労働者のこだま(国内政治)

政治・経済問題を扱っています。筆者は主に横井邦彦です。

くずれ始めているネット右翼

2010-06-21 02:08:48 | Weblog
 この場合の、「くずれる」というのは有機物の腐敗が進んで、原型が何だったのかすら判別できないほど、腐敗(分解)が進んでいる状態のことである。

 われわれに対して、「売国奴は日本から出て行け」といった人がいたが、日本のネット右翼の議論のほとんどがこういうたぐいの話に帰着しつつある。

 最近では、われわれのことを「特亜の工作員」ともいうらしいが、“特定アジア”というは、特に反日感情の高い中国、韓国、北朝鮮の3カ国を意味する呼称だそうだ。

 なぜ中国、韓国、北朝鮮が、アジアの中で“特定”(特に、それと断定すること)なのか?それはこれらの国が反日的だからというのは、まるでアジアが日本の所有物のような言い草なのだが、中国、韓国、北朝鮮の人々がなぜ日本を憎悪しているのか、身に覚えがないというのであるから、日本は盗っ人猛々しい恥知らずな国であるといわれても仕方があるまい。

 日本の民族主義は、先の侵略戦争の正当化から、さらに進んで“特亜”(特定アジア、つまり、中国、韓国、北朝鮮)の人々に対する憎悪を深める道を選択することによって、何者でもなくなりつつある。

 同じことは、もう一つの対立軸である“左翼”についてもいえる。何が“左翼”であって、何が“左翼”でないのかという概念規定そのものがないために、自分の気に入らないものはすべて“左翼”であるということになり、民主党や社民党の候補者に対して「あいつは赤軍派だ」、「こいつは中核派だ」、「あれは革マル派だ」という言葉が入り乱れている。

 そして、不思議なことに、そういう民主党や社民党の候補者は、同時に“特亜”でもあり、あれは韓国籍、あれは朝鮮籍、あれは中国系であるという話がまことしやかに語られている。

 少し前に、東京都知事の石原慎太郎氏はこういう話を真に受けて、公衆の面前でしゃべったために、恥をかいたが、それでも自民党の安部晋三氏や麻生太郎氏はこういう観点で参議院選挙を闘うのだそうである。

 安部氏や麻生氏の前職は何でしたか?というつもりはないし、やめた方がいいのではないかなどと、余計なことをいうつもりもない。

 むしろ、おもしろいからもっとやればいいじゃないか、というのがわれわれの立場である。

 もちろん、結果に対する責任は自己責任であることをお忘れなく。あとになってわれわれが余計なことを言うからこうなった、といわれてもわれわれは関知しませんので、あらかじめおことわりをしておきます。