労働者のこだま(国内政治)

政治・経済問題を扱っています。筆者は主に横井邦彦です。

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今、中東で、そして、世界で、起こっていること

2011-02-14 00:29:19 | Weblog
 エジプトでムバラク大統領が辞任し、世界は「エジプト革命」と騒いでいる。

 しかし、革命前と革命後では、実は、何も変わっていないのである。

 エジプトの実権を握っているのは依然として、軍部であり、軍部の背後にはアメリカ帝国主義がいる。

 そもそもムバラク政権は、前政権サダトの自由化失敗の結果として生まれている。サダトのもとで経済自由化と外資導入がなされた結果、エジプト社会に急速に貧富の差が広がり、腐敗が横行したことによる国民の不満も高まっていた。

 そのサダトがイスラム原理主義組織“ジハード団”に所属する中尉によって手投げ弾を投げられて暗殺されるとサダトの後任として大統領の就任したのが当時空軍元帥であったムバラクであった。

 サダトが社会主義者やイスラム過激派を独裁的な強権政治で弾圧したように、ムバラクも親米派として、アメリカ帝国主義の意向を受けて強権的な軍事独裁国家を建設し、政権はアメリカからの莫大な経済援助に寄生する政治体制を築き上げてきた。

 そのムバラク体制はアメリカ帝国主義という後ろ盾を失うことによっていとも簡単に崩れ去った。

 だから今回のムバラク体制の崩壊はアメリカの中東政策が大きく変化したことの結果でもある。

 アメリカのオバマ大統領は、これまでイスラム原理主義の防波堤として存在した中東の親米国家(そのほとんどが王政か軍事独裁国家)が親米であるという理由だけで保護や援助はしないという政策に明確に切り替えたのである。

 しかし、アメリカによってもたらされた“自由と民主主義”がどのような結果をもたらすのかと言うことは、オバマ大統領やわれわれを含めてまだ誰にも分からない。

 もちろんエジプトにおける資本主義的諸関係の発展はめざましいものがあり、イスラム原理主義組織もかつてほどの影響力は持ちえていないのかもしれないし、政権を託された軍部がどのように動くかも未知数である。

 それにもかかわらずオバマが“未知の海”に乗り出さざるをえなかったのは、現在、世界が陥っている経済的な危機がある。この危機は経済的な発展が遅れている地域ほどするどいものになっている。

 資本主義の危機が深まる中で、“自由と民主主義”が資本主義の唯一のレーゾンデテール(存在してよい理由)になりつつある。そうであるのであれば資本主義世界の“盟主”であるアメリカは資本主義を守るために“自由と民主主義”の伝道者であり続ける必要がある。

 オバマ大統領はそのように考え、それはアメリカ帝国主義の新しい世界戦略になりつつある。

 しかし現在、世界の人々を襲っている苦難は“自由と民主主義”では解決不能なものばかりである。

 本来であるのであれば、世界的な規模で社会主義運動が高揚しなければならない時代なのだが、世界の社会主義運動全体は依然としてスターリン主義が社会主義運動にもたらした打撃から立ち直ってはいない。

 だから、闘争の発火点となりながらも、政変の主役とはならず、もっぱら賃上げや労働条件の改善といった現実的な利益を求めたエジプトの労働者階級の闘いは賢明であっといえよう。労働者はそれぞれの国でまず自力をつけて独自の政治勢力として登場する必要があり、現在はそのための準備期間といえるからだ。

 このことはわれわれの今後にも若干の影響をおよぼしつつある。

 われわれは“経年劣化”がひどいので、“老兵は消えゆくのみ”と考えていたが、いくら老いぼれてもわれわれはまだまだ存在を続け、その声を上げ続けることを求められている。
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