晴れ。最低気温-1.2度。最高気温14.6度。
延世(ヨンセ)大学の正門を入るとすぐ右側に大きな「大学内のイラストマップ」がある(写真)。この「イラストマップ」非常に見づらいというか、解かりづらいのだ。何故なら、「イラストマップ」は北が右上で南が左下になるように描かれているのにもかかわらず、「イラストマップ」自体は東向きに設置されているからだ。従って頭の中で東西南北の位置関係を修正するという作業が必要になるのだ。
私はもう慣れたが、初めて大学を訪れた人にとっては“難解極まりない”のである。
私は小さい頃よく「鏡文字」を書いた。幼稚園や小学校の低学年の時に描いた絵を見ると自分の名前を見事な「鏡文字」で書いてある。もちろん“ひらがな”でだ。「鏡文字」は左利きの人や5~6才までの幼児などに多く見られる現象だそうだ。あの「レオナルド・ダ・ヴィンチ」も左利きで、13,000ページにもわたるノートを全て「鏡文字」で書き記していたそうだ。世界は広い。遥か昔、十五世紀末の「イタリア」に私より天才がいたとは驚きだ!
今となって見ると、よくそんな器用な真似が出来たものだと我ながら感心する。しかし「三つ子の魂(たましい)百まで」とはよく言ったもので、今でも同じようなことをしていることに気付いたのだ。昨日入会した「ダンワールド」のレッスンを受けた。体内の「気」の循環を活性化させ、心と体の本来の機能を取り戻すというものだ。
スポーツクラブのスタジオレッスンと同じ要領で、先生が一人前に立ち、その後ろで白い修練着に身を包んだ受講生たちが先生の動きについてゆくというものだ。私は初回ということで、張り切って一番前の列に陣取った。先生が「左手をあげて、手のひらを天井に向けて~・・・」と言いながら実際にその通りに動いてゆく。「今度はゆっくり左足を一歩前に出しま~す・・・」先生は私達と正対しているので、実際には「右手を上げて、手のひらを天井に向けて、ゆっくり右足を一歩前に出して」いるのだ。つまり、私達受講生は先生の動きを見たまま素直に行えば良い。とても簡単だ。
でも私にはそれが出来なかった。ご丁寧にも、一人で先生と同じ動き(右手を上げて、右足を一歩前に出す)をしている。あまつさえ右手の甲を天井に向けているのだ。でも、もちろん自分自身は全くそのことに気付いていないのだ。タダでさえ初めてのレッスンで緊張し、心臓がバックンバックン状態に陥っているのだ。冷静な判断など到底無理だ。“左手と左足を同時に出して行進しようとする人”が私のココロとカラダを支配している。
先生も私の「タダナラヌウゴキ」を察してか、今度は私達と同じ方向を向いて説明を始めた。その時になって初めて、私は自分の“間違い”に気付かされたのだ。もうこうなると“最悪”だ。どんどん「タダナラヌウゴキ・スパイラル」にハマって行く。上下左右の方向感覚が麻痺し、まるでコントロールが利かなくなって、突然暴走を始めたラジコンカーのようになる。
恐ろしいことに、この「タダナラヌウゴキ・スパイラル」は“空気感染”するという特性を持っている。お陰で私の周りの人たちまでもが「タダナラヌウゴキ」を始めてしまう。私が一番前の列に陣取っているので更に始末が悪い。二列目以降の人たちが先生ではなく、私の動きに、ついついつられてしまうのだ。
レッスンが終わり、先生の“診断”を受けたところ、受講生の多くが“感染”もしくは“感染の疑いがある”という結果が出た。お陰で私は、他の受講生たちから即刻“隔離され”、院長先生が直接執刀される「居残りレッスン」という“手術”を受けた。
そう言えば、日本でスポーツクラブに通っている時も、スタジオレッスンで同様な“失敗”を何度も犯していたということを、家に帰る途中になってようやく思い出した。特に機敏な動きを要求された場合の「タダナラヌウゴキ・スパイラル」の発症率は94.08パーセントを越えていた。
「鏡文字」同様、「タダナラヌウゴキ・スパイラル」の原因は未だよくわかっていない。だだし、「不器用な人」がより発症しやすいという“仮説”が「レオナルド・ダ・ヴィンチ」のノートに「鏡文字」で書き記されているそうだ。
延世(ヨンセ)大学の正門を入るとすぐ右側に大きな「大学内のイラストマップ」がある(写真)。この「イラストマップ」非常に見づらいというか、解かりづらいのだ。何故なら、「イラストマップ」は北が右上で南が左下になるように描かれているのにもかかわらず、「イラストマップ」自体は東向きに設置されているからだ。従って頭の中で東西南北の位置関係を修正するという作業が必要になるのだ。
私はもう慣れたが、初めて大学を訪れた人にとっては“難解極まりない”のである。
私は小さい頃よく「鏡文字」を書いた。幼稚園や小学校の低学年の時に描いた絵を見ると自分の名前を見事な「鏡文字」で書いてある。もちろん“ひらがな”でだ。「鏡文字」は左利きの人や5~6才までの幼児などに多く見られる現象だそうだ。あの「レオナルド・ダ・ヴィンチ」も左利きで、13,000ページにもわたるノートを全て「鏡文字」で書き記していたそうだ。世界は広い。遥か昔、十五世紀末の「イタリア」に私より天才がいたとは驚きだ!
