労働者のこだま(国内政治)

政治・経済問題を扱っています。筆者は主に横井邦彦です。

参議院選挙公示の日に その③

2010-06-25 03:28:45 | Weblog
 アフガニスタン駐留米軍のマクリスタル司令官が更迭された。

 オバマ政権は、努めて平静を装おうとし、マクリスタル司令官の更迭を彼の個人的問題としてあつかおうとしているが、アメリカ軍国主義(ミリタリズム)は朝鮮戦争時のマッカーサー更迭、ベトナム戦争時のマクナマラ国防長官の辞任のように、戦争がうまくいかなかった場合、その責任者を変えることによって、戦略の転換を図ってきた。

 1951年に、北朝鮮軍と「中国人民志願軍」の反抗が本格化し、再び戦線を押し戻すようになった。このような状況を打開することを目的に、マッカーサーは中華人民共和国領となった旧満州に対する空爆、さらには同国への核攻撃の必要性を主張した。

 しかしソ連との核戦争を恐れたトルーマン大統領は、マッカーサーを更迭することで朝鮮戦争を現状で固定し終息させる道を選んだ。

 1968年には、南ベトナム解放戦線の“テト攻勢”で、ベトナムにおけるアメリカの勝利はないと確信した国防長官のマクナマラはジョンソン大統領に北爆の停止とベトナム戦争の段階的な終息を進言したが、拒絶されたために辞任した。

 もちろん、戦争を止めようという人が辞めたのだから、ベトナム戦争はその後も続くことになるが、ベトナム戦争を牽引してきた人物が失意の中で辞めていったことでベトナム戦争は一つの分水嶺を越えたのだった。

 アフガニスタンのマクリスタル司令官はどちらかといえば、マッカーサータイプで今年の夏にカンダハルの総攻撃を強行しようとするマクリスタル司令官はいくつもの障害に遭遇していた。

 一つは、マクリスタル司令官がカンダハルの総攻撃に呼応するかたちで、カンダハルの兵站地になっているパキスタンの北ワジリスタン攻撃をするように説得、というよりも恫喝をしてきたがパキスタンはいまだに承諾していない。(パキスタン政府にとってワジリスタンの出兵はこの地の分離独立運動と隣接するイランを刺激するのでどうしても避けたい)

 二つ目は、アフガニスタンのカルザイがこの地を拠点としているため、この地の部族長の承諾なくカンダハルを攻撃することに反対していること。

 タリバンの拠点となっているカンダハルの攻撃をイラクの“ファルージャの戦い”のように徹底した焦土作戦として戦い、爆弾の雨を降らせて住民を老幼男女の区別なく皆殺しにすればアフガニスタンに平和が訪れると信じているマクリスタル司令官は、パキスタンやカルザイ政権の意向を無視してことを進めようとするが、そんなことをすればすべてがぶち壊しになることを知っているオバマ大統領はマクリスタル司令官を解任することでなんとか“アフガニスタンの危機”を乗りきろうというのだが、この場合、やはりアフガニスタンの戦争は一つの分水嶺をこえたと見るべきだろう。

参議院選挙公示の日に その②

2010-06-25 02:06:49 | Weblog
 これは非常に逆説的な話なのだが、今日、長期金利が急落(=国債価格が暴騰)した。

 参議院選挙で、自民党や民主党やその他の保守政党が財政危機を理由に消費税の引き上げを議論している時に、なぜ国債の価格が暴騰するのか?

 財政危機が現実のものとして存在しており、国債が過剰に発行されているとするのであれば、国債の引き受け手がいなくなり、長期金利は急騰(=国債価格の暴落)するはずであり、ギリシャや他のヨーロッパ諸国で今、実際に起こっていることである。

 ところが日本では逆のことが起こっている。

 これは日本の金融機関や外資系のヘッジファンドが日本の国債を買いまくっているからであり、長期金利が急落(=国債価格が暴騰)するにしたがって円が買われ、円高が進んだのである。

 世界経済の観点から見ると、この現象は、ヨーロッパやアメリカで経済活動の内容が悪くなっていることから、株や商品市場が不安定で、“リスク回避”として、遊休資本が金の先物市場や東京の債券市場へ流れ込んでいることから起こっている。

 日本が金と並んで、世界の投機筋から“リスク回避”先としてもてはやされているのは、日本が依然として世界最大の債権国であるからである。

 また日本の金融機関が国債を買いあさっているのは、有望な投資先がないからであり、国内で投資先が見あたらないのは、経済の先行きの不透明感が増大しているからである。

 したがって日本がヨーロッパやアメリカに比べてよりましであるというのは、単に比較の問題であり、相対的なものでしかない。

 しかし、相対的とはいえ、円高の進行と遊休貨幣資本の日本国債への集中は、今後、実体経済への悪影響となって現れざるをえないだろう。


参議院選挙公示の日に その①

2010-06-25 01:20:21 | Weblog
 参院選が公示された24日昼前、東京・新宿のJR新宿駅西口で、民主党の比例代表候補とたちあがれ日本の両陣営が同時に街頭演説し、一時騒然とした情況になったそうである。

 たちあがれ日本の応援演説をしていた石原慎太郎氏は「うるせえな、お前ら。どこの何人(なにじん)だ。」とマイクで絶叫したそうである。

 石原慎太郎氏によれば、今回の参議院選挙の争点は候補者が「どこの何人(なにじん※ふりがなをつけないと「なんにん」と読む人ばかりのようですのであえてふりがなをいれています)」であるかどうかだそうだが、それにしてもがらが悪い。