特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

カルビ『源氏物語』に目覚める

2005-08-24 20:18:07 | 韓国留学記
 曇りのち雨。最低気温16.5度。最高気温23.6度。日本列島に接近しつつある台風十一号の影響か、夕方から風が強まる。
 
 人間の体の中には極めて僅かながら電気が流れている。そして自然界には磁力が存在している。通常、自然界に存在する磁力は我々人間の体に影響を与えないが、曇りや雨など天気が崩れると、磁力が歪んで人体に少なからず影響を与えるそうだ。だから曇りや雨の日、ましてや台風が迫っている時など何となく体調が優れないという人が増えるのは当然のことである。気圧の変化も無視できないだろう。

 朝六時だというのに窓の外が普段より薄暗い。ロールスクリーンをカラカラと巻き上げ、窓の外を見ると空には今にも泣き出しそうな厚い雲が張り出していた。
 そんな天気のせいだろうか、今日は一日中落ち着かなかった。日本の友人から頼まれていた手紙の韓国語訳に取り組んだものの、思うように韓国語の単語が出てこない。それ以前に日本語の原文の意味を把握する作業に手間取った。口語体で書かれた、かなりくだけた内容の手紙だからなおさらである。一時間もあればおおよそ終わると考えていたのに、気がついたらお昼を回っていた。
 気分転換に近所のへ昼食を摂りに出かける。お腹が満たされたところで再度翻訳に取りかかり、終わった時には午後三時近かった。

 翻訳した文章は手紙と同じで、ある程度時間を置いて読み返す必要がある。特に韓国語への翻訳の場合はネイティブチェックも必要だ。しばらく寝かす。

 さすがに疲れたので気分転換。日本語の本でも読もうと国際交流基金資料室へ出掛けた。天気が悪いので空(す)いてるかなと思ったが、見事に込んでいた。いつもは日本語教育関連の資料を探すのだが、今日のところは思いっきり趣向を変えて、普段は絶対に読まないであろう古典文学『源氏物語』(注意:♪音楽が流れます)を借りた。とはいっても、原典を読んで理解出来る高尚な知識は全く持ち合わせていないので、先週テレビでお見かけした瀬戸内寂聴(せとうちじゃくちょう)さんの手による現代語訳版である。『源氏物語』は古典の教科書で読んだことがあるだけで、真面目に読んだことなど今まで無かった。
 家に帰って読み始めたら実に面白い。もちろん現代語訳というせいもあるだろうが、恥ずかしながら『源氏物語』がこんなに面白いとは思ってもみなかった。九十年代末に日本国内で『源氏物語』ブームが巻き起こったが、その時何でこの本を手に取らなかったのだろうか?今さらながら後悔している。お隣の国、韓国に来て日本の古典文学の面白さを知るなんて。何とも皮肉な話しである。


 写真が今日借りてきた本。瀬戸内寂聴(せとうちじゃくちょう)訳 『源氏物語』新装版(一) 講談社刊(2001年)
 やりたいこと、やらなければいけないことは目の前に山ほどあるのに、今も早く続きを読みたいとウズウズしているカルビである。
 
 夜に入り、雨足も徐々に強まってきたようだ。

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2 コメント

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わかりますそのきもち・・ (こぐま)
2005-08-26 12:58:26
>やりたいこと、やらなければいけないことは目の前に山ほどあるのに、今も早く続きを読みたいとウズウズしているカルビである。



やらなくちゃいけないことがある時ほど、読みたい本があるんですよね~



わたしも「源氏物語」好きです。わたしの場合は、高校のころはやった漫画「あさきゆめみし」が最初でした・・でもそれで興味をもって、古文の点数も良くなり・・

何が入り口になってゆくか、わからないもんですよね~
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今日もウズウズ (特上カルビ)
2005-08-26 23:19:16
 「あさきゆめみし」知ってます!こぐまさんのように漫画を通して古文や歴史に興味をもたれた方は沢山いらっしゃるでしょうね。

 それにしても、忙しい時ほど読みたい本に出逢ってしまうというのは不思議です。

 『源氏物語』は家で読み始めると他のことに全く手がつかなくなくなってしまいそうなので、移動中の電車やバスの中、そして待ち合わせの合間など時間をみつけては少しずつ読み進んでいます。

 もう少し早くこの本を読んでいたら、私の読書の幅も大分広がっていたかも知れません。やっぱり本は良いですよね!
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