今となって見ると、よくそんな器用な真似が出来たものだと我ながら感心する。しかし「三つ子の魂(たましい)百まで」とはよく言ったもので、今でも同じようなことをしていることに気付いたのだ。昨日入会した「ダンワールド」のレッスンを受けた。体内の「気」の循環を活性化させ、心と体の本来の機能を取り戻すというものだ。
スポーツクラブのスタジオレッスンと同じ要領で、先生が一人前に立ち、その後ろで白い修練着に身を包んだ受講生たちが先生の動きについてゆくというものだ。私は初回ということで、張り切って一番前の列に陣取った。先生が「左手をあげて、手のひらを天井に向けて~・・・」と言いながら実際にその通りに動いてゆく。「今度はゆっくり左足を一歩前に出しま~す・・・」先生は私達と正対しているので、実際には「右手を上げて、手のひらを天井に向けて、ゆっくり右足を一歩前に出して」いるのだ。つまり、私達受講生は先生の動きを見たまま素直に行えば良い。とても簡単だ。
でも私にはそれが出来なかった。ご丁寧にも、一人で先生と同じ動き(右手を上げて、右足を一歩前に出す)をしている。あまつさえ右手の甲を天井に向けているのだ。でも、もちろん自分自身は全くそのことに気付いていないのだ。タダでさえ初めてのレッスンで緊張し、心臓がバックンバックン状態に陥っているのだ。冷静な判断など到底無理だ。“左手と左足を同時に出して行進しようとする人”が私のココロとカラダを支配している。
先生も私の「タダナラヌウゴキ」を察してか、今度は私達と同じ方向を向いて説明を始めた。その時になって初めて、私は自分の“間違い”に気付かされたのだ。もうこうなると“最悪”だ。どんどん「タダナラヌウゴキ・スパイラル」にハマって行く。上下左右の方向感覚が麻痺し、まるでコントロールが利かなくなって、突然暴走を始めたラジコンカーのようになる。
恐ろしいことに、この「タダナラヌウゴキ・スパイラル」は“空気感染”するという特性を持っている。お陰で私の周りの人たちまでもが「タダナラヌウゴキ」を始めてしまう。私が一番前の列に陣取っているので更に始末が悪い。二列目以降の人たちが先生ではなく、私の動きに、ついついつられてしまうのだ。
レッスンが終わり、先生の“診断”を受けたところ、受講生の多くが“感染”もしくは“感染の疑いがある”という結果が出た。お陰で私は、他の受講生たちから即刻“隔離され”、院長先生が直接執刀される「居残りレッスン」という“手術”を受けた。
そう言えば、日本でスポーツクラブに通っている時も、スタジオレッスンで同様な“失敗”を何度も犯していたということを、家に帰る途中になってようやく思い出した。特に機敏な動きを要求された場合の「タダナラヌウゴキ・スパイラル」の発症率は94.08パーセントを越えていた。
「鏡文字」同様、「タダナラヌウゴキ・スパイラル」の原因は未だよくわかっていない。だだし、「不器用な人」がより発症しやすいという“仮説”が「レオナルド・ダ・ヴィンチ」のノートに「鏡文字」で書き記されているそうだ。