晴れ最低気温-4.9度。最高気温1.1度。風もあり、久しぶりに寒さが戻る。
延世(ヨンセ)大学の学生会館に巨大なムンクの代表作である『叫び』が掲げられていた。 そこには“2006年学費12%値上げ!”という巨大なハングル文字が踊っている。
今朝(2/2)のラジオニュースでソウルを中心とした有名大学(ソウル大学などの国公立も含む)で軒並み10~20%の学費の値上げが行われ、ついに大学の授業料が年間1,000万ウォン時代に突入したという報道がなされていた。1,000万ウォンといえば現在の為替レート(100円=820ウォン)で換算しておよそ120万円である。もちろん学科によって違いがあるだろうから、すべての学科の授業料が年間1,000万ウォンになったわけではない。しかし、少なくとも1,000万ウォンに近づいたことだけは確かだろう。
ちなみに昨年(2005年)の第1~4四半期における一ヶ月あたりの平均所得を見てみると、大都市圏の労働者の場合が329万1千200ウォン(およそ40万円)。単純計算で年間480万円だから、実に年収の1/4が大学の学費として消えることになる。もちろん、これ以外にも教科書代や実習費などさまざまな費用が必要なことは言うまでも無い。
一方、農村地域となると事態は更に深刻である。2004年末の資料によれば、農村地域の一世帯あたりの年間平均所得は2千9百万1千ウォン(およそ353万7千円)とのこと。年収に占める大学の学費の割合は1/3を超えてしまう。しかも農家の場合、一世帯あたり平均2千689万2千ウォン(およそ328万円)もの負債を抱えているのだ。
「昔は『子どもを大学に進学させるために牛を売った』という話しを聞きましたが、今や『子どもを大学に進学させるために家を売らなければならない』という時代がやって来ましたね」というコメンテーターの言葉が切実に感じられた。
ちなみに韓国の大学は各学期ごとに学費を納めるという方式を採っている。つまり2学期制である大学では年に二度学費を納める必要がある。しかも、入学時に予め毎年納めなければならない学費が告知される日本と違って、各学期が始まる直前に大学から送られて来る払い込み用紙などを見て初めて学費がわかるというのが普通だ。しかも不思議なことに学費は学期ごとに必ず値上げを繰り返す。しかし値上げ幅はもちろん、何を基準に値上げしたのか納得のゆく説明はされないことが多い。韓国の大学生たちは自分たちの在学中にどれだけの学費を幾ら払えば良いのかはもとより、次の学期の学費さえ一体幾らなのかも直前まで判らないのだ。
男子は徴兵制度があり、在学中に長期間の休学を余儀なくされるため日本と単純に比較することはできないが、学歴至上主義の韓国社会が招いた弊害の一つと言えるかもしれない。
最近ある地方大学が、日本と同じように在学中に納める授業料を事前に告知するという試みをしたとのこと。すると、以前に比べて志願者が増えたと同時に大学側と学生側とのもめごともすっかり解消されたそうだ。他の大学も学費の値上げ競争にばかり躍起になっていないで、少しは見習ってもらいたいものである。
延世(ヨンセ)大学の学生会館に巨大なムンクの代表作である『叫び』が掲げられていた。 そこには“2006年学費12%値上げ!”という巨大なハングル文字が踊っている。
今朝(2/2)のラジオニュースでソウルを中心とした有名大学(ソウル大学などの国公立も含む)で軒並み10~20%の学費の値上げが行われ、ついに大学の授業料が年間1,000万ウォン時代に突入したという報道がなされていた。1,000万ウォンといえば現在の為替レート(100円=820ウォン)で換算しておよそ120万円である。もちろん学科によって違いがあるだろうから、すべての学科の授業料が年間1,000万ウォンになったわけではない。しかし、少なくとも1,000万ウォンに近づいたことだけは確かだろう。
