特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

見えなければ、それで良い?

2005-03-02 21:37:56 | 韓国留学記
 雪のち晴れ。最低気温-1度。最高気温4度。

 韓国では日本より一足早く今日から新学期。各学校では入学式や始業式が行われる。会社へ初出勤という人も少なくないだろう。そんな今年の三月二日は大雪で始まった。

 交通情報では大雪のため市内各所でスリップによる事故が多発しているので「マイカーでの出勤は控えるように」と呼びかけていた。私の家のベランダにも三~四センチほど積もっていた。金浦(キンポ)空港を発着する国内線の航空機も欠航便が相次いだらしい。国際空港のある仁川(インチョン)にも「大雪警報」が出されていた。

 ラジオニュースを聞いていたら、今日(3/2)から「シートベルト着用」と「停止線遵守」の集中取り締まりが行われるとのこと。そのニュース原稿を読み終えたアナウンサーのコメントに驚いた。「シートベルト着用の取り締まりはできても、この雪では道路の停止線が見えませんから、停止線遵守の取り締まりは無理ですね」とのたまったではないか。私は思わず「アナタ、それは違うでしょう!」とラジオに向かって一人“突っ込み”を入れてしまった。
 
 確かに今朝の積雪量を考えれば、停止線はおろかセンターラインも見えないかも知れない。しかし、停止線で車を停めるのは交通安全上、最低限のルールでありモラルだろう。

 ソウル市内の交差点では、交差点内に車が進入したまま信号が赤になり、交差する道路の信号が青になっても車が前に全く進めず、大渋滞を引き起こしているという光景は決して珍しくない。全ては「自分さえ良ければ」という自己中心的な考えに起因した“交通モラルの低さ”にある。

 「シートベルト着用」も「停止線の遵守」も本来は運転者自身と同乗者、そして何より歩行者の“生命(いのち)を守る”ためのものだ。「雪で停止線が見えないから」という理由で、停止線を守らない運転者がいたとすれば、韓国の警察は一般市民に相当ナメラレテいるとしか思えない。

 シートベルト未着用で取り締まりに遭ったら、運転手は言うだろう「私の目にはシートベルトが見えなかった」と。

 もし、先のコメントがアナウンサーなりの“皮肉たっぷりのジョーク”だったとしても、日本だったら“抗議の電話が殺到”するのではないだろうか?「車優先社会」である韓国ならではの“ナイスコメント”だと言えるだろう。

 「“停止線”雪が積もれば“停止せん”。こりゃまた、お後がよろしいようで・・・」

 写真は家の近所の学校前にある「交通安全標識に注意しましょう」という看板(かなりクタビレテいる)。