特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

ソウル駅で

2005-03-13 15:31:16 | 韓国留学記
 晴れ。最低気温-5度。最高気温3度。

 昨夜布団に入ったのが深夜二時過ぎにもかかわらず、今朝は五時半に目が覚めた。

 シャワーを浴びて、身支度を整えていたらまだ七時半だったので今日も九時からの二部礼拝に出た。家の近所のバス停でバスを待つ。空気はひんやりとして、肌を刺激するが日なたに出ると朝陽が何とも心地よい。

 今朝は「光化門(クゥァンファムン)」を起点としたソウル市のマラソン大会があるので、市の中心部の幹線道路で交通規制が行われていた。参加ランナーもかなり多いようだった。皆、思い思いにストレッチングなどをして体を温めながらスタートを待っていた。

 ハ・ヨンジョ牧師先生の語られるメッセージはとても良いのだが、ビデオ録画による説教だったので、礼拝堂の照明が暗く落としてあり、睡魔との闘いだった。特に昨日あたりから喉の具合が思わしくないので、抗うつ薬に加えて一般の風邪薬も併せて服用していたせいもあったのだろう。説教が終わってからの賛美は眠気覚ましに、普段より大声で歌った。神様の恵みに与り、心満たされる。礼拝終了後、教会へ行く途中にコンビニで“仕入れておいた”おにぎりとサンドイウィッチで早めの昼食。

 午後一時五十分の日本語礼拝まで二時間以上あったので、市内の書店に行く。今年の初めに韓国でも公開され、話題になった『世界の中心で愛をさけぶ』と来週の土曜日(3月25日)にいよいよ公開される『いま、会いにゆきます』の原作本(もちろん韓国語版)が平積みで並んでいた。

 お昼の十二時半を回ったので、再び教会へ向かう。「ソウル駅」で一号線から四号線に地下鉄を乗り換える時にふと思った。なぜ駅名が「ソウル」ではなく「ソウル駅」なのだろうか?「東京駅」の駅名表示は「東京」だけだったと思う。「渋谷」も「新宿」も「池袋」もそれぞれ「渋谷駅」、「新宿駅」、「池袋駅」とは言うけれど、正式には「駅」を除いた「地名」だけだ。

 記憶は定かではないが、韓国第二の都市「釜山(プサン)」の駅名は単に「釜山」だけだったような気がする(もしかしたら“地下鉄”では「釜山駅」で“国鉄”だけが「釜山」だったかも知れない)。

 「ソウル駅」を韓国語では「ソウルリョク」という。英語表記は「Seoul Station」だ。しかし正式な「駅名」が「ソウル駅」だとすると、「Seoul Station Station」が正しいのではないだろうか?百歩譲って「Seoul-rok Station 」だろう。

 蛇足になるが、東京と神奈川の境を流れる「多摩川」は「Tama-River」という英文表記なのに、なぜ「荒川」は「Ara-River」ではなく「Arakawa-River」と表記しているのか?という疑問を日本のラジオ番組で聴いた覚えがある。私もその理由を知りたい。

 大分以前の話しになるが、ソウルを走る地下鉄の駅名の英文表記が問題になった。 

 例えば、東京の地下鉄の場合「青山一丁目」や「本郷三丁目」といった、駅名に“数字”が含まれている駅は「Aoyama-Icchyo-me」や「Hongo-San-chyo-me」といった具合に発音に倣って、数字も含めて全てローマ字表記するのが普通だ。

 しかし、ソウルの地下鉄では当初「乙支路3街(ウルチロサムガ)」や「鐘路5街(チョンノオーガ)」をそれぞれ「Euljiro 3-ga」、「Jongno 5-ga」というように“数字の読み方”を標記していなかったのだ。これで何が起こったかというと、街中で路頭に迷う外国人観光客が相次いだのである。
 
 韓国語で数字を読めない外国人観光客が「乙支路3街(ウルチロサムガ)」の駅まで行きたい場合を考えてみよう。彼(彼女)らは道行く韓国の人に『「ウルチロ Thre(スリー)ガ」ハ ドコデスカ?」と尋ねるしかないだろう。

 英語の解かる人なら問題ないだろうが、自分と髪も瞳も肌の色も異なる外国の人から突然話しかけられただけでも緊張するのに、「ウルチロ Thre(スリー)ガ」とか、「チョンノFive(ファイブ)ガ」などと言われた日には、地元の人であったとしても、それが「乙支路3街(ウルチロサムガ)」や「鐘路5街(チョンノオーガ)」をさしているということをすぐに解するのは難しいのではないだろうか?

 この問題が新聞の読者投書欄に掲載されたのだ。おかげで今は「Euljiro 3(sam)-ga」、「Jongno 5(o)-ga」というようにアラビア数字に読み方を併記するようになった。

 「ソウル駅」から教会の最寄り駅「二村(イチョン)」まで行ったが、「抑うつ」さんが“お出まし”になったので、日本語礼拝に出るのを諦め、家に戻る。体全体がだるく、とにかく辛い。抗うつ薬を多めに口に放り込み、布団を頭まで被って横になる。目が覚めたら夜の七時を過ぎていた

 写真は地下鉄四号線のソウル駅の「駅名表示板」。