登場したが、「パルパル」ほどには浸透しなかった。商標権の問題などもあるだろうが、「パルパル」に比べると字数も多いし、語呂や響きも悪いからだろう。そして何よりオリンピックと同じように「ワールドカップ」が終わった途端にその“輝き”を失い、一夜にして“古臭く”なってしまうというのが一番の原因と思われる。

 1971年、「延世(ヨンセ)大学」の正門にほど近いところに二階建ての「トクスリタバン(喫茶店)」がオープンした。七、八十年代は「新村(シンチョン=延世大学がある学生街)」の“文化発信基地”の役割を担うランドマーク的な存在だった。その「トクスリタバン」が“33年の歴史に幕を下ろした”そうだ。昨年六月に廃業届けを出していたことが、今月四日になって明らかになったと新聞各紙が報道した。

 「トクスリタバン」は1998年に8階建ての商業ビルに生まれ変わったと同時に二階のフロアで営業を再開した。ガラス張りの明るい店内に昔の面影はないが、“待ち合わせ場所”としての役割は果たしていた。しかし最近の「スターバックス」「コーヒービーン」などの本格的なコーヒー専門店の相次ぐ国内出店攻勢にはさすがの“トクスリ(鷲)”も勝てなかったというわけだ。

 韓日辞典で「タバン」を引くと「喫茶店」という日本語訳が載っている。しかし日本でも「喫茶店」という言葉自体にどこか“店全体に紫煙が漂い、クッションの全く効かなくなったソファーが並んでいて、何年前からそこに置いてあるか定かでないマンガ雑誌や週刊誌が、店の片隅に無造作に積んであるような「陰鬱な」イメージ”があるのと同様に、今どき韓国で「タバン」という言葉を使う人はかなりの年配の方だけだ。最近は「コーヒーショップ」というのが一般的である。

 「タバン」とは「茶房」の韓国語読みだ。
 また一つ韓国から「タバン」が消えた。韓日辞典や韓国語の教科書からも「タバン」という言葉が無くなるのも時間の問題だろう。

 今日は私が韓国で通っている大学附属病院の教授に紹介していただいた「ダンワールド」という体内の「気」の循環を活性化させ、心と体の本来の機能を取り戻すという修練場に行って来た。私のような“うつ病”などの精神疾患、体力増進や集中力・記憶力の向上に効果があるという。初めは「変な宗教団体か?」と勘繰ったが、宗教団体とは全く関係が無いということなので安心した。会費が高いので入会するか迷いに迷ったが、最近の体調不良を一日も早く解消したいので、とりあえず試しに三ヶ月通ってみることにした。果たして効果やいかに?日曜日にお目にかかったK先生も「ダンワールド」の会員で体調が良くなったとおしゃって、「だまされたと思って三ヶ月通ってみたら?」と勧めて下さった。

 スポーツクラブと並行して、無理せず体調を整えようと思っている。夕方スポーツクラブで有酸素運動と軽くトレーニングをして汗を流した。

 昨夜、下の階のIさんが遊びに来た。私の体調を案じて祈ってくれた。感謝、感謝!お陰で今朝は気分良く目覚めることが出来た!!

 写真は「トクスリタバン」が入っていたビル。二階の看板の一番左に“SINCE1971”という緑の文字がある。そのすぐ右側に「トクスリタバン」という赤い文字が五つ並んで残っている。

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