特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

求む!寛容な心の持ち主

2005-03-22 23:02:05 | 韓国留学記
 雨のち曇り。最低気温3.9度。最高気温14.3度。

 ソウルもすっかりも春めいて来た。

 韓国には幸い「スギ花粉症」なるものは無い(と思う)ので鼻水や目のかゆみ等に悩まされる心配はない。しかしながら最近マスクをしている人が多い。まず第一に、季節の変わり目で風邪が流行っている。そして第二に、最近やたら埃っぽいのだ。ソウルの街全体が霞んでいる。日中、家のベランダから見える近くの山も、最近は稜線がはっきりしないことが多い。
 今までは冬のひんやりと澄んだ空気だったのが、春の暖かい空気に入れ変わった証拠だろう。

 今日は延世(ヨンセ)大学の「韓国語学堂」の修了式だった。私が修了したのが2002年の3月だったので、もう3年も経つわけだ。時が流れるのは実に早いものだ。皮肉なことに年齢(とし)に比例して時間も早く流れてゆくような気がする。「韓国語学堂」の修了式には、時間さえあれば参席していた。自分が修了した時のことを思い返し、気持ちを“リフレッシュ”することが出来るからだ。それに、韓国語を学んだ外国人や在外韓国人が自国の伝統衣装で出席したり、韓国の伝統衣装である「チマ・チョゴリ」や「パジ・チョゴリ」といった「韓服(ハンボク)」を身にまとっている姿は、なかなか他では見られない光景だ。

 延世(ヨンセ)大学はもともとプロテスタント系の神学校なので、修了式では賛美歌を歌ったり、牧師先生による聖書の朗読や短い説教そして祝祷(しゅくとう)などが行われる。信仰を持たない日本からの留学生の多くは戸惑ったりするが、それはそれで修了式自体はとても良い。

 今日の修了式には残念ながら出席できなかったが、今回も多くの人が「語学堂」を巣立ち、韓国内の大学や大学院へ進学したり、世界各地へと旅立って行ったことだろう。韓国での経験を生かして、様々な分野で大いに活躍して欲しい。

 今日の「朝鮮日報」のA2面に『独島(トクト=竹島の韓国での名称)が韓国の領土であることは世界が知っている』というタイトルの写真記事が掲載されていた(写真)。ご覧のように、韓国ソウルにある「中央(チュンアン)大学」の留学生達がそれぞれの母国語で「独島は韓国領」と書いた紙を持って笑っている。果たして、日本人留学生はどうしているのだろうかと気になった。ソウルにある大学で日本人留学生が一人もいないとは考えられない。この記事には「中央(チュンアン)大学は韓国の社会と文化を世界へ正しく伝えるという趣旨で33名の留学生を“広報大使”として選抜した」という説明もあるのだが、日本人留学生は一人も選抜されなかったのだろうか?まさか日本人留学生だけ「竹島は日本領」と書いた紙を持って笑っていたとしたら、かなりの兵(つわもの)だ。同じ日本人留学生として、是非一度お目にかかりたい。

 でも、多くの日本人が「竹島問題」に関心が無いのが実情だから「独島は韓国領」と書いた紙を持って微笑んでいるかも知れない。もしそうなら、せめて「竹島は韓国領?」と書くぐらいの“遊び心”を持っていて欲しいし、それを見ても、笑って許してくれる“寛容な心の持ち主”が、ここ韓国に一人くらいはいてくれることを望むばかりだ。