ちなみに昨年(2005年)の第1~4四半期における一ヶ月あたりの平均所得を見てみると、大都市圏の労働者の場合が329万1千200ウォン(およそ40万円)。単純計算で年間480万円だから、実に年収の1/4が大学の学費として消えることになる。もちろん、これ以外にも教科書代や実習費などさまざまな費用が必要なことは言うまでも無い。
一方、農村地域となると事態は更に深刻である。2004年末の資料によれば、農村地域の一世帯あたりの年間平均所得は2千9百万1千ウォン(およそ353万7千円)とのこと。年収に占める大学の学費の割合は1/3を超えてしまう。しかも農家の場合、一世帯あたり平均2千689万2千ウォン(およそ328万円)もの負債を抱えているのだ。
「昔は『子どもを大学に進学させるために牛を売った』という話しを聞きましたが、今や『子どもを大学に進学させるために家を売らなければならない』という時代がやって来ましたね」というコメンテーターの言葉が切実に感じられた。
ちなみに韓国の大学は各学期ごとに学費を納めるという方式を採っている。つまり2学期制である大学では年に二度学費を納める必要がある。しかも、入学時に予め毎年納めなければならない学費が告知される日本と違って、各学期が始まる直前に大学から送られて来る払い込み用紙などを見て初めて学費がわかるというのが普通だ。しかも不思議なことに学費は学期ごとに必ず値上げを繰り返す。しかし値上げ幅はもちろん、何を基準に値上げしたのか納得のゆく説明はされないことが多い。韓国の大学生たちは自分たちの在学中にどれだけの学費を幾ら払えば良いのかはもとより、次の学期の学費さえ一体幾らなのかも直前まで判らないのだ。
男子は徴兵制度があり、在学中に長期間の休学を余儀なくされるため日本と単純に比較することはできないが、学歴至上主義の韓国社会が招いた弊害の一つと言えるかもしれない。
最近ある地方大学が、日本と同じように在学中に納める授業料を事前に告知するという試みをしたとのこと。すると、以前に比べて志願者が増えたと同時に大学側と学生側とのもめごともすっかり解消されたそうだ。他の大学も学費の値上げ競争にばかり躍起になっていないで、少しは見習ってもらいたいものである。
それにしても、韓国の学歴至上主義はいかがなものでしょうね。
私の友達も30近くまで学生やっている人がゴロゴロいます。
ただでさえ少ない人口で若者が働かない、働けないこの状況は、GDPを下げる一方だし何しろ経済の縮小化につながると思うんですけどネェ~。
まぁよその国のことと言ったらそれまでですが、大好きな国なので問題が深刻化する前になんとかならんでしょうかねぇ。
って、もう深刻化してますけどね・・・
それにしてもカルビさん、今まで日本に居たんですか?更新が無かったので心配しました
同感です!
ドル安ウォン高基調を反映してか、先日のニュースによるとソウルはアジアで三番目に物価が高い都市だそうですね。
せっかく景気が上向いてきたと思ったら、公共料金の値上げが相次いで発表されました。電気、ガス、タクシーそして高速の通行料…。韓国はほとんど予告なしに突然「来週から」とか「来月から値上げします」と平気で言うので本当に困ります。
日本でも問題になっている“社会の格差”ですが、韓国は“両極化”がより一層深刻化するのは確実です。
ソウルには先月末に戻ってきたのですが、あれこれバタバタしておりまして…。ご心配をおかけしました。
先日のソルナル、地方の親戚の家に行って来たのですが、実際二人の娘を勉強させるために隣の町へ引越した(家賃節約のため)という話題や、30歳超えてまた学校に通いだし、教員免許取得のため親のお世話になってる人もいました。なんとも悪循環、よろしくないと思います…。
私は韓国の大学生に強く言いたい!「大学院は“ビール”じゃないんだぞ!」それに「高学歴=仕事が出来る」という幻想は捨てるべし。
少子高齢化の波が日本よりも急速に広まりつつある韓国。これから何年かしたら全員が“院卒”になってしまうのではないでしょうか?